小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

死刑制度について

2016年10月31日 | エッセイ・コラム
  馬齢を重ねてきて、ことの善悪、ものの判断はそれなりに出来ると認じている。にも拘らず、この齢にして確たる判断が出来かねるものが二、三ある。いや、もっと検討すれば次々と現れるだろう。 それはともかくとして「死刑制度」について、私は未だに判断を保留し、定見や合理的な見解を持ち合わせていない。 表向きとしては、人権擁護の観点から、冤罪が起こる素地が日本の警察・法制度にあることで、死刑反 . . . 本文を読む

ゴッホとゴーギャン

2016年10月27日 | 芸術(映画・写真等含)
  昨日、東京都美術館で開催されている「ゴッホとゴーギャン展」に行った。 ゴッホが画家としてパリに出てきたのは32歳のとき。ゴーギャンが高収入の株仲買人を辞め、妻と5人の子供を棄てて画家として生きていこうと決意したのは35歳。ゴーギャンはゴッホより5歳年上であるが、知識階級の恵まれた生い立ち、船乗りだった青年期、作家ユイスマンに注目されるほどの素人画家時代など、画家になるまでの途は波 . . . 本文を読む

N氏の一周忌

2016年10月24日 | 日記
   昨日は故西野洋の一周忌であった。夫婦で彼を偲び、語り合った。在りし日の彼を思い出し、深く静かに話した。ご冥福を祈りたい。   ▲西野さんを偲ぶ会にお邪魔したときに、彼の仕事ぶりがわかる資料をいただいた。彼が書き残した字は綺麗で、人柄が偲ばれる。考え方のプロセスなども、極めて端正で合理性があることが如実である。 ▲10月23日不忍池にて . . . 本文を読む

誕生の日に

2016年10月21日 | 日記
  66歳になって(10月19日) いっさいの予断を持つな。未来のこと、過去のことに心を悩ますな。今現在のことに使っている理性を最大に活かせ。ものごとの結果や原因の中へ心を振り向けよ。人の話をよく聞くために渾身の注意を払え。人の助けを乞うことを恥じるな。感謝する心をつねに携えて行動せよ。たとえ非難や憎悪の声をきいても、甘んじて受け入れよう。彼らの魂にふれ、彼らの振舞いを判断せよ。 . . . 本文を読む

Dylan Forever 2

2016年10月13日 | 音楽
  How does it feel?How does it feelTo be on your ownWith no direction homeA complete unknownLike a rolling stone ?   どんな気持ちかな どう感じるのだろう 君自身のやりかた 帰るべき途もなく 誰にも知られずに 転がる石の気持ちかい   (拙訳) おめでとうディ . . . 本文を読む

悪を語れ

2016年10月08日 | エッセイ・コラム
  あの相模原の事件からだいぶ経っているが、いまだに収まりのつかない思いが残っている。植松聖という固有の人格について色々考えているなか、偶然に姜尚中と若松英輔の二年前のユーチューブ対談に行きついた。 で、二人は、近頃の若い人が現実世界のなかで何にリアリティを感じているかという話をされていた。 両者ともに講演会などを独自に行なっていて、聴衆の若い人の特長の一つとして、良いこと・徳・善行 . . . 本文を読む

「食」と「企て」

2016年10月01日 | エッセイ・コラム
   豊洲の移転に反対している築地仲卸の親方がこんな洒落た言い方で批判したらしい。筆者が勝手に想像して書いてみるとこうなる。 食べるもんはね、人を良くするって書くだろ。食べるから生きていける。築地はその「食」を担うんだ。その築地から毒があるような得体のしれない場所に移転させるんだよ。そんな「企て」なんざ断固反対だね。「企て」はね、人を止めるって書くだろう。「企て」はね、何か魂胆があるんだ。乗っ . . . 本文を読む