
祇園祭前祭を飾る郭巨山は、千年以上の歴史を持つ日本三大祭のひとつ京都・祇園祭の"山"のひとつです。



















全部で34基ある山鉾の一つ「郭巨山」の拠点であり、郭巨山町の町家(ちょういえ)となっているのが、四条通に面する郭巨山町会所です。


例年7月の祇園祭期間は、「お山建て」に伴い、会所飾りがなされ、山鉾を飾る絢爛豪華な懸装品を間近で見ることができます。


郭巨山町会所は、もともと会所が非常に手狭で、耐震性への懸念もありました。
そこでこの京町家の改修事業では、表通りの特徴的な外観デザインを残しつつ、奥の蔵部分と一体化させる"増築工事"によって、地域の拠点となる町会所を再生させました。
この改修工事は、建築基準法第3条第1項第3号の適用によって建築基準法の適用を除外し、歴史的建築物を保全・継承する、ユニークな取組となりました。




2023年の日本建築学会賞(作品)を受賞しています。

会所に入って左隅に置かれたている受賞を記念した記念品です。

令和5年4月郭巨山町会所は、日本建築学会から、建築基準法適用除外の活用により都市遺構を継承する取組、既存木造に鉄骨造を増築し耐震性能を高める構造計画、祇園祭の会所ならではの光の取り入れ方等々の実践と達成が評価され、2023年日本建築学会賞(作品)を受賞しました。受賞者は、設計者の魚谷繁礼氏、魚谷みわ子氏、柳室純氏(構造設計)です。
四条通に面した一等地にあり、通に面した会所と奥にある蔵との部分を増築し、見事にふたりが一体化しています。
ホント凄い発想と設計者のご苦労を思います。

令和4年5月21日に、郭巨山保存会主催で、町会所の"壁塗りワークショップ"が開催されました。




令和4年6月16日には、令和3年度選定「郭巨山町会所」の見学会を、京町家まちづくりファンドに支援された寄附者、協力者の方を対象に開催されました。
わ
午前の部は設計担当の魚谷繁礼氏(魚谷繁礼建築研究所)、午後の部は所有者の平岡昌高氏((公財)郭巨山保存会代表理事)からご説明を頂きました。
一日に多くの京町家が潰されている今日、、、
少しでも多くの町家が残って欲しいと願うばかりです。
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