三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
かっこいいごはんも いいかげんな飯も 全ては私のリアリズム(おおげさ)

イチゴ、赤、ジャム、春

2011-04-20 20:22:10 | 作りました。
<4月12日の食事>
朝:ベリーベーグル(Bio Cafeで購入)イチゴのジャム コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、豚とピーマンの生姜焼き、ニラとしいたけのゴマ和え、キャベツの行者にんにく味噌つけ)
夜:ほうれん草とチキンのカレー ナン マンゴーラッシー @スルターン・飯田橋

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春だ。
イチゴの季節だ。

スーパーにも、手頃な価格でイチゴのパックが並ぶ。
こういう時だけ愛県意識が働き、同じ値段なら迷わず選ぶ栃木県産とちおとめ。

水で軽く漱いでそのまま齧るときの、色そのままの鮮烈な味はひとしおだが。
買って何日か経って、すこし傷み始めた時。
それで作るジャムもまた格別である。

ヘタをとって、縦に半分か3つに分けて切って。
少しの甘味料で、ほんの少しだけ煮る。
クラクラするような甘美な匂いが、狭い1Kの部屋に立ちこめる。
思い出すのは子どもの頃、イチゴ狩り遠足をしてきて、余ったものでジャムを拵えてもらった記憶。
匂いは記憶と直結するというのは、げにまことなり。

それを、熱いうちにパンにのせていただこう。
うううこれ。

匂いと色そのままに甘美なそれを、咀嚼する際は案外野蛮だ。
トロトロを噛み締めたあとに、ツブが少しだけ抵抗をみせて。
それを容赦なく噛み砕く暁には、アドレナリンが湧き出すというもの。

保存食品としてジャムを沢山作るんではなくて、そのときに食べたい量だけ作るというのもまた、格別な贅沢。
その分甘味料を少なめにするから、果実感もまたたっぷり味わえるし。

この春は、あと何回食べられるんだろうか。
花粉がいなくなるのは歓迎だけど、春が去るのは名残惜しいのであった。

「おとなの味」を知る

2011-04-19 22:01:47 | 食とレビュー
〈4月11日の食事〉
朝:フルーツグラノーラ+りんご+ヨーグルト
昼:鶏とレンコンのサンドイッチ(Bio Cafeのけしの実バケットを使用) キャベツに行者にんにく味噌 豆乳
夜:カレーライス ブルーベリーヨーグルト ミルージュ

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これを書いている本日(4月19日)、平松洋子さんのエッセイ「おとなの味」を読み終えた。

綴られた味や匂いが浮かび上がるような、視覚的な文章。
漢字とひらがなの使い分けのリズムがとても綺麗。
初めて味わう平松さんの文体は、自分にとってとても心地よい。

少しずつ一気に読んでしまうのが惜しくて、鞄に入れ、電車移動時に少しずつ。
それこそ滅多に味わえない好物をちびちびと何日かに分けて食べるように、読了までかれこれ3週間は要したのではないだろうか。
とても、おいしいエッセイであった。

感銘を受けたからここに書くのに、本の内容を少しでも紹介したら営業妨害にならないかと危ぶみつつも、特に印象に残ったはなしを書きたい。
それは、水のはなし。

日本の水質は基本的に硬度の低い軟水だが、細かく見れば、比較的東日本の水は硬度が高く、西日本の水は硬度が低い。
その分、東日本の水で米を炊けばパラリとし、西日本の水で炊けば水分の多い、もっちりとした感じになるという。
米の炊きあがりを生かした結果、江戸では握り寿司文化が生まれ、上方では押し寿司文化が生まれたという。

また、硬度が高いことで知られるヨーロッパの水は煮込みに適しているため、シチューなどの食文化があるのだという。
イタリアの味を再現するため、コストが高くなっても硬水を使ってパスタを茹でる職人のはなしも紹介されていた。

