古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

バーチャル大腸内視鏡(3DCT colonoscopy)

2016-10-26 15:00:30 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

最近、院外の方に「ブログを読んでいます!」と言われる機会が
徐々に増えてまいりました。

(追記 ちなみに業者関係の方にも この記事の後に言われ始めましたが、
できれば業者関係の方はコメントを控えていただけましたら ありがたいです。
反応に困りますので。。。)

院内の方(すなわち職員)もよんでいる方がおられるようで、アクセスしてくださっておられる方の
内訳が不明ですが、このような落書きを読んでいただき 本当に恐縮しております。
今後も役に立つ?個人的に面白いと思う事象や当院の取り組みをご紹介してまいりたく思います。
よろしくお願いいたします。

今日は若干?宣伝めいていて恐縮なのですが
当院でも実施しておりますバーチャル大腸内視鏡検査について ご説明いたします。

まずバーチャル大腸内視鏡とは何かということですが
簡単に言えば、
高機能CTで腹部から骨盤部まで撮影し、
ソフトを使って 大腸画像を再構成して
大腸内視鏡を行った時のように
大腸の内腔の再現が行えるというものです。

管理人もその昔、修行させていただいた亀田総合病院(幕張クリニック:
管理人は幕張でなく本院にいました)のホームページ記事を引用いたします。
http://www.kameda-makuhari.jp/ja/clinic/dock/3dct/about/index.html

個人的な話で恐縮ですが、管理人は30代前半で初めて胃と大腸の内視鏡検査を受けました。
理由は 管理人が内視鏡検査を行うに当たり、
患者さんの立場を経験するためです。
その際、管理人の大腸は
非常に長いことが判明し、
(これは高年齢の女性に多いのですが。。(笑)
中年でこの有様なら、高齢になったらどうなるんだろうと
思います・・・)
挿入にかなりのテクニックを要しました。
幸い 一番上手な方に施行していただきましたので
よかったのですが・・・。
管理人が大腸内視鏡検査を受けようと思ったら、
検者は相当上手な人を探さないと 大腸の入り口(回盲部と言います)まで
内視鏡がたどり着きません。
(実際 その後、検者を選ばずに検査をしていただいたところ、
ひどい目にあいました)
また、前処置(腸管洗浄)も通常 当日の下剤は2リッターが相場ですが、
管理人は3リッターのんでも今一つ 腸管内がきれいになりません(残便が多いということ)。
そのため、管理人は1週間前から下剤を飲み、
かつ軽めの食事をして 検査当日3リッターの
下剤の水を飲み、そして挿入が上手な人を選んで
お願いし、ようやく観察に耐えるような検査が
出来るという大変面倒な段取りを踏む必要があります。

胃カメラの挿入が難しい人はまれですが
(胃カメラが難しいのは、腹部手術時に複雑怪奇な腸管再建をしている人(昔の手術など)や、
瀑状胃や食道裂孔ヘルニアが極端な上に胃の軸が捻れているような人くらいです)
大腸内視鏡の挿入が難しい人は珍しくありません。
大腸内視鏡検査の被験者(受ける人 患者さん)に
一番向いているのは 開腹手術歴のない
40-50代の男性で 
大腸内視鏡検査の初心者(医者の話です)でも
非常に簡単に挿入できますし、被検者(患者さん)も
楽です。
逆に大変なのは 極度の便秘で腸管が長い方や
開腹手術で広範に腸や膀胱、子宮卵巣を切除したり、
重度の子宮内膜症だったり、
胆のう、すい臓などの手術時に
拡大切除などを行っていたり、骨盤部の放射線治療を行った方などです。
後者の方は癒着といって 手術後の傷がおなかに残っているので 腸が狭くなり、通常のやり方では
内視鏡が通過しにくく、かつ挿入時に非常に痛みを伴うことがあります。
後は、年配の方であちこちが痛い方や体が麻痺している方も 別の意味で大変になることがあります。
(向きを変えたり、時間がかかったりすると体に負担がかかるので) 

管理人を含め、検査を行うことが大変な方で、しかしながら
年齢が上がって 内視鏡検査をたまには行わないといけない方や、
大腸内視鏡検査に抵抗がある方は
スクリーニング検査として
バーチャル大腸内視鏡検査が向いていると思います。
CTは放射能(追記:職員から突っ込みが入り、「放射線」の間違いです(笑))が
出て被爆しますので、頻回に行わない事が肝要です。

メリットは
1.治療適応のある病変
(あくまでも腫瘍の話です)なら大体拾えること
2.大腸内視鏡検査に比べ、気軽に受けれること
3.前処置(腸管洗浄)の仕上がりによるものの、
  大腸内視鏡検査につきものの
  死角があまりなく 見落としも少ないこと

デメリットは
1.被曝すること
 (被曝量は少なくなるように工夫はします)
2.5㎜以内のポリープ(小さくて浅い陥凹型病変(O-IIc type)を含む)は拾い難いこと
3.難治性腸疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病など)
  その他の腸の炎症の診断や重症度判定は
  困難であること
4.組織検査ができないので、病変を見つけたら 
  後日 大腸内視鏡検査に移行すること

くらいでしょうか・・・?

ご興味のある方は 当院代表電話番号に
お電話いただくか ホームページのお問い合わせから
ご連絡ください。
バーチャル大腸内視鏡検査だけでなく 
リアル?大腸内視鏡検査や
胃カメラ検査も行っております。

http://komori-hp.cloud-line.com/




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