小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

君子と小人

2016年04月28日 | うんちく・小ネタ
    孔子の言葉に「君子は小知できず、大受ができる。小人は大受できず、小知ができる。」というものがある。 安富歩の「ドラッカーと論語」によれば、「小知というのは、関連性と目的のないデータの収集のことであろう。それに対して大受というのは、データの中から関連性と目的とを見出して、その意味を受け取ることであろう。それは自らの認識の刷新を含んでいる」ということだ。この引用は、孔 . . . 本文を読む

明日にかける地震

2016年04月26日 | エッセイ・コラム
   熊本地震は、震度7が一日おいて2回も起きるという未体験の恐怖をもたらした。今日4月25日に到っても終息したとはいえない。避難生活をしている人々にとって、心休まる平常の時がはやく来ることを願ってやまない。 さて、気象庁の研究や東大などアカデミズムの科学研究により「地震予知ハザードマップ」が明示され、東南海、東海、首都直下型地震等が80%以上の確率で起きるだろうと予測されている(ビデオニュー . . . 本文を読む

はやく元気で居られることを祈る

2016年04月18日 | 日記
    こんどの熊本地震は身につまされる思いを強くもった。未経験な地震のパターンを感じ、東京にいても警戒心が募る。余震はいまだ継続しているし、熊本の人々の苦難を思うばかりだ。 被害の生々しい映像はやはり強度があり、ずっと見ていると胸が締めつけられる。被災した人々みんなが、ストレスフルな状況に耐えられないかに見える。障碍者や高齢者、入院した方々の差し迫った避難生活も痛々しく . . . 本文を読む

パナマ文書が明かす、邪悪な金権力

2016年04月14日 | 社会・経済
  以前から存在しているにも関わらず、誰一人その存在に気づかないものを発見する。そうした自明性を新たに言いかえる、或いは作りだす能力をもつ人を、ひとは天才とよぶ。ニュートンがそうだ。誰もが林檎は木から落ちることを知っていたが、ニュートンはその自明的現象を「地球には重力があるから」と言いかえた。つまり言葉の表現だけで、N = kg·m/s2 という物理的なエビデン . . . 本文を読む

Bライフと初期の五十嵐大介

2016年04月09日 | エッセイ・コラム
  最近、友人から「Bライフ」という低予算・山舎生活者の存在を教えられた。端的にいえば、モノ・カネに支配されない、自由独立の暮らしを実践している人たち。 人里離れた山中に質素な小屋を建て、極力お金をかけない生活を実践する(※)。公共の電気・ガス・水道はなるべく使わない。基本は自前でなんでも作る。晴耕雨読のシンプルライフだ。(ちなみに、生活保護を受けるなど何かしらの援助に支えられた生活 . . . 本文を読む

「光りの墓」を見る

2016年04月06日 | 芸術(映画・写真等含)
    タイの東北部らしい町。池や森もある。人々は長閑な田舎暮らしをしているかと思いきや、町の中心は雑踏にあふれ、大きなデパートもある。ジャングルのなかに都会があるような不思議な町だ。 森林を伐採し、ブルドーザーで土地を掘り起こす音。開発されている、その土地のすぐ脇にかつて学校だった病院がある。 20ほどのベッドがある大部屋の病室。兵士だった男たちが寝ている。怪我でも病気でもない。いや、目 . . . 本文を読む

小林秀雄の筆致

2016年04月01日 | エッセイ・コラム
         ▲鶴丸透鍔、移動できず仕方なく冒頭に載っている。   過日、水墨画の展覧会に行った帰り、小林秀雄の「鉄斎」を読もうと思った。読んだのであるが、当てが外れた。私が読みたいと、確認したいと思ったことが書かれてない。つまり、記憶違いなのだが、自分が情けなく感じ、本を放って置いた。 暫くして再び本をとり、読み返したら「鉄斎」ではなく、目当ては「雪舟」の方だと判明 . . . 本文を読む