小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

レンズを欺く花・クワンソウ

2022年09月28日 | 日記

リハビリの行き帰りは散歩がてら、通りすがりのお寺さんを覗き歩く。まず、掲示板の標語、聖語はどんなものか。最近は、仏典・お経の類いは少ない。名言集とか標語集を参考にした自前が多くなったかも知らん。2,3か月まえには、ボブ・マーレイの言葉をみつけ、粋な坊さんがいるなと感心した。

興味のメインは、まず境内にはどんな花が咲いているかが気になるところだ。江戸時代当初からの寺が多く、そこにある名木やら著名な人物の墓に参るのもいい。

一昨日、あるお寺の山門を入ったところの庭に、オレンジ色が鮮やかなカンゾウ系の花を見つけた。さっそくスマホに撮って出来具合を確認したら、陽の当たっているところは黄色に撮れている。

なんか不思議である。私の眼にはオレンジ色に見えるのに、写真レンズを通すと黄色だ。人間の目はいい加減というか、紫外線などは目に見えない。また、視覚の錯覚なのか、現実とは違って見える場合があるという。レンズには、人間の目とおなじように誤魔化されるケースがあるのだろうか・・。(人間の目が勝手に補正することも考えられる・・わからん)

▲左側の花は黄色く写っている。実は右の花のようにオレンジっぽく見えるのだ。

▲気味が悪いので翌日に再訪。同一の条件、太陽光を浴びた場合は同色だ。しかし、微細にみると、部分的に黄色い。全部同じに見えたのに。

▲(追加)同日に撮った違う角度の画像。花の色は同じに写っているし、同じに見えるので一安心。低精度で申し訳ない。

クワンソウを調べると、関西以西の温暖な地域に見られる中国原産ユリ科ワスレグサ属(キスゲ属)の多年生[※1]植物とある。沖縄では庭先や畑などで栽培され、食用としても用いられるらしい。(沖縄の方言では「ニーブイグサ(ねむり草)」とも呼ばれる)

クワンソウの花は夏から秋にかけて咲くためアキノワスレグサという和名があるが、その名が示すように睡眠を促進する効能が知られる。近年は、リラックスや安眠に効果・効果がある伝統ハーブとして珍重されているらしい。医学的にも、優れた睡眠誘発効果を持つ「オキシピナタニン」が含まれていることが確認されてる。

沖縄では食用にされるとあったが、葉は乾燥させてお茶として、茎や花(つぼみを含む)は食材としてお浸しや味噌汁に最適とのこと。しゃきしゃきとした歯ごたえがあり、クセのないさっぱりとした味というから、一度は食してみたいものだ。

[※1]:多年性の草とは、茎の一部、地下茎、根などが枯れずに残り、複数年にわたって生存する草のこと。

▲明治の毒婦と呼ばれた「高橋お伝」の墓に野生のユリが咲いていた(一週間前)。「高橋阿伝夜刃譚」を著わした仮名垣魯文も地元の寺に眠っている。

▲うちの道路際に、美しい花を咲かせたタマスダレ。(ヒガンバナ科)

▲消火栓のすき間から生えているケイトウ。コンクリートの下には大地があるんだ。

 

ご近所のお寺さんの掲示板。近ごろは仏教関連をはなれてユニークなものが目立つ。

 

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。