小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

余は如何にして癌患者となりし乎

2022年10月17日 | 日記

新緑の頃だったか、嫌な咳がでるようになった。痰がからむような異和感、それを出そうと身体が反応して、コホンコホンと咳がでる。ただし、喉の奥を強く絞りあげるようにしても、痰は出てくれない。しばらくすると、なんとか小康をえる。

そんな状態が2か月ほど続き、暑熱が体に堪えるようになって、咳はやや耐え難くなった。かかりつけのクリニックで咳・痰を緩和する薬を処方してもらう。咳は相変わらずだが、頻度が少なくなった感じはしたが・・。

お彼岸を迎える頃、自治体が実施する年1回の無料健康診断の案内がきた。今回は早めに受診することにした。行きつけのクリニックで、レントゲンや採血など通常検査をして一週間後、健康診断の結果がでた。すべての項目に異常はなかったのだが、レントゲンの写真で肺の一部になにか影があるという。

咳が止まらないのは、疑わしき何か問題があるのか? 禁煙して15年以上(但し18歳頃から約35年間喫煙)。係りつけ医曰く、CT検査を受ける時期ではないか・・。そう、5,6年前に経験したが、再検査をするべき身体の老化、劣化は進んでいる。年齢を考えれば、医師のすすめに抗する理由はない。

地元駅のすぐ近くにある、CT/MRI専門スキャニングセンターに行った(以前、認知機能検査でMRI検査をした)。三日後には、そのCT検査の結果がクリニックに転送されたという。クリニックから早速、自宅に電話があり、来院してほしいとのこと。

予想外の早さは嫌な予感がした。案の定、それは的中したと言わざるを得ない。肺に腫瘍らしきものが認められる。さらに精密な検査をうけるよう、最寄りの大病院、東京大学付属病院をすすめられた。

自分で東大病院に予約の申し入れをした。その翌日、クリニックから予約のことで問い合わせがあった。予約は一か月後であることを言うと、担当の医師(女医)はそれでは遅いので、直接電話してくれることになった(早期治療しないと、手遅れになる?)。なんと翌日に呼吸内科に行くことに決まった。

東大病院で産湯をつかり、5歳頃にもリンパ関係の手術を受けたことがある。東大病院は、家から歩いても30分以内で着く(実際には地下鉄を使う)。この辺りから、身辺がなんとなくざわざわしてきた。

東大病院での初診の日。担当の医師は30代だと思われ、若いながらも落ち着きのある物腰、丁寧な話し方は印象的だ。ここでは○△医師と呼ぶことにする。既に先日撮ったCTスキャン・データ、通院していたクリニックのカルテ等はCDロムに取り込んであり、画像をみながら肺がんの現状、転移のあるなしの説明をきく。具体的で分かりやすく、素人にも分かりやすいカンファレンスだった。

肺にできた癌は消化器系とは違い、脳や血液に転移しやすい。今後は、多面的な精密検査が必須とのこと。約2週間ぐらいかけて各種の検査スケジュールが、○△医師の意向に沿う感じで決められた。その概略を要約すると以下の段取りとなった。

〇心電図・レントゲン・採血
〇PET/CT検査
〇MRI検査
〇心エコー、肺活量検査
〇造影CT検査
〇検査結果診断
〇コロナテスト
〇気管支内視鏡検査
〇治療方針説明

以上の検査プログラムにおいて、自分なりの感想、注意点などを記しておきたい。備忘録として残すこと、第三者への参考になるよう公開したいからだ。

最初の採血は、さすが東大病院であろうか、窓口だけで20ほどのブースに分かれている。大量の人数でも採血可能、さらにバックヤードに血液を即分析する大型の解析マシンが並ぶ。ちょっとした医薬品メーカーの工場みたいだ。

名前と受付番号を呼ばれ、ブースへ。慣れた手つきでナース?が採血してくれる。採血管は10本以上もあり、その数の多さに驚くとともに、処理の手早さ、システマティックな動きに感動すら覚える。それらは直ちに、後ろに控える解析マシンに回されるようだ。

〇PET/CT検査⇒これは患部が炎症をおこしている個所を特定するCT検査だ。もちろん腕に造影剤を注入される。これは検査後に、肺臓のどの部分に炎症をおこしているのか、輪切りにしたCT画像では真っ赤になるので、自分で目視できた。大元の癌は3㎝大の大きさ、同じ大きさの炎症が肺の中央部と上部のリンパ節に転移していた。鎖骨に近いところにやや大きい炎症、肺臓の気管、血管の一部に小さな炎症がところどころに認められた。

〇MRI検査⇒肺にできる癌は、血液に入ってあちこちに転移しやすいという。MRIは脳を集中的に検査する。幸い、今のところ転移はない。脳に癌が転移すると、脳機能を失い、意識・認識障害を起こす。もっとも怖い状態になると言われた。

〇心エコーは、妊産婦が胎児の状態を確認できる、臓器が正常に動いているかを確認するような検査だと思う。今回は特別なことは言われなかった。

〇肺活量検査は、予想外にしんどかった。検査技師の指示にあわせて呼吸をするだけの検査。深く吸って、思いきり吐いて、また吸って・・。画面上の強弱・緩急のグラフを見ながら、マウスピースを付けて呼吸をくりかえす。咳を我慢しながらの呼吸はなんとも辛い。励まされながらとはいえ、意識が朦朧としてくる。

以上の検査に基づき、小生の担当になっていただいた○△医師の見立ては以下のとおりである。

第1回の診断結果:右下葉原発性肺がん(ステージⅢA)/閉そく性肺炎 /間質性肺炎  

 ➡3cm大の肺がんが3か所(内2か所はリンパ節)鎖骨下部左右2か所に転移の疑い。脳、その他への転移は認められない(この説明を聞く前に、「悪いことだけでなく、良かったこともあります」と、○△医師は言ってくれた。強くでも、慰めるでもなく・・)

さあ,今週はコロナテストをした後は、「気管支内視鏡検査」がある。直径4~6mmの管状の内視鏡を口から挿入して、肺のなかを検査する。また、癌の組織を採取して、その細胞の性質を調べ、癌の種類を特定するという。初期検査のオオトリである。この検査のあと、約1週間後に基本的な治療プログラムの説明をうける予定だ。

▲東大病院への正門、竜岡門。正面ビルは東大の本部

▲東大病院の外来棟

 

▲入口にある1Fフロア。受付窓口、計算、支払いはすべてここ。1日の平均予約者3500人

▲東大の池之端門。病院からの帰りはこの門から出る。歩いて本屋をめぐり根津、千駄木へ。

▲池之端門の真ん前にある古書ほうろう。湯島に移転してから来訪度は減った。これを機会に・・。

▲池之端門から不忍通りに出るとすぐ、横山大観記念館があった。

 

 

 

★追記:小生は、担当医師にブログを書いていることを話し、記事についての総合的な判断を仰いだ。東大病院で治療していることを公表するのは吝かではない。しかし、病院内の特定される場所、氏名や写真など個人情報が特定あるいは想定できそうな表記、画像等の掲載は遠慮されたい旨のことをいわれた。尤もなことである。それを了承し、抵触したものは削除もしくは訂正した。

こんごの記事についても、以上の東大病院の意向を尊重して記事を作成したい。2022年11月1日記


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2 コメント

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Prenez soin de vous (Louise)
2022-10-19 04:24:06
Retablissez- vous vite
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Merci! Louise (小寄道)
2022-10-19 09:05:40
Merci pour votre commentaire.
Je serai bien avenir. 
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