水は調味料である、と結論づけた文章に感銘を覚え、同時にへええ、と膝を打った。
水には硬水/軟水という区分があるのは知っていたが、そこまで味を左右されるものとは。
調理のみならず、育つ過程においても左右するのは自明の理で。
作物の芽生えから口に入るまで、そこにはどうしてこの味になったのかという理由があるのだとわかる。
「地産地消」ってエコ用語のように思われているが(※近場で採れたものを食すことは、運送にエネルギーを使わないという意味でエコだと言われている)、新鮮なものを「理由」込みで食す行為なのだと気付かされた。

まあ元々食に対してどん欲であり、してこういう業態のブログを書いているわけだが、食の背景を思えば、益々食べ物が愛おしい。
「おとなの味」の余韻を味わいたくて、最後まで読んだ本を、また捲って字を追っている。

止まらぬ味噌スパイラル

2011-04-18 21:13:37 | こんなものを食べてみました。
<4月10日の食事>
朝:-
昼:カレーライス
夜1:恋人と。ヒューガルデン 枝豆のフリット ソーセージの盛り合わせ シーザーサラダ @まるさんフーズ・中目黒店
夜2:恋人と。スモークチーズ 牛タンスモーク キャベツに行者にんにく味噌 銀河高原ビール・ペールエール

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この日も目黒川沿いへ。
つくづく今年の春は目黒川の桜ばかりみている。

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「夜2」とおかしな記述をしているが、お花見用に買っていたおつまみを、誰かとシェアしたかったんである。
本当なら家に帰って、それらを持ち出して目黒川まで行くつもりだったのだが、それより前に恋人の空腹が限界を迎えた。
そのため夜を2回に分け…って分かってる、食べ過ぎだって分かってる。

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「行者にんにく味噌」のことを、本稿では伝えたい。
この調味料が、とても美味しいのである。

この調味料のことは、「銀河高原ビールを全種コンプリートするぞ!」と意気込んで参った「いわて銀河プラザ」で知った。
いわて銀河プラザは東銀座にある岩手県のアンテナショップ。
大好きなビール・銀河高原ビールが全種揃うと知り赴いたのであった。

売り切れがあって結局全種コンプリートは叶わなかったのだが、他にも興味を惹かれるものが多すぎた。
「今生もの買っても食べきれないでしょ!」と自分を宥め、選ぶに選び、買ったうちの一つが「行者にんにく味噌」なのであった。

この選択は正解だったと言わざるを得ない。
味噌と行者にんにく、魚介類エキスの混じった瓶をあければ、いかにもいい匂い。
味も裏切らず、甘じょっぱい、何とも後をひく味。

何に使っても美味しかったのだが、とりわけ、ざく切りキャベツにディップとして使うのが、絶妙な組み合わせだったのである。
春キャベツがうまい時期というのも相まって、まぁ止まらない止まらない。
これまたビールと合うんだなぁ。
人の目を気にしないなら、おつまみはこれだけあれば充分と思うほどだ。
キャベツ半玉くらいいけるんじゃないのか。

と書きつつ写真を撮り忘れたので、商品をこちらにご紹介します。
行者にんにく味噌

他のものも美味しい、楽しい、いわて銀河プラザHP。
(あきらめられなかった生もの=「くるみもち」がすごく美味しかった…!)
http://www.iwate-ginpla.net/

2瓶め(リピートした)が残り半分くらいなので、近日中に行く。

夜桜、目黒川

2011-04-18 20:37:00 | 行きました。
<4月9日の食事>
朝:カレーライス イチゴとヨーグルト
昼:ベイクドなっとうドーナッツ(チョコ、抹茶あずき:せんだい屋で購入)コーヒー
夜:前社友人たちと食事。ビール 白ワイン二種 生牡蠣 牛筋の煮込み スペアリブ ブロッコリーのタジン ボロネーゼのパスタ アサリのリゾットなど @Bbr APARTMENT・中目黒
その後目黒川のほとりまで移動し、梅酒

