何でも実習生の実習日誌

電子工作、模型スチームエンジン工作など、何でも工作が大好きです。
手持ちの工作機械は卓上ボール盤だけ、全て手作りです。

寒い日は部屋の中で電子工作

2017-01-15 13:20:32 | 電子工作

2017/01/15 (日曜日) 晴れたり曇ったり


何だか上空にこの冬一番の寒気が流れてきているんだとか・・・
今日もモズ嬢が庭に来ているが、寒くて外に出て相手にしてあげる気にもなれない。
こんな日には部屋の中で半田ゴテを握って電子工作をして過ごそう。
 
FET(電界効果トランジスタ)はあまり使ったことがない。
MOSパワーFETを安定化電源の出力制御トランジスタとして使ったり、サーボモータの
回転制御に使ったり、J-FETをウィーンブリッジ・オシレターの振幅制限用に使ったり
したぐらいでアンプとして使ったことはない。
先日、高周波増幅の実験で使ってみたが増幅度が低いのでトランジスタ増幅に変更してしまった。
どうしてFETはうまく増幅できないのだろう。
もう一度、基礎からやりなおしてみよう。

手持ちのFETは2SK30と2SK192A、それとMK10と2N5486とかいう古いFETがある。
先ずは2SK30で実験してみた。

2SK30は「NチャンネルJ-FET(ジャンクションFET) デプレッション型」という種類だそうだ。
何だか舌を噛みそうな名前だ。
ゲートには-(マイナス)電位のバイアスをかけて使うんだそうだ。
ウェブサイトの記事や資料を参考にして回路図を書いてみた。
バイアスやら出力動作点の設定を調整するために可変抵抗器を入れてある。




測定点に電圧計や電流計を入れて実験を始めた。







バイアスはソースに入れた抵抗器に流れる電流で生じる電圧による。
ソースの電圧が+側に上昇するので相対的にゲートは-(負)電位になる、というわけだ。
だけどこれでは大きなバイアスを掛けるには大きな抵抗値のものを入れないとならないけど、
問題はないのかな?
まぁ、やってみよう。

最初は全然増幅していない。
負荷抵抗(RD)の値を変化させたり、バイアス電圧(RS抵抗値)を変化させたり試行錯誤を
しているうちに増幅が始まった。
調整を繰り返すうちに増幅度も大きくなり歪もなくなっていった。




入力信号はほぼ1KHzの100mV。
出力は(500KΩ負荷)で1.88V。
増幅度は18.8倍ということだ。


次にソース電位を強制的(?)に上げる回路を付加してバイアスを変化させてみた。
これでドレーン電流をカットオフさせるまでバイアスを掛けられるだろう。




バイアスを変化させたり、負荷抵抗を変化させたりして最大に増幅されるよに調整した。




100mV入力に対して3.2Vの出力が得られた。
増幅度は32倍ということだ。
何でこの差になるんだろう?

集めたデータを表にしてみた。




両者の差はID(ドレーン電流)とドレーン負荷抵抗(RD)の値が目立つ。
約5倍の差がある。
これはバイアスとして設定した電位の違いによって生じたはずだ。
バイアス用抵抗器で加圧して大きなバイアス値にした分、ドレーン電流が減って動作点が変化し、それを戻すために
負荷抵抗値を大きくした結果だと思う。

サイトにアップされている諸先輩方の記事や資料によると、FETの増幅度は

  順方向伝達アドミタンス(Yfs)✖負荷抵抗値

になる、ということだ。
Yfsが変わらなければ負荷抵抗が大きいほど増幅度は大きくなるわけだ。
多分ドレーン電流値によってYfsは変化するはずだが、今回の場合は負荷抵抗が大きくなった方が
増幅度アップに効いたのだろう。

ただ、この加圧方式はバイアスの調整は案外クリチカルで増幅度を最大にするには中途半端な抵抗値になる。
一方、ソース抵抗(RS)によるバイアス設定はブロードだ。
しかし、上限値は(この実験では)8KΩ以下だった。
(もっと大きくできればバイアスが深くかかってIDが減って負荷抵抗を大きくできて増幅度が稼げる???)



今回の実験ではFET1段での増幅度が32倍(30dB)もあったので嬉しかった。
(何で「嬉しいかった」のかはわかりません・・・・・)





コメント (4)
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