三十路の食卓

食事の記録・食にまつわるあれやこれや
かっこいいごはんも いいかげんな飯も 全ては私のリアリズム(おおげさ)

絶望しないただ手を合わせる

2011-04-04 23:44:54 | 食雑記
<4月3日の食事>
朝:フルーツグラノーラ+バナナ+いちご+ヨーグルト チャイもどき
昼:チーズと生ハム、バジルのサンドイッチ(ジャン・フランソワのもの)カフェモカ @表参道駅/メトロマルシェ
夜:恋人と。玄米ご飯 菜の花のガーリックバター醤油ソテー シイタケ蒸し焼き・ショウガ醤油で キャベツのざく切り+行者ニンニク味噌 ポテトサラダ かぼちゃの煮物 北海道の地ビール二種

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あれから3週間あまりが経ったけれど、その日から今までを振り返ったような内容は書かない。
まだまだ先は長いのに、自分の意識の中で一区切りつけて、過ぎた事・決着した事のようになってしまったらこわいからだ。
門外漢な内容を知ったかぶりして書くのも、尻の納まりが悪いしね。

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というわけで、なんだかもう何が正しいのやら、自分の行動における正しさってなんだと未だ分からないのだけれど。
分からないなら分からないなりに、今現在関心を寄せていることを書く。
何と言ってもそれは野菜の事である。
「お野菜サンバ」を歌いかねないくらい、ここ10日ほどは、来る日も来る日もほんとに野菜の事ばかりを考えていた。

「よからぬもの」が、人体に影響が出ない程度に検出され、挙げ句に「よからぬものが育った地域のほかの食べ物」までもが怖がられるって何なのそれ。

それって、例えるなら、カツアゲした疑いがもたれた少年Aがいましたと。
でも実際にはそんなことしてなくて、ただ他の生徒をせいぜいひと睨みしてくらいなのだけど、でもすっかりびびってしまった他の生徒・Bくんおよびそのクラスメイトは「でもさーあいつんとこの中学、なんかガラ悪いっぽいのばっかじゃね?関わり合いになるのやめよーぜ」といってAくんの卒業した中学出身者を、まるごと避け出すと。
でも不良っぽいのはぱっと見くらいで別に暴行に明け暮れてる訳ではないし、もちろんごく普通の生徒だっているし、率先してお婆ちゃんに席譲るタイプの感心な若者・Cくんだってその中学出身者だ。

よく分からぬものを喩えに出して何が何やらという感じだが、つまりは「ワルっぽい気がする」ってだけでそこの出身者を丸々避けるような、そんなバカみたいなことなんである。
風評ってやつは。

自然災害に命を奪われずに済んだ人に、深い絶望を与えたのが、とても悔しかったのだ。
だめだとされて、食べられるはずの野菜が誰の口にも入らずに腐っていくことが、とても悲しかったのだ。

いまでこそしていないが、実家ではかつて農業を営んでいて、まぁロクに手伝いもしなかったのだけれど、それでも農作業をするのは時間も手間も体力も必要だというのを知っている。
誇りをもって作っているのも、分かる。
だからこそ余計に、やるせなかった。

ええい野菜全部私によこせ!食うわ!たくさん食べるわ!と意気込むもその辺では該当の野菜は売ってないわけで。
そんな折に有楽町・交通会館マルシェで農家の方が直売をやると知り、我が事のように嬉しかったのであった。

しかるに、交通会館マルシェと八重洲にある「福島県八重洲観光交流館」に野菜を買おうと行ったのだが、結論をいえばあまり買わずに帰ってきた。
盛況ゆえ売り切れてしまったりと、欲しいものがほとんど手に入らなかったのだ。
つまりは人気者にふられた格好だ。
ちぇ。
けれど、ヤンキーと同じ学校出身者だからってなによ!っていうかあの子だって悪い子じゃないんだからね!っていう人がこんなに沢山いて、よかった。

買ってきた菜の花は、バターにニンニクと醤油で炒めた。
美味しかった。
キャベツのざく切りは、行者ニンニク味噌を付けて食べるのが最近のお気に入りだ。

美味しい食べ物。
ありがとう。

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敬愛する藤原新也さんの著作からことばを一部拝借しつつ、最後に。

絶望しない。
ただ手を合わせる。

悼む。
祈る。
願う。


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