今年の目標を書いてるうちに2月に突入してしまいました
去年パソコンが壊れてしまい、ずっと確定申告の準備を先送りにしていたのですが、
今新しいパソコンに必死でデータ入力しているところなのです
さて、今年の目標のもうひとつ、読書では今年に入って数冊読みました。
こちらは去年読んだ守り人シリーズの外伝を再読。
この本を見つけたとき、まさかまた守り人の世界を楽しめるとは思ってなかったので、
小躍りして即ポチッとしてしまいました。
あの戦いの後、ようやく穏やかに暮らしているのであろうタンダとバルサを
垣間見ることができて、もうそれだけで胸が熱くなりました。
物語はバルサが若いころジグロと共に護衛したサダン・タラム〈風の楽人〉と再会し
彼らを助けたことで、再び旅の護衛を頼まれるところから始まります。
サダン・タラムとは、旅をしながら鎮魂の歌や舞を舞う楽隊のことです。
そしてその頭〈かしら〉とはシャタ〈流水琴〉を奏で、異界への道を開くことが
できる存在。
命を狙われている、ジグロの娘かもしれない(!?)サダン・タラムの若い頭を
守ってロタへ旅立つことになったバルサ。
その折々でジグロと共に旅をした過去や、当時サダン・タラムを護衛したときのことを思い出します。
ジグロが守った当時のサダン・タラムの美しい頭と、その娘である若い頭。
その二人の命が狙われたのは、ロタ北部の歴史に隠された秘密があったからなのですが、
それをめぐる二つの氏族に関わって話は展開していきます。
そして過去と現在が交叉する中で、まだ若くて痛々しいほどのバルサと、いろんなことを経験した
現在のバルサがうまく描き出されているなと思いました。
この守り人シリーズが始まったとき、バルサはかっこよかったけど、どこか手負いの獣のような
荒々しさを感じたものです。
でも、チャグムと出会い、アスラを救い、タルシュ帝国との戦いを経て、バルサ自身も
ようやく自分の過去と折り合いをつけ受け入れられるようになったのかもしれない。
だからこそ、悩む若い頭にこう伝えることができたのでしょう。
人はみんな、中途半端なまま死ぬもので、大切なことを伝えそこなったな、と思っても、
もう伝えられないってことがたくさんあるんでしょうが、自分では気づかぬうちに
伝えられていることも、あるのかもしれない。
・・・略・・・
思いは血に流れてるわけじゃなくて、生きてきた日々のあれこれに宿っているものなんでしょう。
・・・略・・・
先のことは、そのとき生きている者に任せるしかないんです。
ジグロの娘として育てられたバルサが、ジグロの娘かもしれない若い頭に
自分の思いを伝えるのですよ。
血はつながっていなくても、バルサには妹のような存在になるわけで・・・
そこまで考えるとちょっとうるうるしますね。
そして今回何より驚いたのは、幼いバルサを連れて故国から逃げ出し、以来ずっと
仲間から命を追われることになったジグロが、ほんの一瞬でも心許す女性に出会えてたということ。
おまけに娘がいたかもしれない、なんてね、本当に嬉しいサプライズ。
できればいつか外伝で、タンダとバルサの子どもの物語も読めるといいなあ・・・
さてこちらは久しぶりに図書館へ行ったときに見つけたもの。
昨年亡くなられたアーシュラ・ル=グウィンの作品です。
これは、古代ローマの詩人ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』を題材に、その中の登場人物
ラウィーニアを主人公に描いた作品です。
『アエネーイス』というのは、トロイア滅亡後の英雄アエネーアスの遍歴を描いたもので
ラテン文学の最高傑作とされるそうです。
・・・・・
なんか難しそう・・・
おまけにややこしいのは、その主人公ラウィーニアが若き日、森の中で作者ウェルギリウスの
生霊に出会い、将来トロイア戦争の英雄アエネーアスの妻となる運命を告げられるのです・・・
???
つまり、将来この叙事詩を書く作者が、過去に戻って自分の作品の登場人物に運命を告げる
ってこと?
