小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

アカデミー賞・監督賞のクロエ・ジャオについて

2021年04月30日 | 芸術(映画・写真等含)
このブログにも書いた映画『ノマドランド』がアカデミー賞の3冠を受賞した。作品賞、監督賞、主演女優賞である。作品の評価、前評判が素晴らしく、結果は順当だったという。ただ、主演女優賞のF.マクドーマンドは3年前の『スリー・ビルボード』でも獲得しており、今回とれば3つ目になるので敬遠されるかと思っていた。それが見事に受賞し、いい意味で予想をはずした。 授賞式の席で、マクドーマンドは最後に狼の遠吠えを真 . . . 本文を読む

共同幻想の彼方、そして貴方

2021年04月29日 | 日記
国家は、共同幻想である。おなじく宗教も、すこし性質のちがう共同幻想である。そのちょっとの違いは、前者は「死」を肯定し、後者は「生」を肯定する。どちらもポジティブであるが、向かうところが違う。 国家という共同幻想は、祖国と家族を想いおこさせ、魂を奮い立たせる。そのために「死」を厭わない黄泉の力をあたえる。それこそが共同幻想の大元だ。 宗教という共同幻想は、自分の存立と家族・祖先の強さを問いかける . . . 本文を読む

世代間における価値観、マインド、生活スタイル・・

2021年04月23日 | エッセイ・コラム
今回の記事は、備忘録的に書いたもので、関心の向きのない方はスルーされたし。 前回の記事で世代間の価値観について、簡単に分類した。といっても自分流の大雑把なものだ。マーケティングリサーチなど消費行動を分析するもの、あるいは生保会社や公共機関とかが、社会調査手法のモニタリング、データに基づく分析・分類とはまったく違う。公式の世代間の分類、その定義づけは実にさまざなであり、また調査の目的あるいはリサー . . . 本文を読む

死刑囚・植松聖が為したこと

2021年04月16日 | エッセイ・コラム
先週の土曜日、Zoomを通してのリモート会議「次世代にどのような社会を贈るのか?」という公開シンポジウムを視聴した。以前、ブログを通じて知己を得ることができた森中定治氏が会長をつとめる日本生物地理学会の主催である。 テーマは一般的な主題を掲げているが、実際の内容は「津久井やまゆり園殺傷事件」の犯人植松聖(さとし)が何故あのような犯行に及んだかを考えるというもの。彼は現在に至っても贖罪もなく、反省 . . . 本文を読む

根津神社のつつじ祭りへ行く

2021年04月09日 | 日記
たまたま近くを通りがかったので、根津神社を覗いてみた。まだかと思ったが、さにあらず。遠目にも色彩鮮やかなつつじが燃えるように咲いていた。4月上旬ではあるが、1,2週間早く開花が早い感じだ。今年は桜のソメイヨシノも早かったが、見ごろは短く1週間ほどで散りはじめた。 根津神社は歩いて10分ほどの距離であるが、氏子ではないし、そう頻繁には訪れない。普段は諏方神社の方に足が向く。でも、「つつじ祭り」は別 . . . 本文を読む

映画『ノマドランド』に打ちのめされた

2021年04月01日 | 芸術(映画・写真等含)
前記事ですこしふれた映画『ノマドランド』を観にTOHOシネマズ上野に行った。先週の金曜日に公開され、アカデミー賞の各部門にノミネートされているという触れ込みにも関わらず客席は2割程度の入りだった(ちなみに、本作は2021ゴールデングローブ賞の作品賞と監督賞を獲得)。 監督は中国生まれのクロエ・ジャオという女性で、大学を出てから5年間ほどノマド的生活をした経験をもつ。前作「ザ・ライダー」は、中 . . . 本文を読む