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この日、本来ならお花見の予定だった。
去年も行った、東大島でのお花見が、今年も執り行われる筈だったのである。
ところが、昨日の行いが悪かったせいか、天候に優れず。
そのまた翌日に延期になったものの、その日は予定があり、あえなく東大島でのお花見はなしになったのであった。

しかし、せっかく招集掛けたのである。
集まる予定そのものは流さず、食事をしようじゃないか。
と、前社界隈で知り合った友人たちと、中目黒で食事をすることにしたのだった。

なぜ中目黒にしたかといえば、目黒川沿いの桜並木は、桜の名所に明るくない私でも自信を持って綺麗だと言えるところ。
また駅からの距離も近いため、どこかのお店で食事をしたあと、帰りすがらに立ち寄って桜を見れると践んでのことである。

さて店へ。
行きたかったシンガポール料理の店…には満席のため入れず、紹介していただいた姉妹店へと赴く。
フラれたのは残念だけど、街に活気があるのはいいもんですね。

して、食事をしながら。
久しく会ってない方とは、それこそ一年くらい会ってなかったんじゃなかろうか。
お互いの近況報告と、最近の話と。
ブランクを感じさせぬくらい、会話は止まらない。
何故か勃発した「赤福VS白い恋人」という不毛な論争だとか(笑)
笑い過ぎて頬が痛くなるなんて、いつぶりだろうか。

その後、途中のコンビニでめいめいの酒を買って、目黒川のほとりへ。
ここでも会話は尽きない。
そして、そのとき23時をまわっていながら、周りも実に賑わっていて。
元気な街に、ほっとさせられたのであった。

しかし本当に楽しかったな。
一緒に食事できて会話できて嬉しかったです。
来れなかった人もいるし、また近いうちに集まりましょう。
そしてお花見リベンジもね!
そのときまで、皆お元気で。

カレー、後悔

2011-04-16 08:49:46 | 作りました。
〈4月8日の食事〉
朝:フルーツグラノーラ+りんご+ヨーグルト キャベツに味噌マヨネーズ コーヒー
昼:お弁当(玄米ご飯、豚とゴボウの西京焼き、キンピラゴボウ、しめじの卵とじ、サラダ)
夜:カレー イチジクのパン(メゾンカイザーのもの)

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ごくたまに、オーソドックスなカレーを食べたくなる。
ここにおけるオーソドックスなカレーとは、市販のカレールーを使って作る、肉とじゃがいもとニンジンと玉ねぎ必須のもの。
インドカレーやタイカレーといった、外食・本格系とは一線を画すものである。

だが、市販のカレールーを使ったカレーを作ることはあまりない。
余りを冷凍するにしたって、家で食事をすることが少ない職業で一人暮らしだと、消費するのが中々難しいからだ。
なので、自炊事のカレーは、カレー粉を使って食べる分だけ作れるドライカレーであることが多い。

けれどこの日は、カレールーを使ってカレーを作りたいと思った。
あまり忙しくない時期だったから、家で食事をとる機会が多いのを見越してたのかもしれない。

そうして作って、思い通りの味に満足して、はたと気付いた。
明日、お花見だから、晴れてほしいのに…!

珍しいことをすると雨が降るというのは、古来より伝えられる迷信である。
珍しいことをして本当に雨が降った記憶などないのだが、前日であるこの日の段階で、降水確率は50%であった。
確率五分五分なのに、雨が降る方に一票投じてどうする。

果たして、翌日は嘆きの雨。
お花見も中止だ。
カレーを作って後悔することもある。
そんな事を学んだ春であった。

チャイぶるドリンクいいかんじ

2011-04-16 00:14:53 | 作りました。
〈4月7日の食事〉
朝:フルーツグラノーラ+りんご+ヨーグルト チャイ(と言い張っているもの)
昼:お弁当(ドライカレーライス、おからこんにゃくと野菜の煮物)
夜:しめじの卵とじ焼きのベーグルサンド(Bio CafeのMgベーグル使用) レタスサラダ ヱビス

