山登り・里歩きの記

主に関西地方を中心とした山登り、史跡巡りの紹介。要は”おっさんの暇つぶしの記”でんナァ!。

紅葉の赤目四十八滝(三重県)巡り (その 2)

2015年01月27日 | 渓谷歩き

昨年(2014)の11月19日(水)、紅葉シーズンに訪れた時の記録です。

 行者滝・霊蛇滝・赤目牛  



10時20分、日本サンショウウオセンターを抜けると,渓谷の世界です。川沿いに大岩がゴロゴロし,その間を滝川がせせらぐ。樹木が覆いかぶさり昼間といえど薄暗い。長袖シャツに薄手のジャンパー姿できたが,やや寒さを感じる。







日本サンショウウオセンターから約100m,最初に現れるのが「行者滝(ぎょうじゃたき)」。高さ5m、滝壺の深さ10m。
名前からして役行者(えんのぎょうじゃ)と関係ありそう。役行者が滝で修業中に,不動明王が赤目の牛に乗って現れたという行者伝説がある。この滝で修業していたのでしょうか?、それにしては小さな滝ですが。関西の山や古跡を訪ねていると,あちこちで役行者伝説に出会う。役行者はどこにでも現れる神出鬼没の摩訶不思議な役者です。

この辺りはまだ平坦で歩きやすい道です。平日ですが紅葉シーズン最盛期のせいか,思った以上に人出が多い。ほとんど,おじさんおばさんですが。そういう私も・・・
11月中は日没から午後八時まで紅葉ライトアップイベントが行われるそうです。この辺りの路傍には、そのための竹筒が両側に並んでいる。数秒ごとに赤や緑など七色に変わり、幻想的な光景が浮かんでくるそうです。竹筒に小さな穴が曲線状に開けられている。ライトアップの仕掛けでしょうか。管理するNPO法人「赤目四十八滝渓谷保勝会」が三年前から始めたもの。最近何処でも行っているので、ライトアップ自体は珍しくないが、川と滝と紅葉の組み合わせは見てみたい気がする。でもそんな時間まで居てられない。

霊蛇滝(れいじゃたき)が現れる。落差6m、幅3mといわれる。霊蛇滝を正面から見るには,川の中に飛石伝いに渡っていく。橋ともマッチして,美しい姿を見せてくれる。
滝よりも、澄みきった滝壺の美しさに感銘する。
霊蛇滝近くの道傍に赤目牛の銅像が置かれている。傍の説明版に「古くから伝えられている赤目の由来は、役小角(えんのおづぬ)がこの地に来た折りに、滝に向かって行を修めると、不動明王が牛に乗って出現。その牛の目が赤かったので、この地を「赤目」と名付けた」と「赤目」の由来が書かれています。そして小堂を建て不動明王を祀ったのが、入山口にある滝寺「延壽院(えんじゅいん)」に安置されている赤目不動尊。目黒不動尊・目白不動尊と共に日本不動三体仏の一つとされている。これも役行者伝説の一つでしょうか。

 不動滝・乙女滝  


赤目牛の銅像を横目にチョッと急な階段を登ると、「不動橋」と銘打たれた頑丈な橋が掛けられている。この橋上から眺められる位置に、最初の「赤目五瀑(あかめ ごばく)」である不動滝(ふどうたき)が現れる。赤目四十八滝のうち比較的大きな五つの滝を、「赤目五瀑(あかめ ごばく)」と呼んでいる。不動滝は落差15m、滝幅7m、滝壺の深さ10m。布曳滝についで二番目の高さ。
赤目四十八滝全体でも、ここが一番賑わっている。高齢者にとってはこの辺りまでが限界でしょうか。まだ赤目四十八滝の十分の一の位置でが、これから先少しずつ起伏が激しくなってきます。明治の中頃までは、ここから奥は原生林で覆われ先に進むことができず、当時はこの不動滝までで引き返していたそうです。かって「滝参り」とは、不動明王の現れたこの滝にお参りすることだったようです。
この辺りまでライトアップ用の竹灯が並んでいる。不動滝もライトで照らされるでしょうから、夜になるとこの周辺は幻想的な世界に生まれ変わるんでしょうネ。でも一人だけだったら、チト怖い気もしますが。

不動滝から4~5分ほど歩くと、乙女滝の看板が見える。”乙女”とはこんなイメージでしょうか?。彩られた落葉が川面に浮かび、止まっているような流されているような楚々とした風情を漂わしている。”乙女”のようです。

乙女滝から奥へ進んで行くと、滝川は”乙女”の川から荒々しいゴロ石の積み重なった渓流に変貌します。荒々しくなったり、優しくなったり、こうした変化も赤目四十八滝の楽しみの一つかもしれない。
途中に大日滝の案内があるが、山の斜面に水が流れ落ちたような形跡があるだけ。雨が降ると落差30m、幅7mの2段の素晴らしい大日滝が姿を見せるそうですが・・・。最近、雨量が少ないせいかこうした形跡だけの滝が幾つかありました。
写真は八畳岩の休憩所。トイレもあります。ここまでちょうど1時間位、ちょっと休憩するのに丁度良い場所です。傘堂のような休憩所は、紅葉とマッチし風雅です。雨避けにもなりそう。

 千手滝(せんじゅたき)  



休憩所から直ぐの所に赤目五瀑の二つ目「千手滝」があります。”五瀑”といっても、落差はたかが十数mでしれている。赤目四十八滝は滝を含め、川、景観、散策路など全体で体感する景勝地です。滝だけを目当てにくると失望します。
落差15m、滝幅4m、滝壺の深さ約20m。小さいながら滝の雰囲気といい、深緑に澄みきった滝壺など、赤目四十八滝のなかでは一番のお気に入りかな。
名前の由来は、複雑な形の岩を伝って千手のように分散して水が落ちる姿からつけられたという説と、千手観音に因むとする二つの説があるそうです。傍の案内板によると「滝の名前には、仏名に因んだものがたくさんみられます。これは赤目の自然景観を一大曼荼羅図に見立て、大日如来を中心として千手観音、不動明王、吉祥天、役の行者などが並び、妙法山の阿弥陀如来を配していることから名付けられたもので、四十八滝を全周することで諸願が達成されることに通じると考えられているためです」と記されている。
滝壺の手前、千手滝を真正面から鑑賞できる位置に千手茶屋がある。おでん、おにぎり、うどん、お酒などおいてます。ここが最初の食事処、というより滝のある渓谷に入ってここしかお店は無かった。ここまで、パンフでは「800m、片道20分」となっているが、脇目も振らずに歩くだけで「20分」でしょうネ。私は1時間少々かかりました。ちょうど昼時で、美しい千手滝を眺めながら、おでんで一杯やるのは最高!

かなり急な坂を登ると千手滝の上にでる。千手茶屋が小さく見えます。そして静止したように澄み切った滝壺の美しさは赤目で一番。おじいちゃん、おばあちゃん、ここまで頑張ってほしいナァ。
通常、滝は下から見上げるのがほとんどですが、赤目滝の滝は下から、横から、上からと別の角度から眺め楽しむことができます。滝の高さが低いせいもありますが、登ったり降りたりかなりのアップダウンが必要になります。この辺りからアップダウンが多くなってくる。

詳しくはホームページ
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