小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

ロシアがウクライナに侵攻<侵略した

2022年02月25日 | 日記

遂にロシアがウクライナに侵攻(侵略)した。最悪のシナリオが現実のものとなったという思いだ。いや、少なくともアメリカの要人たちは、起こるべくして起こったと苦い思いを共有したであろう。

ロシアの侵攻は、侵略の実戦プロトコルを確実に現実化したものであり、ウクライナの主要軍事基地を次々と攻撃した。首都キエフ、南のオデッサ、そして東部のルガンスク、ドネツクの両共和国(?)、さらにウクライナの主要軍事基地をピンポイントで爆撃したらしい。よく見ると、ウクライナ全土の東側、北のキエフから南のオデッサまでドニエプル川が流れていて、その川の東側すべての制空権を掌握したように思える。

ロシアの狙いは、ロシア系の住む東部地区を盤石のものとし、ウクライナの東半分を実効支配することであろう。

そして、首都キエフに傀儡政権を樹立して、ウクライナが半永久的にNATO、EUに吸収されない措置を講ずる。ゼレンスキーの前の大統領がロシアに亡命している。その彼を暫定的にウクライナの新首長にすえる・・。ここまでのシナリオは、素人老人でも書ける。

しかし、ウクライナが内乱状態になったり、その裏でアメリカやNATO軍が軍事介入したならば、限定的な戦術核を両者で使用することになるかもしない。最悪のシナリオは次なるフェーズに進む。そこから先は闇だ。

アメリカは、こうした事態になる前から、バイデン大統領はじめブリンケン国務長官や報道官らが、ロシアの軍事行動を世界に向けて逐次明らかにしてきた。あたかも、敵の行動を実況中継するかのように、ロシアの侵略のプロトコルいや手口を詳細に明かしてきた。

それはつまり、悪と正義の構図をはっきりと明示し、国際世論を欧米側にしっかりと引きつけたい。そんな後ろ向きというか他力本願の戦略だったのかもしれない。フランスのマクロンは少なくともロシアに行き、米ロ首脳会談実現のために行動力を示した。なぜ、バイデンは静観を決め込んだのか・・。

昨日、竹下節子さんからコメントをいただき、物理学者の藤永茂先生の記事を示唆された。アメリカの或るシンクタンクの記事紹介がメインであったのだが、アメリカではもはやロシアに対する厳しい「制裁戦略」がたてられ、それに応じたアメリカの国益を確保する対ロ政策のシナリオも確立している。その既定路線をしっかり歩めばこと足りると・・(その制裁のプロセスは、金融封鎖から戦略核の使用まで含まれる、念のため)。

しかし、今回のバイデン大統領はただただ、ロシアの謀略を見過ごすように見えただけだ。アメリカは、世界の警官になることは止めたという意思表示なのか・・。それとも弱腰と罵られても、戦争に入り込む愚行は決してしまい。そんな賢者の知恵をはたらかせたのか・・。

先ほど、BSニュースで、トランプ前大統領が「プーチンはジーニアスだ、マーベラスベリースマートだ」と称賛するツイートを出したらしい。ツイートではない、自身の関連会社が起ち上げた新たなSNSであろう。それにしても、トランプの発言にアメリカ国民の30%以上が「いいね」を押したとのこと。アメリカの分断もほんとに深刻だ。

今後のウクライナは、予断を許さない状況が続く。市井に暮らす老人としては、ひたすら平和になることを祈り、ウクライナの皆さんの安全を願うのみである。

 

神が誉め給うであろうことのみおこない、神の与えた給うものをことごとく受け入れる・・・なんという素晴らしい能力を人間は持っていることであろう。(マルクス・アウレリウス 12-12)

 

追記:当初、ロシアのウクライナへの侵略を「侵攻」と表記していた。当初、政府広報はじめマスコミ報道もそのように表現していた。「侵略」とは、対象国の主権を無視した軍事的攻撃による領土侵犯であり、「侵攻」よりも重い意味だという。日本人の多くが勉強したわけだが、過去の歴史を忘れてしまったという反省を促すものだ。(2022.3.1記)

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。