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そう。
言い張っているのである。
何を、と言えば、チャイであると。

チャイと言えば紅茶葉とスパイスをミルクで煮出したインド式ミルクティーであるが、私はこれを思い切り簡略化…と言うよりは、海の向こうの非日本人職人の作る得体の知れない寿司の如く、実に大らかな気分でチャイもどきを作る。

私式のチャイは、こんな感じだ。
まず、豆乳をミルクパンに注ぐ。
そこからしてまず本式と異なるのだが、うちにあるのが豆乳なのだから仕方あるまい。

ここにチューブ入りのショウガを入れる。
シナモンやら何やら組み合わせて入れる筈のスパイスを、これがまた無いからというよりは何を入れるのか正しく知らないばかりに、ショウガに担当させる。
慣れない味に抵抗を感じるばかりに、何にでも醤油をかけるお父さんみたいである。
ショウガ入れときゃだいたい大丈夫とばかりに。

この混合液に茶葉を入れコトコト煮立てるわけだが、さすがにここは紅茶葉である。
袋状の出汁パックみたいな不織布の袋に茶葉を入れ鍋へ。
が、緑茶葉や麦茶でも美味いんではないかと思っているあたり、つくづく本格というものに思い入れのない女だ。

どこまで煮立てるのかも分からず、うっすら茶色になってきたかな、という辺りで火を止める。
甘味料(ちなみにアガベシロップを使うため、またしてもインド関係ない)を入れたカップにミルクパンの中身を注ぎ、軽く混ぜたら観念上のチャイは完成だ。

と、インド人に呆れられること必至の我がチャイであるが、これが中々に美味いのである。
体が温まるのもよい。
だから、面倒ながらも度々作っているのである。

美味いわあと思い飲んでいるが、「ツナをガムシロで煮たものを入れた太巻き」(以前ネットの記事で読んだが、海の向こうには、本当にこういうものがあるらしい…)のようになってしまっている可能性も、なきにしもあらずだったり。

池尻大橋に風は吹くか

2011-04-15 11:00:11 | 食雑記
〈4月6日の食事〉
朝:バケット(サンジェルマンのもの) いちごのコンフィチュール カッテージチーズ アスパラとパプリカ・マヨネーズのせ 紅茶
昼:お弁当(玄米ご飯、豚とゴボウの西京焼き、おからこんにゃくと野菜の煮物、サラダ)
夜:ほうれん草とチーズのカレー ナン チャイ @飯田橋・スルターン

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先月のことになるが、池尻大橋のkazefukebaに行った。
鎌倉野菜と鎌倉近辺の魚介類を使った食事を出すレストランである。
その時の客が恋人と私の2人だけだったこともあり、コースの合間合間に、ご主人と奥様から食材へのこだわりや酒についての講釈を伺うことができた。

醸造を促進させるための添加物を加えない、古酒というスタイルの日本酒があること。
その日の朝に採れた野菜・買い付けた魚を車に積んで鎌倉から池尻大橋に向かうため、本当ならブログで毎日のメニューを載せたいのだけれど間に合わなくて、なんていうエピソード。
野菜に捨てる部分なんてない、皮を煮出せばいいコクが出てスープに最適、なんて語る表情には、本当に野菜が好きなんだろうなと思わせられて、美味しかった料理とお酒も相まって、凄く好感がもてた。

やはり地震のことが話題になったのだけれど、通うためのガソリンを確保するのに苦心したそう。
直後は客の入りがよくなく、買い付けた野菜や魚は自分の食卓にのぼることになったとも言っておられた。
だから最近は家での食事が贅沢なものになっちゃって、と語る表情は笑顔だったけれど、胸中を想像すると切なくなったのであった。

食材を大切にし、料理を愛する者ほど、作ったものは客の胃袋に収まることが喜びである筈だ。
そのために用意したものを自ら食べるほど、切ないことってそうそうないだろう。

