小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

改名の幻想

2016年03月29日 | 国際・政治
  民主党が民進党に改名した。私にとってどうでもいいことだ。多分わたし以外の多くの方も,同様の感想を持っているのではないか。 彼らは、「命名」というものに意味を見出している。殆ど、幻想である。替えることの対費用効果、イメージ戦略、選挙対策などのメリットを想定しても、これだと思い当たる理由が見つからない。岡田代表はじめ誰もが、万人を納得させられるような弁を語ることができない。 根拠の . . . 本文を読む

店先のアイコン

2016年03月27日 | まち歩き
  吾が棲む町は、通称「谷根千」といって今や都内でも有数の、街歩きの人気スポットになった。作家森まゆみさんが主宰した、コミュニティ誌のタイトルが由来。谷中と、根津、千駄木を包括した名称で、食べ歩きの楽しさや見どころがより広く、深くなった感じだ。 (湯島、日暮里にも客足は伸びている) コミュニティ誌は残念ながら廃刊になったが、名前は独り立ちして、今やこの「YANESEN」は外国にも知ら . . . 本文を読む

色と空

2016年03月23日 | エッセイ・コラム
  岩手の大槌に 風の電話があること 知っていますか 父を亡くした三人の子どもと母親が 風の電話で話していた 代わるがわる泣きながら 津波にさらわれた父に話しかけていた 話したから悔しさや虚しさが晴れて 四人のいのちが輝いて見えた   色は世界である 色は価値である 色は物質である 空は虚無である 空は真理である  空は蒼穹である ところがある刹那 色と空の転換 . . . 本文を読む

科学者と、国家機密

2016年03月19日 | エッセイ・コラム
  ノーベル物理学賞を受賞した益川敏英氏が連載している記事(東京新聞夕刊3月17日付)に瞠目した。テレビ出演したとき、一昨年施行された「特定秘密保護法」について、「何を秘密とするかさえ分からないなんて凄く危険だ」という主旨の発言をされたそうである。    数日してから「外務省関係だったかの人たち」が益川氏を訪ねてきた。彼らは「先生の心配されるようなことはございま . . . 本文を読む

toeと結婚記念日

2016年03月14日 | 日記
    私たちの結婚記念日は3月12日。東日本大震災が起きた日の翌日である。そう5年前から、素直に記念日を喜ぶ雰囲気は失せてしまった。正直のところ、気分晴れやかにとはいかない。このブログにも、3月11日の追悼文を書いた。不謹慎とは思わないが、手放しで悦ぶムードにはなれない。 しかし今年の12日は、私の好きなバンドtoe(トー)のライブがあり、去年の時点で予約は済ませていた。この日のライブ日程 . . . 本文を読む

五年目の春

2016年03月11日 | 日記
  あの日から五年の歳月が経った。今日は曇天だったが、そのぶんひっそりと静かな感じがした。 去年はすっきりと晴れわたり、穏やかな春を感じた。あの時間には往来にいて青空を見、思わず東北に流れゆく雲に祈った。 今年は自宅にいて、北に向かって黙祷。天皇の御慰霊の言葉には深く感じ入った。私が生き続けるかぎり、今日という日には同じことをするだろう。   大飢饉、大地震を続けて経 . . . 本文を読む

六本木で、水墨画

2016年03月09日 | 芸術(映画・写真等含)
  むかしお世話になった広告デザイン会社の社長から葉書をいただいた。描いた水墨画が六本木の美術館に陳列されているので、ご覧されたしとのお知らせ。作品が総務大臣賞を授賞したと小さく記載されていた。年賀状をやりとりするだけのおつきあいになったが、妙に懐かしくなって、もしかしたら再会できるかと思い、夫婦で久しぶりに六本木へ行った。 トルコ料理を食べたり、芋洗い坂を歩いたり、富士フイルムの博 . . . 本文を読む

トランプに任せたい人々

2016年03月07日 | 国際・政治
   トランプ氏は「憎悪や恨みなど心の闇を引きだす。対立を煽って、自らの支持を引きだす。心の闇を引きだされた人はそうそう後には引けない」と、宮子あずさは書く(東京新聞3月7日朝刊)。 「こう思うのは、私が看護師として、患者の暴力や暴言に直面してきたからだろう。弱者とみなされる人が牙をむくと、こちらの反論はすべて権威的とみなされる。そこだけみれば、どちらが強者かわからない。」 . . . 本文を読む

近場の隈研吾

2016年03月02日 | エッセイ・コラム
  今日3月2日付東京新聞、「中国、丸太も爆買」という記事。日本の木材が爆買されるほど余っている? 先細りの日本林業、その足元を見くびられ買い叩かれているのか、などと余計な心配をしたのだが・・。建築用の型枠材に使われる低品質の木材が中心らしい。いまや、中国は不動産バブルがはじけ、ビル建設も頭打ちと伝え聞く。「丸太も爆買」を示すようなデータも、来年からは下方に向かうのではないだろうか。 . . . 本文を読む