小寄道

日々生あるもの、魂が孕むものにまなざしをそそぐ。凡愚なれど、ここに一服の憩をとどけんかなと想う。

『沖縄スパイ戦史』を観た

2018年07月31日 | 芸術(映画・写真等含)
  ▲午前中ならば、監督二人とゲスト森達也のトークショーがあった。8月2日まで。⇒https://www.mmjp.or.jp/pole2/ 女性二人のジャーナリストが監督したドキュメンタリー映画である。題名に「スパイ戦史」とあるように、これまでの沖縄戦に関する知見にはなかった、諜報機関「陸軍中野学校」が関与した沖縄戦の裏面史が明かされる。 映画のパンフレットにこう書 . . . 本文を読む

127年前の血痕、そのDNA鑑定

2018年07月29日 | 社会・経済
  今日の新聞の国際面に、ロシア・ロマノフ王朝の最後の皇帝、ニコライ2世の遺骨が本人のものだった、という記事が載っていた。 ロシア捜査委員会による最新のDNA鑑定によって確定されたのだが、その試料のもとになったのが「大津事件」の際、ニコライ2世が着ていたシャツに残された血痕であったことに驚く。 ▲ニコライ2世とその家族が処刑された1918年から今年で100年。2000年、彼らは . . . 本文を読む

喜雨のあと土踏みたくて寺まわり

2018年07月27日 | まち歩き
連日の酷暑、炎熱がやっとやわらいだ。 「命にかかわる」は、嘘でも脅しでもなかった。多くの方々があの世に逝ってしまった。 屋根を叩くような強い雨が降って、そのお蔭で寝苦しさがすっ飛び、ぐっすり眠れることができた。 今日は散歩に出て、柔らかい湿った土の上を歩きたいと思った。となると、お寺さん、墓所が手っ取り早い。 午後二時ごろから日射しがぎらつきだしたが、風は爽やかに吹いていて気持ち良かった。 . . . 本文を読む

『ヒロシマ、そしてフクシマ』からのジェンダー理解

2018年07月23日 | 日記
  マルク・プティジャン監督のドキュメンタリー映画『ヒロシマ、そしてフクシマ』について、畏敬するキリスト教文化史家・竹下節子さんもまた、あの場面に触発され、私にとっても極めて印象深い、内閣府内における福島から来た女性たちの魂の抗議を記事にされた。(『L'art de croire 竹下節子ブログ 』⇒https://spinou.exblog.jp/29637625/) ★ . . . 本文を読む

暑さにも負けず「ゆるゆる」と生きる

2018年07月21日 | 日記
  「イノチにかかわる」連日の高温で、高齢者が相次いで亡くなっているという。もったいながってエアコンを使わないと、熱中症になるから危険です、とテレビは警告する。 今朝の新聞には「カジノ法成立」の大きな見出し。去年、基本法案が可決しているし、今さらながら驚かない。安倍政権が安泰で、自分たちのやりたいことを通すのは、国民の支持があるからだ。 国民といっても災害や炎暑で亡くなりやすい高齢 . . . 本文を読む

「明晴学園」を訪問する

2018年07月18日 | 日記
 品川にある「明晴学園」を訪問する機会にめぐまれた。以前、「『手話を生きる』を読む」という記事を書いたが、「明晴学園」は日本手話を第一言語とする日本で唯一のろう学校である。(⇒https://blog.goo.ne.jp/koyorin55/e/07c4211c87b40e62c786c800c4dd6d88) ある事に専念するため、中級クラスに進級することを断念した私である . . . 本文を読む

プティジャン監督の『ヒロシマ、そしてフクシマ』を観た

2018年07月16日 | 芸術(映画・写真等含)
    地元の「月一原発映画祭」については、何本かこのブログに書いている。今回はマルク・プティジャン( Marc Petitjean)監督の『ヒロシマ、そしてフクシマ』というドキュメンタリー映画である。 監督は2006年に『核の傷ー肥田舜太郎医師と内部被爆』を撮っている。 肥田舜太郎といえば昨年100歳で逝去されたが、1945年8月6日以来広島で被爆者の治療にあたり、生 . . . 本文を読む

「悪魔の糞」という名のスパイス

2018年07月14日 | 日記
  妻が見ているTOKIOのテレビ番組の、本場インドのカレー料理特集を観た。カレーに使われるスパイスの種類は、あらかた把握しているつもりだったが、「ヒング」という名のスパイスの存在を知り、猛烈に興味をそそられた。 主に、南インド料理に使われているスパイスで、コクと香りの総元締め的存在。これこそがカレーらしさを決める、最終兵器のような役割があるとも・・。 デリーのスパイス専門店で、T . . . 本文を読む

『万引き家族』をみて想ったこと

2018年07月11日 | 芸術(映画・写真等含)
  『万引き家族』が住んでいる家は、昭和の高度成長期の頃に建てられたと思う。小さな池もあった庭付きの平屋建てだから、売りっぱなしの建売住宅ではない。 この家の建て主はたぶん、成長著しい企業に勤め、先見の明や甲斐性もある男だったであろう(仏壇に飾られた遺影は初老のイケメンだった)。土地付きではない借地権付きの地所に、ローンを組んで建てたのではないかと考えられる。下町ではあるが通勤のロケ . . . 本文を読む

じゃがいも、わが愛

2018年07月08日 | エッセイ・コラム
まず初めに、西日本各地の集中豪雨により被害にあった皆様にお見舞いをもうしあげます。 亡くなられた人々のご冥福を祈り、いまだ行方不明の方々のご無事を、こころから願うのみである。   狭い日本とはいえ、東日本では梅雨明けしたのに、西日本では梅雨前線が居残り、そこに未曽有の湿った低気圧(雲の大集団)が流れ込んだ。去年もそんな記録破りの大雨が降ったのではなかったか。 何十年に一度の天災が . . . 本文を読む

ニケの微笑み

2018年07月03日 | 日記
  『静かなるドン』という大河の畔にあるロストフ 勝利の女神ニケは河の上の夜空にいて、ボールを蹴り追いかける男たちの闘いをみていた ユーラシアの東の果てからきた、目のほそい蒼き男たちは、結束を強くし、心をひとつにしていた そんな彼らに好感をもったニケ 同郷のエウロペの末裔たちの不甲斐なさを嘆いた 東方からきた男たちに、ニケはなにを思ったのか、活力と勇気をあたえてくれた エウロ . . . 本文を読む

結果オーライは、大人の選択か

2018年07月01日 | エッセイ・コラム
    対ポーランド戦でとった日本サッカーの戦術の是非が問われている。そのことについて門外漢なれど、書き残したいことがある。 後半戦に入って10分ほどして日本は失点した。この時点で1点を取らなければ後はない。 メンバーを大幅に変えたせいなのか、攻撃パターンがこれまでと違う。3戦連続出場の柴崎は明らかに疲労が蓄積し、ロングパスの精度が落ちていた。攻撃の起点は、半分ぐら . . . 本文を読む