そう思えば、外食を控えるという訳の分からない「自粛」は、こうしたひとの喜びを奪う愚行なのだと切に感じる。
そして、土壌や水の汚染は、農家や漁師だけでなく、こうして調理に従事しているひとの誇りをも奪うものだと、改めて思う。
誰がわるいと糾弾する前に、こうした現実は、ただただやるせない。

ここで飲んだ、名前は忘れたけど福岡のもので、甘酒のようでマッコリのようでそのどちらでもない、米と麹と水だけで丁寧に作られたお酒が美味しかった。
新鮮な野菜と魚も、言わずもがな。
また、行きたいと思う。

ア・ロット・オブ・マヨネーズ

2011-04-13 08:55:01 | 作りました。
<4月5日の食事>
朝:フルーツグラノーラ+いちご+ヨーグルト 蒸し野菜に味噌マヨ 紅茶
昼:お弁当(玄米ご飯、レンコンの豚巻き、インゲンのゴマ和え、トマト野菜炒め、キャベツとパプリカのサラダ・味噌マヨディップ)
夜:クリーム玄米ブラン タニタ食堂の100kcalデザート・プリン Fire

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実家より、叔父が作ったというジャガイモが送られてきた。
ならば、とポテトサラダを作ろうと思い立ったのだ。

ここで問題なのは、マヨネーズである。
実は、あまり使わないのだ。

自分の中での立ち位置は、嫌いではないが、殊更に好きでもなく、なけりゃないで差し支えない調味料。
使うのはそれこそポテトサラダを作る時くらいなもので、前回のそれはいつだったっけと冷蔵庫を探せば、期限をだいぶ過ぎた、明らかにデフォルトの味とはかけ離れたものが。
食べ物の神様に、深く詫びる。

これは、新たに買い直しても、同じ道を辿るのが目に見えている。
それなら自作しようと、作り方をネット検索したのだった。

卵黄1に対して、酢を大さじ一杯ほど、それに塩胡椒を適宜。
これに少しずつ油を足し、都度都度根気よく混ぜて乳化させる。
ハンドミキサーも泡立て器も持っていないから、菜箸にて。
運動になるけど作っているのは高カロリー調味料という矛盾を孕みつつ、作業はごく単純である。
実際、あっけないほど簡単に作れてしまった。

しかし、卵黄1に対する油の分量は、150ccなのであった。
つまりは他の材料分を足せば、コップ一杯弱のマヨネーズが出来上がることになる。
普段はあまり使わない調味料で、しかも保存料なしの手作りで、生卵を使っているのだ。
迂濶だった。
どうするんだこんなにいっぱい。

ポテトサラダは恋人が食べる分も合わせてそこそこの量を作ったけれど、そこで使う量なんてたかが知れてるというもの。
有り余ったそれを、辛子と一緒にして野菜を和えたり、味噌と混ぜてディップ状にしたりと、工夫を凝らして使っていったこの週。
美味しいのだけれど、あってもなくても…というのが、マヨネーズを普段使わない者の正直な感想。

その一方で、今回は普通のサラダ油を使ったけれど、他の油を使ってみたらどうなのだろう…と興味も湧いてきてしまった。
ごま油なんて美味いのではないかと睨んでいるが、その折は半量にしようと思う。

発酵を発動せよ

2011-04-12 19:08:56 | こんなものを食べてみました。
〈4月4日の食事〉
朝:フルーツグラノーラ+バナナ+ヨーグルト ココア
昼:お弁当(玄米ご飯、ポテトサラダ、カボチャの煮物、アスパラしりしり、菜の花とパプリカの辛子マヨネーズ和え) インスタント味噌汁
夜:グリーンカレー @ティーヌン 飯田橋ラムラ店

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先月より、物資不足に惑う首都圏である。
「買い占め」による物資不足はもう見られないと言って差し支えないが、製造工場の被災や計画停電により、作るのが難しくなっている製品がいくつか。
ある者は納豆がないことに惑い、ある者はいつもの銘柄のタバコがないと惑い、ある者はビールがなくなる予見に驚く。

