望月ご住職です。
興聖寺では毎日の6時から7時まで「座禅会」が行われていて、誰でも参加する事が出来ます。
(25分の坐禅が2セット行われます。)
宇治にある興聖寺は黄檗宗のお寺で「琴坂」の紅葉で有名ですが、こちらの興聖寺は臨済宗興派寺の本山です。
茶道織部流の祖でもある武将・古田織部と関係が深い事から織部寺とも通称されています。
方丈庭園の西側は綺麗な苔庭でしたが、今年の猛暑に加えての少雨で、随分と枯れてしまったそうです。
そこで、ご住職のお考えで白砂を入れられたそうです。
通常非公開ですが、この秋初めて本堂や方丈庭園の美しい紅葉が特別公開されました。
慶長8年(1603)、戦国武将である茶人でもあった古田重然(織部)が虚応円耳禅師を開山に建立した禅寺です。
古田織部は千利休が大成させた茶道を継承しつつ、大胆で自由な気風を好み、茶器の製作や建築、作庭などにわたり「織部好み」と呼ばれる流行をもたらしました。
江戸幕末二代将軍秀忠公の茶の湯師範も務めましたが、大坂夏の陣に際して豊臣方に内通したとの嫌疑で自刀を命じられました。
法堂にはお釈迦さまをご本尊に脇侍に普賢菩薩さまと文殊菩薩さまがお祀りされています。
天井には「龍図」が描かれています。
「龍」は仏法の守護神であり、また、水を司る神とされ、多くのお寺の天井に描かれている事が多いです。
方丈には、青が印象的な海中写真襖絵が、天井には四季の草花が描かれた天井画が方丈に彩りを添えています。
方丈の裏庭には珍しい「降り蹲踞(つくばい)」も見どころのひとつです。
涅槃堂では渡邉敬介さんの個展が行われていました。
お軸には愛宕山の神宮寺・白雲寺から移されたとされる勝軍地蔵さまに見守られるかたちで、亡くなられた方々のお位牌がお祀りされています。
また、格天井ににはアクリル絵の具で描かれた「四季花卉図」が40面に四季折々の草花が描かれています。
友禅作家の山本善康さんが奉納されました。
興聖寺が所蔵されている一切経が保管されている蔵です。
一切経とは仏教の経典のすべてを指します。興聖寺一切経は、平安時代に写経され京都府木津川市の海住山寺に海住山寺に伝わり、その後、興聖寺の創建とともに託された5294巻からなる膨大なお経です。
全てのお経を保持するお寺は全国にも他にありません。
お経を納めている霧箱の損傷が激しく、クラウドファンディングで資金を調達され新調されました。
紅葉の美しさの裏で、凛とした空気の漂う禅宗のお寺・興聖寺です。
なお、堂宇内は撮影禁止なので掲載の写真はネットから転載させて頂きました。