三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
かっこいいごはんも いいかげんな飯も 全ては私のリアリズム(おおげさ)

池尻大橋に風は吹くか

2011-04-15 11:00:11 | 食雑記
〈4月6日の食事〉
朝:バケット(サンジェルマンのもの) いちごのコンフィチュール カッテージチーズ アスパラとパプリカ・マヨネーズのせ 紅茶
昼:お弁当(玄米ご飯、豚とゴボウの西京焼き、おからこんにゃくと野菜の煮物、サラダ)
夜:ほうれん草とチーズのカレー ナン チャイ @飯田橋・スルターン

----------

先月のことになるが、池尻大橋のkazefukebaに行った。
鎌倉野菜と鎌倉近辺の魚介類を使った食事を出すレストランである。
その時の客が恋人と私の2人だけだったこともあり、コースの合間合間に、ご主人と奥様から食材へのこだわりや酒についての講釈を伺うことができた。

醸造を促進させるための添加物を加えない、古酒というスタイルの日本酒があること。
その日の朝に採れた野菜・買い付けた魚を車に積んで鎌倉から池尻大橋に向かうため、本当ならブログで毎日のメニューを載せたいのだけれど間に合わなくて、なんていうエピソード。
野菜に捨てる部分なんてない、皮を煮出せばいいコクが出てスープに最適、なんて語る表情には、本当に野菜が好きなんだろうなと思わせられて、美味しかった料理とお酒も相まって、凄く好感がもてた。

やはり地震のことが話題になったのだけれど、通うためのガソリンを確保するのに苦心したそう。
直後は客の入りがよくなく、買い付けた野菜や魚は自分の食卓にのぼることになったとも言っておられた。
だから最近は家での食事が贅沢なものになっちゃって、と語る表情は笑顔だったけれど、胸中を想像すると切なくなったのであった。

食材を大切にし、料理を愛する者ほど、作ったものは客の胃袋に収まることが喜びである筈だ。
そのために用意したものを自ら食べるほど、切ないことってそうそうないだろう。

そう思えば、外食を控えるという訳の分からない「自粛」は、こうしたひとの喜びを奪う愚行なのだと切に感じる。
そして、土壌や水の汚染は、農家や漁師だけでなく、こうして調理に従事しているひとの誇りをも奪うものだと、改めて思う。
誰がわるいと糾弾する前に、こうした現実は、ただただやるせない。

ここで飲んだ、名前は忘れたけど福岡のもので、甘酒のようでマッコリのようでそのどちらでもない、米と麹と水だけで丁寧に作られたお酒が美味しかった。
新鮮な野菜と魚も、言わずもがな。
また、行きたいと思う。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