私の場合は、ヨーグルトであった。
朝食でフルーツグラノーラとの取り合わせで食したり、食後のデザートとして戴いたりと、まぁ何かと普段からヨーグルトを食べる機会が多いのだが、おいそれと見かけないようになってしまった。
一食分小分けのフルーツが入ったようなものは時折見かけるのだが、500ccくらいの大きめプレーンヨーグルトはまず出くわさない。
何故かとかいつまんで言えば、発酵などに安定した電力を要するため、一度停電してしまうと生産できなくなってしまうらしい。

そうか。
ならば、ないことを嘆くのはやめよう。
なければ、作るという選択肢も残されているのだから。

ヨーグルトの種菌を求め、赴くのは東急ハンズ。
とりあえず何か作りたかったら東急ハンズという信頼感は裏切られず、ありましたよヨーグルト種菌。
購入した「ケフィア」は正確には"ヨーグルト"ではないらしいが、まぁだいたい同じだ。
その他1リットルのガラス容器や温度計なども購入。
「あ、この人帰ったらヨーグルト作る気なんだ…」とバレバレの買い物である。

スーパーにも寄り、牛乳も買い、いざ。
容器を煮沸消毒しながらケフィアの説明書を見れば、ネットで調べた作成法と異なり、なんと、牛乳パックにそのまま種菌を入れてしまってもいいらしい。
それなら、完成した後も冷蔵庫にそのまましまえるという利点付きだ。
えええ。
じゃあ煮沸消毒いらないどころか、このガラス容器いらなかったのか…奮発して1500円もするの買ったのに…と、暗澹たる気持ちにもなろうというもの。
が、せっかく買ったし消毒もしているのだからとガラス容器を使うことに。

菌を活性化するには、ケフィアについては30℃くらいが丁度いいらしい。
牛乳を温めようとするも、生憎うちのミルクパンは小さいのだった。
それで深手のフライパンで温めたのだが、「注ぐ」に特化していない鍋なわけで…
ガラス容器に移す際、派手にこぼしたことをここに懺悔する…

二晩ほど室内に置き、完成したかな、というのが掲載した写真。
が、ダマになってしまい舌触りが悪く、固形状じゃない部分はいくら何でも、といったシャバシャバ状態。
また、説明書には「ヨーグルトと比べ酸味が少ない」と書いてあったにも関わらず、甘味料を必要だと感じたほど酸っぱい。
うん、美味しくない!

ううむ、どうも失敗したようである…
温度調整を間違ったか…

これを食べ切った後日、今度は説明書通りに作ってみた。
すれば間違いなかろう。
牛乳パックを作成・保存の容器としてそのまま使うし、牛乳パックごと湯煎で温める(温め方については、最初もこうすればよかったと反省)。
30℃に温まったら、種菌を入れシェイク。
口の部分にラップをし、クリップで留め、発泡スチロール容器にしまう。

して、だんだん暖かくなってきたので、今度は一晩。
おそるおそる口を開くと…そこには見慣れた白い固形状のものが。
早速スプーンで一口分掬えば、確かに酸っぱくないヨーグルトのようなもの。
お待ちしておりました、お久しぶり。
そう声をかけたくなったほど。

成功した二陣目を思えば、一陣目はもしかしたら腐りかけだったのかも…と思い至り今更青ざめているが、お腹を壊さなかったし誰にも食べさせてないしよしとしようか。

尚、ヨーグルト用としてはもう用を成さなくなった1リットルのガラス容器であるが、塩麹用として新たな活路を見出して今にいたる。
デイリーポータルZの記事をみて手を染めたそれ、詳細はまた別の機会に。


