小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

買い物の行き帰りで

2016年05月30日 | 日記
    米がなくなりそうだという妻からの声掛けは、買い物に付き合ってくれという合図。近頃は米を買う時だけでなく、家にこもりがちな私を連れ出して、散歩をかねての買い物とあいなる。気分転換になるし、行き帰りに思いがけない発見もあってよい。で、夫婦仲良く(?)連れ立っての散歩は、近所の評判を気にしているわけでもなく、日々のルーチンになった。この季節には他人様の庭先を眺めながら、珍 . . . 本文を読む

シオランのように

2016年05月27日 | 日記
  日本人ほどのオプティミストはいない。真理という峻厳なるものに到達し、知り・悟りえたものを授け、私たち日本人を覚醒に導いたものは只一人もいない。また、真理が一つだけではなく、相対するものであり、かといって二元的ではなく宇宙に拡散していく方向性をもつこと。つまり、無数の真理が実在することさえ気づかない。かつて自力で文明を築きあげた民族の末裔、或いは砂漠の民でもいいが、この日本人の阿呆ぶ . . . 本文を読む

昨日のこと

2016年05月22日 | 音楽
  昨日のこと。朝刊で林屋永吉氏が逝去されたことを知った。享年96歳、老衰のため死去された。元スペイン大使と記されていたが、メキシコの神話「ポポル・ヴゥ」を訳されたラテン文学者。フランス語に訳したのはル・クレジオではなかったか・・。生前に2,3回ほどお会いして話ができたことを偲びつつ、氏のご冥福をお祈りした。 家内の友人が九州から上京。プログレッシブ・ロック通称プログレのバンド、キャメルのコン . . . 本文を読む

安冨歩と、星の王子さま

2016年05月20日 | エッセイ・コラム
  1998年9月、マルセイユ沖リュー島付近で、キラキラ光る腕輪が漁師の網に引っ掛かった。それは銀のブレスレットで、Antoine de Saint-Exupéry(Consuero)の文字が刻印されていた。 文字通り、「星の王子さま」を書いた作家アントワーヌ・ド・サンテグジェペリのもので、括弧内のコンスエロとは彼の妻の名前である。後年、海底で機体も発見され、操縦者はサ . . . 本文を読む

「分」と人権

2016年05月13日 | エッセイ・コラム
  前回のブログでは、「人権」というもののアプリオリな正しさ、確かさに基づいて書きすすめた。私の中では、論理的な整合性はつけたつもりである。 しかし、日本人としての感情というか、情緒性において、自然権とか人権というものの概念を実体として捉えきれていたか不安になっている。わたし自身の不安もあるが、生みだした西欧側にもそれはあり、一抹の不信を抱かせるのだ。それを解消しない限り、不眠のタネ . . . 本文を読む

日本人の、社会的超自我  

2016年05月10日 | 国際・政治
   老いてからの自問自答ー② 柄谷行人の「憲法の無意識」を読みながら  ①国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として現在及び将来の国民に与へられる。    ②この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であって、これらの権利は、過去幾多の試練に堪へ、現在及び将来の . . . 本文を読む

身近なところで日々を愉しむ

2016年05月04日 | 日記
  この連休は金をかけず、手近なところを散策することにした。昨日は銀ブラ。トルコ料理のランチの後、カミさんが目当てのパラリンピック・イベントに行った。定刻前に着いたが、メイン会場は予想をこえた人だかり。気力の萎えた私は移動車の大型ビジョンで中継映像を鑑賞。障碍者のスポーツは今やパラリンピックを頂点に、多くの人が注目するようになった。 金メダルテニスプレーヤー国枝慎吾はじめ、女子トップ . . . 本文を読む