古森病院@福岡市博多区 病院管理者のブログ

ベイサイドプレイス近隣にある長期滞在型病院です。投稿記事は管理者の独自見解であり、医療法人の見解ではありません。

「どうせ高齢者」意識が終末期ケアにもたらすもの(SYNODOS記事より)

2019-01-12 23:46:39 | 日記
古森病院@福岡市博多区です。

最近、ADVANCE CARE PLANNNING(略してACP) という言葉がさかんに聞かれます。

ACPとは患者さん本人と家族が医療者や介護提供者などと一緒に、現在の病気だけでなく、
意思決定能力が低下する場合に備えて、あらかじめ、終末期を含めた今後の医療や介護について話し合うことや、
意思決定が出来なくなったときに備えて、本人に代わって意思決定をする人を決めておくということです。

当院の入院患者様の中には いわゆる終末期の方も少なくありませんし
外来患者様の一時的病気による入院を除く
当院入院患者様の退院理由のほとんどの方が死亡退院ですので、入院時に患者様(のご家族様)全員に
アンケートを取って(当院の入院患者様は、外来患者さんの一時的病気による入院を除き
患者様ご本人ではっきり意思表示ができる方はほとんどおられません) 
急変時に急性期病院に搬送するか否か、心肺停止時に心臓マッサージなどを行うか否かの
意思表示を行っていただいています。

最近、SYNODOSというジャーナリズムサイトで
表題の記事を見つけました。この記事がかかれたのは
2014年の1月と今から5年前に書かれた記事ですが
終末期医療にどっぷり漬かっている管理人も 日本でACPが増えてきた場合の未来予想図が
容易に想像できる記事の内容でした。

「太く短く生きるから このままでいい」というセリフは 生活習慣病のコントロールがうまく
いっていない外来患者様からよく伺うセリフですが、「生活習慣病の
アンコントロールの結果、寝たきりになって助かる」というシナリオは想定していない
方が多く、「そうなったらなんか注射してさっさと逝かせてくれ」などというセリフも
またしょっちゅうお伺いするセリフですが、いざ土壇場になった時にも
同じことを言われる方は あまりおられません。

何事もその立場にならないとわからないことは
たくさんあります。

管理人も「胃瘻だけはしない」と言われながら
いざ経口摂取ができなくなると、胃瘻造設に意向を変えられる
患者様やご家族様もたくさん拝見してまいりましたし、胃瘻は作らないが
同じ栄養摂取方針である経鼻経管栄養は希望するというご家族様もまた少なくありません。

ACPがあったとしても、丁寧に意見をすり合わせることが
重要だと思います。

https://synodos.jp/welfare/6606

一部引用。

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2014.01.10 Fri
「どうせ高齢者」意識が終末期ケアにもたらすもの――英国のLCP調査報告書を読む

児玉真美 / ライター

今年8月、英国でリバプール・ケア・パスウェイ(LCP)に関する調査報告書 “MORE CARE, LESS PATHWAY A REVIEW OF THR LIVERPOOL CARE PATHWAY”(*1)が刊行された。

LCPとは、死が数日以内に差し迫った臨死期の患者への看取りケアのクリティカル・パス(*2)。病院での劣悪な看取りケアのへの批判を受け、ホスピスでのケア・スタンダードを病院やナーシングホームなどにも広く平準化する目的で2003年に作られた。英国ではNHS(国民医療サービス)の医療下で死亡する患者の約29%にあたる年間13万人に適用されている。

本来は、患者の自己決定を重視し、チーム医療によって丁寧なアセスメントを繰り返しながら、臨死期の患者とその家族の身体的、心理的、社会的、スピリチュアルな苦痛を軽減するべく作られた、優れた臨床実践モデルである。

しかし英国ではこのLCPについて、数年前から、高齢患者に機械的に適用され、鎮静と脱水によって手間をかけずに死なせるための手順書と化してしまっているとの告発が相次いでいた。ついに去年、ケント大学の臨床神経科教授、パトリック・プリシノが医師会での講演において「まだかなり生きられる高齢患者がLCPによって殺されている可能性が高い」「エビデンスもなしに始められるLCPは、もはやケア・パスというよりも幇助死パスウェイと化してしまっている」などと激しく非難したのを機に、一気に社会問題化。保健相が独立の委員会(委員長はジュリア・ニューバーガー上院議員)を立ちあげて調査を命じていたもの。

調査委員会は今年2月から5月にかけて、広く一般からも医療職からもLCPの体験談を募集したほか、実際にLCPを使っているさまざまな現場を訪れて医療職の声を聞き、また一般からはロンドンなど4カ所で直接的な聞き取りの機会を設けた。それらのエビデンスを分析した結果を取りまとめて委員会から刊行されたのが、この報告書である。

報告書では、「委員会が得た多くのエビデンスによれば、LCPが適切に用いられた場合には患者は穏やかで尊厳のある死を遂げている」(1.8コラム 13頁)など、意識も技能も高く経験豊富な医療職によって適切に用いられた場合には、LCPは本来の役割を果たすことが繰り返し強調されている。しかし、上の文章は次のように続く。「しかし委員会は調査で読み聞きした内容から、LCPの実施が劣悪なケアと関連していることが少なくないことを確信してもいる」。全体として、調査以前からの告発がほぼ裏付けられた結果となっている。

(*1)https://www.gov.uk/government/uploads/system/uploads/attachment_data/file/212450/Liverpool_Care_Pathway.pdf

(*2)http://kotobank.jp/word/%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%86%E3%82%A3%E3%82%AB%E3%83%AB%E3%83%91%E3%82%B9


調査によって判明した終末期ケアの問題点

報告書が指摘する主要な問題点のいくつかに沿って、英国の死にゆく高齢者へのケアで何が起こっているのか、その実態をざっと概観してみたい。

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引用終わり。

以下は上記アドレスをクリックされ 本文をご参照ください。

http://komori-hp.cloud-line.com/


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