絶望しないただ手を合わせる

2011-04-04 23:44:54 | 食雑記
<4月3日の食事>
朝:フルーツグラノーラ+バナナ+いちご+ヨーグルト チャイもどき
昼:チーズと生ハム、バジルのサンドイッチ(ジャン・フランソワのもの)カフェモカ @表参道駅/メトロマルシェ
夜:恋人と。玄米ご飯 菜の花のガーリックバター醤油ソテー シイタケ蒸し焼き・ショウガ醤油で キャベツのざく切り+行者ニンニク味噌 ポテトサラダ かぼちゃの煮物 北海道の地ビール二種

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あれから3週間あまりが経ったけれど、その日から今までを振り返ったような内容は書かない。
まだまだ先は長いのに、自分の意識の中で一区切りつけて、過ぎた事・決着した事のようになってしまったらこわいからだ。
門外漢な内容を知ったかぶりして書くのも、尻の納まりが悪いしね。

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というわけで、なんだかもう何が正しいのやら、自分の行動における正しさってなんだと未だ分からないのだけれど。
分からないなら分からないなりに、今現在関心を寄せていることを書く。
何と言ってもそれは野菜の事である。
「お野菜サンバ」を歌いかねないくらい、ここ10日ほどは、来る日も来る日もほんとに野菜の事ばかりを考えていた。

「よからぬもの」が、人体に影響が出ない程度に検出され、挙げ句に「よからぬものが育った地域のほかの食べ物」までもが怖がられるって何なのそれ。

それって、例えるなら、カツアゲした疑いがもたれた少年Aがいましたと。
でも実際にはそんなことしてなくて、ただ他の生徒をせいぜいひと睨みしてくらいなのだけど、でもすっかりびびってしまった他の生徒・Bくんおよびそのクラスメイトは「でもさーあいつんとこの中学、なんかガラ悪いっぽいのばっかじゃね?関わり合いになるのやめよーぜ」といってAくんの卒業した中学出身者を、まるごと避け出すと。
でも不良っぽいのはぱっと見くらいで別に暴行に明け暮れてる訳ではないし、もちろんごく普通の生徒だっているし、率先してお婆ちゃんに席譲るタイプの感心な若者・Cくんだってその中学出身者だ。

よく分からぬものを喩えに出して何が何やらという感じだが、つまりは「ワルっぽい気がする」ってだけでそこの出身者を丸々避けるような、そんなバカみたいなことなんである。
風評ってやつは。

自然災害に命を奪われずに済んだ人に、深い絶望を与えたのが、とても悔しかったのだ。
だめだとされて、食べられるはずの野菜が誰の口にも入らずに腐っていくことが、とても悲しかったのだ。

いまでこそしていないが、実家ではかつて農業を営んでいて、まぁロクに手伝いもしなかったのだけれど、それでも農作業をするのは時間も手間も体力も必要だというのを知っている。
誇りをもって作っているのも、分かる。
だからこそ余計に、やるせなかった。

ええい野菜全部私によこせ!食うわ!たくさん食べるわ!と意気込むもその辺では該当の野菜は売ってないわけで。
そんな折に有楽町・交通会館マルシェで農家の方が直売をやると知り、我が事のように嬉しかったのであった。

しかるに、交通会館マルシェと八重洲にある「福島県八重洲観光交流館」に野菜を買おうと行ったのだが、結論をいえばあまり買わずに帰ってきた。
盛況ゆえ売り切れてしまったりと、欲しいものがほとんど手に入らなかったのだ。
つまりは人気者にふられた格好だ。
ちぇ。
けれど、ヤンキーと同じ学校出身者だからってなによ!っていうかあの子だって悪い子じゃないんだからね!っていう人がこんなに沢山いて、よかった。

買ってきた菜の花は、バターにニンニクと醤油で炒めた。
美味しかった。
キャベツのざく切りは、行者ニンニク味噌を付けて食べるのが最近のお気に入りだ。

美味しい食べ物。
ありがとう。

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敬愛する藤原新也さんの著作からことばを一部拝借しつつ、最後に。

絶望しない。
ただ手を合わせる。

悼む。
祈る。
願う。