権力、その三つの実力
政治分野の最初の説明として、
権力
という概念を解説します。たとえば、
「みなさんがこれまで、生きてきたなかで、それも学校生活のなかで、権力者がいたと思います。その権力者が権力者であることができるためには、ある種の〈実力〉(変な表現ですが)が必要となりますよね。力がなければ、権力はふるえない。その〈実力〉って何なのでしょうねえ?」
けんか、強くものを言えること・・・
他にどのようなものがあるのでしょうか?
さて、この質問に対して、一般論として、法社会学者の川島武宜は、『日本人の法意識』(岩波新書)のなかで(p22)、権力はある実力がかならず必要になる、それは、
物理的・経済的・心理的
なものだ、と書いています。この三つの力こそが、権力の背景なのだ、と川島はいいます。少し詳しく解説してみましょう。
物理的実力
物理的実力の典型こそ、暴力ですね。武器を含めた暴力です。私たちは、この暴力がどの程度権力の背景を占めているかを考える必要があります。
「ボコす」
という言葉が生徒の世界にはあります。受け身形で表現すると、
「ボコされる」
ですね。これが、きわめて重い言葉なのです。私は、ある意味、この言葉こそがあらゆる自由を封じる力を学校の世界では持っているとみています。いじめの世界はこのことばで満ち満ちているのです。
ちょっと脱線しますが、私は、アメリカという国を一つの極論として注目しています。アメリカはみなさんご存じのとおり「銃社会」です。州によっては、本当にかんたんに銃が購入できるのです。そして、学校社会で、凄惨な銃による事件が起きていることも、よく知られていることです。
だれもが、銃をもつことができる、という社会の意味を考えましょう。銃は、身体による力の差、暴力の差を極限まで縮減します。いくらマッチョな人間でも、銃を受け止められません。体に穴があいちゃうでしょ?
身体という「物理的な力」の差を究極まで小さくする「物理的力」こそが、銃なのです。物理的な力の〈平等〉、ちょっと先で学習する言葉を使えば、最後の「身体的権利」の防衛こそが銃なのです。
「いじめられっ子に銃を!」
これで、いじめは減りませんか?
経済的実力
経済的な実力の筆頭は、
カネ
です。カネを使った権力行使。たとえば、ちょっと不適切な表現ですが、私が学校で授業を行うのは、学校長に命令されているからです。で、その根底にある力は、
カネ
です。みなさんのアルバイト先の店長が命令できるのもみなさんに
アルバイトの給料
を払うからです。
さて、授業では、
先生がつける成績
も私は分類としては、この経済的実力に含めています。そうです。成績権力は経済的力なのです。なぜか、わかりますか?
心理的実力
これにくわえて、たとえば、
脅迫
ですが、心にむけて権力行使をするのが、心理的な実力を背景とした権力です。
性的な魅力
も場合によっては権力となりますね。あるいは、カリスマ的な存在も心理的な実力に含めてよいでしょう。
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1 コメント
コメント日が
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- 修行中 (ライ)
- 2008-08-12 14:30:57
- 何故和田明子さんは権力があるのか?いい所もある嫌な所もあるあの人を敵にすると芸能界で生きていけないからでしょうそれと同じ事が家庭でも職場でも世界でも一緒です
- 返信する
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