でも、設定が難しいと感じたのはここまでで、物語が進んでいくと困難に精一杯立ち向かう
ラウィーニアという女性にとても好感を持ちます。
なぜならラウィーニアは、ル=グゥインが描くだけあって私たちとかわらない自分の意思を
持った、ある意味現代的でとても賢く魅力的な女性だからです。
さすがに現代では、自分の結婚相手を選ぶために国をあげて戦いが起こることはないでしょうけれど
この作品はもちろん日本訳で読みましたが、とても格調高い美しい文章で、おそらく原文も
美しい英語で書かれているのだろうなあと思いました。
ル=グゥインの最高傑作とも言われているようです。
図書館の返却日が迫って最後慌てて読んでしまったけれど、もったいないことをしたと反省。
もう一度じっくり読みなおしたいと思える作品でした。
去年パソコンが壊れてしまい、ずっと確定申告の準備を先送りにしていたのですが、
今新しいパソコンに必死でデータ入力しているところなのです
さて、今年の目標のもうひとつ、読書では今年に入って数冊読みました。
こちらは去年読んだ守り人シリーズの外伝を再読。
この本を見つけたとき、まさかまた守り人の世界を楽しめるとは思ってなかったので、
小躍りして即ポチッとしてしまいました。
あの戦いの後、ようやく穏やかに暮らしているのであろうタンダとバルサを
垣間見ることができて、もうそれだけで胸が熱くなりました。
物語はバルサが若いころジグロと共に護衛したサダン・タラム〈風の楽人〉と再会し
彼らを助けたことで、再び旅の護衛を頼まれるところから始まります。
サダン・タラムとは、旅をしながら鎮魂の歌や舞を舞う楽隊のことです。
そしてその頭〈かしら〉とはシャタ〈流水琴〉を奏で、異界への道を開くことが
できる存在。
命を狙われている、ジグロの娘かもしれない(!?)サダン・タラムの若い頭を
守ってロタへ旅立つことになったバルサ。
その折々でジグロと共に旅をした過去や、当時サダン・タラムを護衛したときのことを思い出します。
ジグロが守った当時のサダン・タラムの美しい頭と、その娘である若い頭。
その二人の命が狙われたのは、ロタ北部の歴史に隠された秘密があったからなのですが、
それをめぐる二つの氏族に関わって話は展開していきます。
そして過去と現在が交叉する中で、まだ若くて痛々しいほどのバルサと、いろんなことを経験した
現在のバルサがうまく描き出されているなと思いました。
この守り人シリーズが始まったとき、バルサはかっこよかったけど、どこか手負いの獣のような
荒々しさを感じたものです。
でも、チャグムと出会い、アスラを救い、タルシュ帝国との戦いを経て、バルサ自身も
ようやく自分の過去と折り合いをつけ受け入れられるようになったのかもしれない。
だからこそ、悩む若い頭にこう伝えることができたのでしょう。
人はみんな、中途半端なまま死ぬもので、大切なことを伝えそこなったな、と思っても、
もう伝えられないってことがたくさんあるんでしょうが、自分では気づかぬうちに
伝えられていることも、あるのかもしれない。
・・・略・・・
思いは血に流れてるわけじゃなくて、生きてきた日々のあれこれに宿っているものなんでしょう。
・・・略・・・
先のことは、そのとき生きている者に任せるしかないんです。
ジグロの娘として育てられたバルサが、ジグロの娘かもしれない若い頭に
自分の思いを伝えるのですよ。
血はつながっていなくても、バルサには妹のような存在になるわけで・・・
そこまで考えるとちょっとうるうるしますね。
そして今回何より驚いたのは、幼いバルサを連れて故国から逃げ出し、以来ずっと
仲間から命を追われることになったジグロが、ほんの一瞬でも心許す女性に出会えてたということ。
おまけに娘がいたかもしれない、なんてね、本当に嬉しいサプライズ。
できればいつか外伝で、タンダとバルサの子どもの物語も読めるといいなあ・・・
さてこちらは久しぶりに図書館へ行ったときに見つけたもの。
昨年亡くなられたアーシュラ・ル=グウィンの作品です。
これは、古代ローマの詩人ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』を題材に、その中の登場人物
ラウィーニアを主人公に描いた作品です。
『アエネーイス』というのは、トロイア滅亡後の英雄アエネーアスの遍歴を描いたもので
ラテン文学の最高傑作とされるそうです。
・・・・・
なんか難しそう・・・
おまけにややこしいのは、その主人公ラウィーニアが若き日、森の中で作者ウェルギリウスの
生霊に出会い、将来トロイア戦争の英雄アエネーアスの妻となる運命を告げられるのです・・・
???
つまり、将来この叙事詩を書く作者が、過去に戻って自分の作品の登場人物に運命を告げる
ってこと?
でも、設定が難しいと感じたのはここまでで、物語が進んでいくと困難に精一杯立ち向かう
ラウィーニアという女性にとても好感を持ちます。
なぜならラウィーニアは、ル=グゥインが描くだけあって私たちとかわらない自分の意思を
持った、ある意味現代的でとても賢く魅力的な女性だからです。
さすがに現代では、自分の結婚相手を選ぶために国をあげて戦いが起こることはないでしょうけれど
この作品はもちろん日本訳で読みましたが、とても格調高い美しい文章で、おそらく原文も
美しい英語で書かれているのだろうなあと思いました。
ル=グゥインの最高傑作とも言われているようです。
図書館の返却日が迫って最後慌てて読んでしまったけれど、もったいないことをしたと反省。
もう一度じっくり読みなおしたいと思える作品でした。