小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

秋日和の初入院

2022年10月31日 | 日記
少し肌寒いが、快晴の秋日和。 予定の時刻に着くが、入院の事務手続きまでに、約1時間ほど待たされた。 看護士さん初め、様々な担当者に会う。その間入れ替わり立ち替わり、三人の医師と面会し、それぞれの説明を受ける。言わば、大中小の先生で大きくなるほど、説明は短く端的である。 スマホで書いているので、要領を得ない。この辺にしておく。   昨日、妻と共通の友人が九州から訪ねてくれ、大好物 . . . 本文を読む

新たな階梯を生きる、ことにする

2022年10月27日 | 日記
昨日、最初の総合的な診断を聞いた。肺がんの種類にはいろいろあるが、小生のそれは腺がん、小細胞がん、大細胞がんではなく、「扁平上皮がん」という診察結果であった。いろいろ受けた検査の中で、もっともしんどかった気管支内視鏡の検査によって、小生のがんは特定された。 それゆえに、手術や放射線治療はリスク大であり、抗がん剤投与の治療に決定したのである。肺という臓器の性質を考慮すれば、もっとも最適な治療である . . . 本文を読む

余は如何にして癌患者となりし乎

2022年10月17日 | 日記
新緑の頃だったか、嫌な咳がでるようになった。痰がからむような異和感、それを出そうと身体が反応して、コホンコホンと咳がでる。ただし、喉の奥を強く絞りあげるようにしても、痰は出てくれない。しばらくすると、なんとか小康をえる。 そんな状態が2か月ほど続き、暑熱が体に堪えるようになって、咳はやや耐え難くなった。かかりつけのクリニックで咳・痰を緩和する薬を処方してもらう。咳は相変わらずだが、頻度が少なくな . . . 本文を読む

何を整え,どう調えるか

2022年10月14日 | 日記
「ととのえる」という言葉は、辞書的には「めざすべき状態に全体をまとめる」というのが一義とされる。 「ととのえる」という言葉には、「乱れがないように整理する、全体の調和をはかるようにする」、そんな二つの意味が含まれている。もちろん自分流の解釈だが・・。「ととのえる」という意味はたしかに曖昧で、ととのえるべきことの事情、理由は、いまの私にとっては「死」しかない。 「死」の付属としての「生」をととの . . . 本文を読む

レンズを欺く花・クワンソウ

2022年09月28日 | 日記
リハビリの行き帰りは散歩がてら、通りすがりのお寺さんを覗き歩く。まず、掲示板の標語、聖語はどんなものか。最近は、仏典・お経の類いは少ない。名言集とか標語集を参考にした自前が多くなったかも知らん。2,3か月まえには、ボブ・マーレイの言葉をみつけ、粋な坊さんがいるなと感心した。 興味のメインは、まず境内にはどんな花が咲いているかが気になるところだ。江戸時代当初からの寺が多く、そこにある名木やら著名な . . . 本文を読む

ユーチューバーから写真集をいただく

2022年09月24日 | 日記
7,8年前だったか、キングプロテアという大輪の花に魅せられて、原産地南アフリカの植物にすこぶる興味をもつようになった。世界6大植物地区のひとつであるFynbos(フィンボス)は、ほぼ南アフリカに集中している。ごく限られた狭いエリアであり、その植生は世界的にも珍しい地域だ。国花であるキングプロテアは、近頃日本でも栽培されるようになった。 極めて美しく、特異な花を咲かせる南ア植物の人気は、いつの間に . . . 本文を読む

植物学の泰斗、牧野富太郎の記念庭園に行く

2022年09月07日 | 日記
練馬区大泉学園にある牧野記念庭園に行ってきた。植物学者の牧野富太郎については何度か書いてきたが、彼がなした研究成果には今も新たな発見があるという。今年は生誕160年ということもあるが、来年にはNHKの連続朝ドラの主人公になるらしく、牧野富太郎が話題になることが多い。そんなことで大泉学園の記念庭園の存在を知ったのだが、我が不徳、怠惰を諫めたところで時遅し。 ともあれ、9月までは「万葉集の植物」をテ . . . 本文を読む

