遅めの夏休み中です。アパッチはあと一息ですが、ヘリコプターは小物が多くて神経を痛めますので、ちょっと休憩。
夏休み企画ということで私がスゴいと思うモデラーを3人紹介します。
①最も高貴なモデラ―:ジョージ6世
映画「英国王のスピーチ」の主人公。彼は兄が王位を捨てて米国人女性と出奔してしまい、期せずして英国王となるが、吃音症に悩んでおり国民の前で演説が出来ない。とある診療所の自称医師のライオネルとともにその克服に挑むうち、ナチスドイツが欧州大陸で戦端を開く。王は国民を鼓舞すべく演説に挑むが...という話である。ストーリーの途中、王が模型飛行機作りを趣味にしているというやや長めのエピソードがあるが、これはもう内向的な人物をステレオタイプに描くという例のアレであり、私は映画館で軽く舌打ちをした。しかも字幕で「プラモデル」とあり、これはもうあり得ない。プラモデルは和製英語の商標名だ(王が作っているのは木と紙の複葉機)。ダメ押しで「私がそこに"糊”を付けましょう(ライオネル)」と字幕に出たときには完全に鑑賞意欲を失ってしまった。吹き替え版でも「プラモデル」なのだろうか。王がモデラ―だったかは定かでないが、これ以上偉いモデラ―は見たことがない。(まあ冷静に見ればアカデミー賞らしい、いい映画である)
②最も凶悪なモデラ―:フランク・アンダーウッド
「ハウス・オブ・カーズ(The House of Cards)」の主人公。彼は米国の上院議員。選挙戦で頑張ったのに大統領に冷遇されたことを恨み、手段を問わず、その追い落としに掛かる...
彼は選挙区の南北戦争記念イベントに参加した際に、自分の祖先が南軍兵士だったことを知る。復讐の鬼と化した彼は兵士の祖先を自分に重ね、ジオラマづくりを始める。彼は大統領からの電話に、兵士や大砲に筆で色を塗りながら応える。大統領を小僧扱いしているからだ。すごいぞフランク!またアメリカらしく彼のジオラマは巨大であり、日本の4畳半ぐらいありそうだ。ジオラマにはストーリー性など無く、ただ南軍と北軍が戦っているだけのようだが、それでいい。モデラ―の力を見せてやれ!
③最も渋いモデラ―:黒崎潤一
マンガ「事件屋稼業」
彼は主人公の探偵:深町と腐れ縁関係にある、インテリ・ヤクザ。語学堪能で美術、哲学、文学に造詣が深く自らを「過激な企業家」と称する。彼の多彩な趣味の一つが鉄道模型で、事務所の自室には大きな蒸気機関車(台湾の阿里山登山鉄道の車輛)が飾ってある(第4巻)。彼自身がそれを作ったと思われるのは、ある登場人物が模型を見て「黒崎さんは手先が器用だなぁ」と言っているから。このマンガは長期にわたって描かれたため画風がだんだん変わっているが、初期~中期の彼は藤竜也をモデルにしているようにしか見えない(画:谷口ジロー)。頭が切れ、粋なセリフを吐く彼は最高に渋いモデラ―だ。黒崎のようになりたかったが、私には頭も度胸も無い、残念。ちなみに上述のセリフは頭を使って巧妙に事を成す黒崎に対する、ダブル・ミーニングなのだと最近気づいた。
「事件屋稼業」とはもちろんチャンドラーの「Touble Is My Business」の日本語訳を借用したものである。
今日はこの辺で・・・・
夏休み企画ということで私がスゴいと思うモデラーを3人紹介します。
①最も高貴なモデラ―:ジョージ6世
映画「英国王のスピーチ」の主人公。彼は兄が王位を捨てて米国人女性と出奔してしまい、期せずして英国王となるが、吃音症に悩んでおり国民の前で演説が出来ない。とある診療所の自称医師のライオネルとともにその克服に挑むうち、ナチスドイツが欧州大陸で戦端を開く。王は国民を鼓舞すべく演説に挑むが...という話である。ストーリーの途中、王が模型飛行機作りを趣味にしているというやや長めのエピソードがあるが、これはもう内向的な人物をステレオタイプに描くという例のアレであり、私は映画館で軽く舌打ちをした。しかも字幕で「プラモデル」とあり、これはもうあり得ない。プラモデルは和製英語の商標名だ(王が作っているのは木と紙の複葉機)。ダメ押しで「私がそこに"糊”を付けましょう(ライオネル)」と字幕に出たときには完全に鑑賞意欲を失ってしまった。吹き替え版でも「プラモデル」なのだろうか。王がモデラ―だったかは定かでないが、これ以上偉いモデラ―は見たことがない。(まあ冷静に見ればアカデミー賞らしい、いい映画である)
②最も凶悪なモデラ―:フランク・アンダーウッド
「ハウス・オブ・カーズ(The House of Cards)」の主人公。彼は米国の上院議員。選挙戦で頑張ったのに大統領に冷遇されたことを恨み、手段を問わず、その追い落としに掛かる...
彼は選挙区の南北戦争記念イベントに参加した際に、自分の祖先が南軍兵士だったことを知る。復讐の鬼と化した彼は兵士の祖先を自分に重ね、ジオラマづくりを始める。彼は大統領からの電話に、兵士や大砲に筆で色を塗りながら応える。大統領を小僧扱いしているからだ。すごいぞフランク!またアメリカらしく彼のジオラマは巨大であり、日本の4畳半ぐらいありそうだ。ジオラマにはストーリー性など無く、ただ南軍と北軍が戦っているだけのようだが、それでいい。モデラ―の力を見せてやれ!
③最も渋いモデラ―:黒崎潤一
マンガ「事件屋稼業」
彼は主人公の探偵:深町と腐れ縁関係にある、インテリ・ヤクザ。語学堪能で美術、哲学、文学に造詣が深く自らを「過激な企業家」と称する。彼の多彩な趣味の一つが鉄道模型で、事務所の自室には大きな蒸気機関車(台湾の阿里山登山鉄道の車輛)が飾ってある(第4巻)。彼自身がそれを作ったと思われるのは、ある登場人物が模型を見て「黒崎さんは手先が器用だなぁ」と言っているから。このマンガは長期にわたって描かれたため画風がだんだん変わっているが、初期~中期の彼は藤竜也をモデルにしているようにしか見えない(画:谷口ジロー)。頭が切れ、粋なセリフを吐く彼は最高に渋いモデラ―だ。黒崎のようになりたかったが、私には頭も度胸も無い、残念。ちなみに上述のセリフは頭を使って巧妙に事を成す黒崎に対する、ダブル・ミーニングなのだと最近気づいた。
「事件屋稼業」とはもちろんチャンドラーの「Touble Is My Business」の日本語訳を借用したものである。
今日はこの辺で・・・・
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