小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

芳しき肉焼く煙り聖夜かな

2019年12月26日 | 日記
今年もまた11時ころから並んだ。近所の商店街にある鶏肉専門店「こばやし」のローストチキンを買うために・・。炭火で焼くこの店の「焼き鳥」が美味く、昔から評判も高かった。鶏肉の質は上等で、たれの甘さも控え目、絶妙な味わいがある。 「こばやし」さんは何時のころからか、クリスマス・イブから26日までローストチキンだけを売るようになった。テレビか何かで評判になったのだろうか、この期間は行列ができるほど賑わ . . . 本文を読む

2019・報道写真展を観る

2019年12月24日 | 日記
例年の通り、年末に開催される報道写真展に行く。この一年の出来事(災害、事件、惨事、ハイライト等)の総覧だ。プロの写真家が最前線の現場で切り撮った、鮮やかでリアルな画像たち。ニュース報道が主眼だから、美意識を掻き立て、アートの域にまで踏み込むような作品は少ない。だが、偶然の迫力というか、背筋がピーンと凍るような一枚を見出すことがある。不思議なことに、それを誰もが感じるわけではない。個人的な感受性みた . . . 本文を読む

誰が、谷中の街並みを毀すのか(4)

2019年12月22日 | まち歩き
昨日、12月21日「谷中の地区計画(原案)の説明会」に行ってきた。{誰が、谷中の街並みを毀すのか}の記事もこれで4回目になる。行政側の狙いも分かってきたし、遠い将来のことを嘆いても仕方ない。物事は、成るようにしか成らないのだ。投げやり、無責任などではなく、個人で関われる限度を超えた問題だし、善悪を問うものでもない。 今回の説明会は、10月に行われた「原案」の説明会、その修正報告である。その時に参 . . . 本文を読む

意地悪と知性は仲がいい

2019年12月20日 | エッセイ・コラム
「難しい(ムズカシイ)」を簡素化する若者ことば、「ムズイ」について触れたことがある。その用法ではさらに、その上の「ムズ」がある(これらの語感は嫌いだと書いたが、今回の言いたいことは別のこと)。 若い人は、難問や難局に直面すると、開口いちばん「ムズ!」と、のたまう。口にしない場合でも、たぶん頭のなかでは、「ムズっ!」と言っているのではないか。ことばの使い方を嘆くよりも、その凝縮度つまり情報密度化に . . . 本文を読む

芝公園へ、ふたたび吟行に

2019年12月17日 | 日記
  先月は国立博物館にある公園での吟行に、人生初めて参加した。凝りもせず今月の句会にも出席させていただく。今回は、増上寺の脇の芝公園。日曜日の昼にもかかわらず、園内は静かで、周囲に立ち並ぶ高層ビルの気配が消えるほど樹木が多い さいしょ東京タワーのふもとの、蛇塚のある公園が芝公園であると思い込んでいた。もちろんそこも芝公園で、実際には増上寺と東京プリンスホテル(タワー)に隣接し、日 . . . 本文を読む

薄田泣菫を読む、愉悦の一服

2019年12月12日 | エッセイ・コラム
しばらくぶりに薄田泣菫を読んだ。齢五十の頃には枕頭に置いていたが、いつのまにか俳句関係の本に押しやられていた。それはそれで良いが、やはり泣菫は手放せない。 泣菫といえば、蒲原有明と並び明治から大正にかけて象徴派詩人として詩壇を率いた。文語体で綴られる七五調の流麗な詩文は、いまとなれば古めかしいのか。いや、その日本語としての格調高さ、リズミカルな言葉の調子は、時代をこえても永遠の何かがある。これを . . . 本文を読む

中村哲を死に至らしめたもの

2019年12月07日 | 国際・政治
12月4日、ペシャワール会の中村哲さんがアフガニスタンのジャララバードでテロの凶弾に斃れた。遅ればせながら、ここに彼のご冥福を祈るため、八木重吉の二つの詩と拙文を記した。 かなしみ このかなしみをひとつに 統(す)ぶる 力はないか  (八木重吉) 近代以降、この世界には厳然として軍需産業があり 邪悪で強い欲望をもつ、怜悧な人達が集まっている 彼らは、地球上のどこかで戦 . . . 本文を読む

ことばの情報密度を考える

2019年12月04日 | エッセイ・コラム
1,2週間ほど前だったか、新聞に「ことばの情報密度、その世界比較」という記事があった。びっくりしたのは、日本語がダントツで情報密度が低く、余分なことばや文脈に関係のないあいづちが多いということだった。 その記事によると、世界でいちばん情報密度の濃い言語はベトナム語だそうな。これを100とすれば、2位が中国語で94、3位が英語で91という結果。次に、ドイツ語79、フランス語74、イタリヤ72、スペ . . . 本文を読む