人それぞれの15歳を生きる

2022年08月25日 | 日記
自閉症の10代兄妹が描く絵が、とてもユニークなので興味をもった。いわゆるアール・ブリュットほど偏執的ではなく、「世界中のみんなが幸せに」という願いを込めて描いたもので、こちらが元気をいただくような画風である。兄妹の共同制作というのも微笑ましい。作品展は、内幸町の東京新聞本社なので、ついでに日比谷公園や銀ブラへ行く理由もできた。 兄妹は金沢県に住む輪島貫太くん(15)と妹の楓かえでさん(13)。人 . . . 本文を読む

雪嶺と雲海、立山へ 

2022年06月19日 | 日記
上高地の旅の記録は、副題に「北陸・長野の旅①」としていたが、あまりに大袈裟であり、気恥ずかしくなった。ほぼピンポイントの旅であるし、高齢者むけのパックツアーに便乗したものだ。今回からは、この副題を撤回する。まずは、久々の遠出は嬉しかったし、奥深い自然にふれることができて良かった。 今回は立山周辺のみを記録としてのこす。ここには以前、亡母と3人で来たが、そのときは20mほどもある「雪の大谷」はなか . . . 本文を読む

花だけを見る日

2022年06月09日 | 日記
言葉は、私にとっては感情や思惑で結びつける道具ではない心の深奥にたゆたう不思議で想像する何かだそのざわめきのような、時に混沌としている何かを見つめそこからしっかりと浮かび上がってくるものを言葉にするもう若さはとり戻せないのだから、それなりの終着点を見渡せるのだから焦らずに確かなものだけに執着していようなにもすることのない日、なにもできない日があっていい確実でなくとも、ひらめきとか予感とか目に見えな . . . 本文を読む

ウクライナ戦以降、書く意欲が乏しくなる

2022年04月21日 | 日記
前記事を書いたのが先月の末ごろだった。約1か月近く、ブログを離れていた。書くことのモチベーションというかパッションを失ってしまった。ウクライナ戦争の情況が気になってしょうがないことも一つある。それに関連して、木村汎の著作を読むことを優先していることも大きい。齢をとるほどに、選択と集中のバランスが崩れる、と改めて思う。 他にもいろいろな理由があるが、いちばんの原因は、日本の多くの人が世界認識があま . . . 本文を読む

3.11追悼およびキエフ陥落前夜

2022年03月11日 | 日記
大津波が東北を襲った時、「千年に一度」「想定外」と盛んに報道されていたが、その都度私は違和感を覚えていた。 吉村司氏が、父吉村昭の記念文学館企画展のパンフレットに寄せた「『三陸海岸大津波』は警告する」の冒頭にあった文章である。 父の晩酌に度々付合わされていた氏は、東北の話をよく聞かされたそうだ。太宰治賞を受けた『星への旅』の舞台でもある岩手県田野畑村をふくめ、夏休みの東北旅行は吉村家の行事のひ . . . 本文を読む

ロシアがウクライナに侵攻<侵略した

2022年02月25日 | 日記
遂にロシアがウクライナに侵攻(侵略)した。最悪のシナリオが現実のものとなったという思いだ。いや、少なくともアメリカの要人たちは、起こるべくして起こったと苦い思いを共有したであろう。 ロシアの侵攻は、侵略の実戦プロトコルを確実に現実化したものであり、ウクライナの主要軍事基地を次々と攻撃した。首都キエフ、南のオデッサ、そして東部のルガンスク、ドネツクの両共和国(?)、さらにウクライナの主要軍事基地を . . . 本文を読む

モデルナ打って進む、老人性優越感症候群

2022年02月19日 | 日記
このほど厚労省のワクチン副反応検討部会より「3回目交互接種した人の、1か月後の副反応結果」が報告された、と朝刊の一面にあった。 記事のタイトルは「モデルナで高い抗体価」とあり、主に医療従事者のそれを調べたものであろう。要するに、ファイザー製ワクチンを2回打って、3回目にモデルナ製を交互接種した人の方が、3回ともファイザー製を接種した人より、抗体価の上昇率が顕著であったということ。ただし、副反応に . . . 本文を読む