名古屋・名駅街暮らし

足の向くまま気の向くままに、季節の移ろいや暮らしのあれこれを綴ります。

田んぼの間断灌漑

2012年07月31日 | セカンドルーム

 

太陽が山の端から顔を出すと、夜露が蒸発し霧となって空へ昇っていく。
あたりの熱も奪い天然クーラーを楽しめるのも朝のひと時だけで、今日も真っ青な空から肌を刺すような強い陽射しが降り注いでくる。

 乗鞍岳


ここ数日は好天が続き、北アルプスの山々が涼しげな姿を見せてくれるが、涼風までは届けてくれない。


この時期の稲田は、湛水と落水を繰り返す間断灌漑をやっている。
出穂(しゅっすい)を控え、田の水を落とすと地表に干割れが入り、そこから根に酸素を補給すると同時に、泥の中の有毒ガスを抜くことが出来て、根腐されを防止して伸長を促進する。
湛水時の根は横に伸びて隣の稲と養分を奪い合ってひ弱になるが、落水すると根は水を求めて土中に深く伸びて養分を十分に吸って良い稲が育つ。
間断灌漑を数日間隔で繰り返すが、干しすぎると旱害状態になるので、稲が水を欲しがるギリギリのところで与えるのが良いとされている。
これも天候や稲の葉の色などを見ながら決めるとのことだが、にわか農夫はそこまでの読みが出来ないので、周りの人たちから教わったり見よう見まねでやっている。

今日は畑の草刈りと動物の防御ネットを張るつもりで早起きをしたが、モチベーションが上がってこない。
ギラギラ太陽のせいもあるが、動物に荒らされた残りの畑にネットを張る作業に空しさを感じる。
とりあえず作業は涼しい日に先送りすることにして、応急処置としてラジオを大音響で流すことにした。


コードを畑まで引いて、山に向かってボリュームいっぱいに上げてみた。
かなり広範囲に音は届くので、警戒心の強い野生動物に少しは効果がありそうだ。
まさかオリンピックの実況放送に興味を持ったタヌキたちが集まってくることはないと思うが、学習能力を持つ彼らが慣れてしまえば効き目がなくなる。

夕焼け空に向かってラジオが鳴りはじめたが、山の動物たちは警戒してくれるだろうか。
手抜き防御でお茶を濁したが、しばらくは深夜放送の効果に期待することにしよう。

コメント
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