小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

妻が書いた文章をここに

2020年10月30日 | 日記

「妻が書いた文章をここに」とのタイトルをつけた。その理由と事情を書く。

現在、妻とは別居生活をしている。といっても、一つ屋根の下にいて、やや変則的か・・。しかし、ほぼ世帯分離が完全の住居だから、お互いに顔を合わさない生活が可能である。詳しいことは書かないが、離婚さえも考えた身なれど意気地なしの性分ゆえに、家を処分し東京を離れ、自然あふれる田舎で暮らす夢は潰えた。しかし、小生はいちおう自立する体裁をととのえ、家事一切を独りできりもりしている。現在もつつがなくそれは継続し、コロナ禍においても独身生活を謳歌している。

さて、昨日、妻から突然の申し出をうけた。旅行先でたいへん貴重な経験をしたらしく、そのことを文章にしたので、世間の皆様にお知らせしたい旨の要望である。なんとなれば小生のブログ読者には、妻にとっても共通の知人がいるからだという。

丁重に断ったのだが、なんとしても我がブログにて公表したいとのこと。写真等も掲載したいという。「いい加減自立して、自分でなんとかすれば」と願ったが、今回だけの特別なことだから、是非にもという懇願に、小生は負けた。妻には逆らはず、言う事を静かにきく。これも別居で学んだことの一つ。

というわけで、誠に恥ずかしき顛末であり、妻の拙文をここに掲載する。忸怩たる思いはあるが、まあしかし、こんな奇特な夫婦が世の中にいて、ひと様に笑われたり呆れられることも、日光、結構であろう。どうかご笑覧いただき、話のタネにして頂ければ幸いである。

 

初めてのスマホ紛失

友人と千葉の館山に行き、スマホを紛失した。

出かけると必ず重たい荷物を持つ羽目となり、夫に迎えを頼む。だが、今回は連絡せずに15時頃に帰宅。夫から「電話してくると思っていた」と言われ、スマホが無いことを話す。それは…

朝方ホテルのロビーで沖ノ島への行きかたを検討していると、近くに座っていた女性Fさんが「そこに行くには大変なので車で送って差し上げましょうか」と申し出てくれた。突然の言葉に戸惑っていると、「今日はこれから何も予定がないから他にも行きたい所があったらお送りしますよ」とも。

沖ノ島は周囲約1キロの小さい島、陸続きで歩いて渡り、植物の宝庫と言えるほどの植生と周りは浅い岩礁帯でビーチコーミング(貝や石などの漂流物を収集すること)が盛ん。Fさんは貝を細工する仕事をしていて、ここには貝を拾いによく来るという。最初は何か裏があるのでは、との疑心暗鬼も少なからずあったが、話をしているうちに信頼できる人と認識し、甘えさせてもらうこととなった。沖ノ島では貝殻拾いはもちろん、青空と波の音を満喫。それから館山の駅まで送ってもらい、別れた後でスマホが無いことに気付いた。

それからが悪夢。久留里線に乗る予定もすっ飛ばし急いで家に帰り、ハンドルネームを聞いていた為Fさんのフェースブックにアクセス、メッセンジャーにて連絡。すぐに返信があり、「館山警察に届けてある」由の内容。

固定電話から館山警察にTEL、事情聴取があり、身分証明として免許証のコピーをFAXにて送付。着払いで送ってくれることになり一件落着。

一緒に行った友人のバスの時間が迫っていて、シートベルトをする時に慌てて持っていたスマホをシートに置き、そのままになってしまったのだ。

Fさんは別れた後、しばらくしてから気付き、駅に戻り私たちを探してくれたりホテルに連絡して相談してくれたり、でも一番は警察に届けることだと判断したとの事。

そして、翌日11時前には宅急便でスマホは到着。Fさんと館山警察の迅速な対応で紛失してから約24時間でスマホが私のもとに戻ってきた。

Fさんにお礼をしたく住所を聞いても教えてくれず、むしろそう考えたことがFさんに失礼だったのかと反省。今回のことは自戒しなければならない、しかし、怪しい事件の多い昨今、とっても良い経験ができた事を不特定多数の方に知ってほしくて夫のブログに載せてもらう事にした次第です。

 天候に恵まれ素敵な夕焼けを拝めました

沖ノ島で拾った貝、種類も豊富

館山警察からの送付物、手書きが気に入りました

 


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (jeanlouise)
2024-05-08 03:10:15
koyorin55様

ランダムにブログを閲覧している途中で発見。
イントロの小寄道さんらしい説明にクスっとなりました。

そして逆バージョンになるかもしれませんが、義母のハナシを思い出しました。
相方の両親は、南仏マルセイユ近郊に住んでいるのですが、ある日義母から相方に電話があり、
私たちがプレゼントした財布をなくしたと申し訳なさそうに嘆いていたそうです。その日、運転中にヒッチハイク女子3人を乗せ、途中である彼女らの目的地で下ろしたのはいいものの、家に帰って財布の入ったポシェットを盗まれていたことに気づいたとか。身分証明、運転免許、健康保険カード、銀行カード一式が入っていたとか。すべて再発行手続きとなったわけで厄介ではありますが、私としては怪我もなく命も持っていかれなくてよかったと安堵した次第。相方曰く、「懲りずに結構同じようなことをやっている」そうです。困っていそうな人と判断して自分が取った行為の顛末だからと仕方ない、とぼやきはするものの常習犯的な人。もちろん逆の場合で大いに助けられたという経験もあるからだと思いますが。
ホテルで出会ったFさんといい警察、そのエピソードを大事に思っていらっしゃる奥様、あたたかい気持ちになりました。
『妻が書いた文章をここに』というタイトル、「小生は負けた」という呟きにお二人の関係のあたたかみが感じられます。返信用封筒の「切手を貼ってください」の手書きにもキュンとなりました。
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Unknown (koyorin55)
2024-05-08 22:04:31
jeanlouise様

端的に伺います。この話は是非ブログのひとつとしてアップしたいと思ったのですが、可能でしょうか。
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Unknown (jeanlouise)
2024-05-08 22:36:56
koyorin55様

koyorin55様ご自身のブログにjeanlouiseからのコメントということででしょうか?
小寄道様がなんというか・・・
OKでありますように 笑
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Unknown (koyorin55)
2024-05-09 22:31:39
jeanloise様

ありがとうございます。
小寄道のブログを使い、勝手に記事を作りアップする事に躊躇いはあります。
でも今回のように、過去のブログに寄せて下さったコメントに、他の皆さんにも読んで頂きたいものがあったら、新しい物として公開するのは小寄道も喜ぶと思います。
少し時間が必要ですが、悪いようには致しません(笑)
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Unknown (jeanlouise)
2024-05-10 03:03:53
koyorin55様

「悪いようには致しません(笑)」
笑、笑、笑!!!
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