小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

教育は誰のためにあるのか

2017年06月23日 | うんちく・小ネタ
            上の絵はユトレヒト(オランダ)の画家、ヤン・ファン・スコーレル(1495~1562)の油彩画「学生の肖像」(1531)である。先日行ったブリューゲル「バベルの塔」展において、ボスとブリューゲルの中間期にあたる画家たちの作品の一つとして展示されていた。 今回はこの「学生の肖像」から喚起された「教育」の根本のようなものについて書いてみたい。 12歳 . . . 本文を読む

森友・籠池裁判における、安倍夫妻の証人召喚について

2017年06月21日 | 社会・経済
  大阪地検特捜部による森友学園及び籠池邸への家宅捜索が行われた。夜になってから証拠物件をダンボールで黙々と積み込む取材映像が印象的だった。今後、森友問題がどういう立証デザインで裁判にかけられるのか興味が湧く。 補助金のちょろまかし、不正受給のような詐欺的な罪で告訴されるのだろう。国策捜査ともいわれるが、やはり例の法務大臣は蚊帳の外か・・。失地回復を狙って、大阪地検は、面目躍如となる . . . 本文を読む

ブリューゲルの向こう側へ

2017年06月19日 | 芸術(映画・写真等含)
       筆者は小さな魚である。他の小さな魚と同じ、食べられてしまう運命にある。大きな魚に呑みこまれる小魚。いや、ひょっとすると雑魚でしかなく、小魚の格好の餌食かもしれない。 大きな魚は、さしずめ安倍晋三だろうか。いやいや、地域の町会長ほどの大きさの魚でしかないかも。 この絵はネーデルランドの画家、ピーテル・ブリューゲル1世( 1525/1 . . . 本文を読む

震撼する6.15

2017年06月15日 | 国際・政治
    57年前の今日。東大生、樺美智子さんが国会前で死亡した。安保闘争の国会デモの際に圧死したとされる。時の政権、岸信介総理大臣。 奇しくも6月15日の今日、岸の孫、安倍晋三総理のもと、「共謀罪」という名の悪法が強行採決された。「6.15」は、歴史的にまたもや震撼すべき一日となった。しどろもどろの審議、どうにでも解釈できる法案内容。法治国家にあるまじき解釈と適用が自在で . . . 本文を読む

「怠ける」という才知をもて

2017年06月14日 | うんちく・小ネタ
      この国では毎年3万人以上の自殺者がいて、その中の第1位が若い人たちだった。そんな悲しいニュースが先日あったが、それを受けての続報なり、政府の見解・対策の話は届いてこない。マスメディアはいったん事実を伝えれば無しの礫を決め込んだのか、括目すべきフォローアップ記事もなし。 クールジャパンだ、やれオリンピックだと浮かれている場合ではなく、わが日本の若 . . . 本文を読む

猫は人間を捨てない

2017年06月10日 | 日記
    古本市で買った穂村弘の「野良猫を尊敬した日」という著書から。同名のエッセイにこんなことが書いてあった。 人間は犬や猫のことを上から目線で「イヌネコ」などと云うが、その「イヌネコ」は、お金も洋服もスマートフォンも何一つ所有することなく一生を過ごす。実はもの凄い存在なのだ。という意味だろう。本当にそうだなあ、と思った。彼らはその日の食べ物すらキープしていない。一瞬一瞬 . . . 本文を読む

猫と、哲学する

2017年06月05日 | 日記
    前回記事より続き  ▲6月3日・東京新聞「猫学事始」より   左近司(さこんじ)祥子という哲学者を知らなかった。専門はギリシャ哲学だが、猫に関する著述も何冊かあるらしい。東京新聞(※)の「猫学事始」という特集記事がなければ、この方の存在は知らぬ存ぜぬで過ごしていたことであろう。 この哲学者の家には37匹の猫が暮らしているという。以前は . . . 本文を読む

家の中の自然について

2017年06月04日 | 日記
  新聞に「猫学事始」というインタビュー記事があった。3人の猫好きの識者に、猫をどのように考え、接しているかきいている。作家でパンク歌手の町田康の記事にひきつけられた。 「猫はかわいいんじゃない、美しいんですよ」という。 猫はそこに「いる」だけである。「人間側にとっては、人工物ではない自然が、家の中にすんでくれるということです。猫の美しさって、自然の美しさ」。この「自然」は「撫でさ . . . 本文を読む

小児性強弁を平気でつかう人たち

2017年06月01日 | 日記
     政治というものは、私たちの暮らしの実体そのものである。私たち人間の関係性を公正なものとして見なし、その上に築きあげられる。そこに虚構性はさらさら存在しない。人間の営みの確かさらしさが実感できる、そうした嘘偽りのない力学と正当がほしい。と、そうあって然るべきだと思っている。 だから、私たちを代弁してくれる明晰な人、公正な人が選ばれてほしい。政治という「場 . . . 本文を読む