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政治

 

 

イスラエルとイランに言いたいこと

 

人類は「世界最終戦争」をどう防ぐべきか

 

 

10月7日、イスラエル国民は、平穏な日常を失いました。

 

10月7日早朝、パレスチナの武装組織ハマスは「アル・アクサの大洪水作戦」を開始。イスラエルに大量のロケット弾を発射し、軍事施設に大規模攻撃を行うと同時に、地上部隊を侵入させ、兵士のみならず、老人や子供、赤ちゃんまで惨殺しています。その様子はSNSで瞬く間に拡散されました。

 

人質の数は224人とされ、外国籍を持つ人は138人に上るとイスラエル政府は発表しています。イスラエルはこれを「イスラエル版9・11」と位置づけ、ハマス殲滅へと乗り出しました。

 

しかし、ガザ北部の民間人の住宅地に潜むハマスを滅ぼすのは簡単ではありません。これまでと同様、ハマスは人質を含め民間人を盾に取る戦略をとるからです。パレスチナ側の死傷者も増える中、一般市民の被害が増えればイスラエルの攻撃に対する非難が高まるのは必定です。一方、戦力で劣るハマスは、民間人を退避させないことで、イスラエルの国際的な支持の低下を狙って「世論戦」を仕掛けています。

 

また米国防総省は24日、17日~24日にシリアとイラクにある基地が無人機やロケット弾などで、計13回攻撃を受け、イラクで4人、シリアで20人の米兵らが負傷したと発表しました。イスラエルを支持するアメリカを標的とする攻撃は急増しています。

 

アメリカはイランが後ろ盾になり、攻撃をしかけるよう促しているケースもあると分析しています。

 

こうした状況の中、アントニー・ブリンケン米国務長官は24日、国連で「アメリカを含む当局者を標的にすれば、迅速に断固として国民を守る」と訴え、バイデン米大統領も25日夜、「イランが行動を続けるなら我々は反撃する」と警告。

 

その翌日の26日、アメリカはシリアにあるイラン革命防衛隊(IRGC)や他の武装組織の2つの拠点を空爆しています。

 

アメリカは、イスラエルとハマスの衝突がエスカレートするのを防ぐために、中東地域に空母打撃群2隻を派遣し、イランやヒズボラが参戦しないようけん制し、抑止力を高めていましたが、十分な効果を上げていませんでした。アメリカ・イスラエルとイラン・イスラム武装組織との対立構造が鮮明になりつつあります。

 

 

奇襲にイランの関与はあったのか

世界が固唾を飲んで見守っているのが、奇襲作戦にイランの関与があったか否かです(*1)。その場合、イスラエルは、「イラン指導部を攻撃する」と明言しているからです。

 

核大国イスラエルがイランを攻撃した場合、新約聖書で予言される「ハルマゲドン(世界最終戦争)」が起きるかもしれません。これは容易ならざることで、仮に万一、人口8千万を擁する大国イランが崩壊することになれば、周辺国に及ぶ影響はイラクの比ではありません。

 

では、最終戦争を人類はどう防ぐべきなのでしょうか。

(*1)アメリカやイラン政府は公式には否定しているものの、米ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、計画や兵士のトレーニングの段階での関与を報じている。

 

 

主なる神が説く慈悲

そもそもイスラエルは核武装の野心をもつイランに対し、「一発の核も持たせない」という安全保障戦略を有します。

 

従って、今回の奇襲がなくとも、イランが核武装すれば、イスラエルが先制攻撃をする可能性がありました。

 

これについて大川隆法・幸福の科学総裁は、次のように警鐘を鳴らしていました。

 

イランも核兵器をつくるのを、急ぐのをやめてください。つくったら、イラクと同じ運命が待っています。イスラエルとイランが核兵器持ったら、生き残るのはイスラエルです。イランはなくなります。だから、私の言葉を聴いて、踏みとどまってください。西洋化してください。民主化を入れてください。それが生き延びる道です!

 

イスラム教の原理主義は変えるべきだと思っています! 変えなかったら、あなたがたは間違った道を転がり落ちていくことになると思う。(アフリカのイスラム教国は)貧しい国ばっかりです。共産主義に似た政体が広がっています。しかし、本当の神は、みなさんがたの自力によって、豊かさを導く道を説いています!」(*2)

 

大川隆法・幸福の科学総裁は、2010年の時点で、イスラム教国の政治体制について「『自由と民主主義』の国側から見ると、共産主義の専制政治も、イスラムの宗教型政治、一神教の政治も、全体主義的なものに見えている点は同じ」(*3)と説き、全体主義的であるという点で、共産主義との共通性まで指摘していました。

 

イスラエルがガザやヨルダン川西岸のパレスチナ人を虐げ、自国内のアラブ人を二級市民に貶める、選民主義的な民主主義を軌道修正しなければならないのは当然です。特に近年ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区で、イスラエルの「過激な入植者」がパレスチナ人を攻撃し、暴行・収奪を働いていることについては、バイデン大統領も非難しています。またネタニヤフ首相が現連立政権内の超強硬派に引きずられて、イランに対し極端な行動に出てはならないということは、言うまでもありません。

 

一方イランでは、ヒジャブ(*4)の着用が不適切だという理由で、女性を拷問死させています。自由を求める女性たちの切なる願いは、抑圧されたままなのです。大川総裁は「宗教を信じていても、国を滅ぼす人たちはいるので、やはり、一人ひとりの値打ちが高まる方向に、舵を取らなければいけないということですよ」と説いています(*2)。

 

現代のアッラーの慈悲には、一人ひとりを神の子として尊重することが含まれているのです。3つの兄弟宗教を導いてきた「主なる神」の声に耳を傾けられるかどうか。ここに人類の存続の鍵があります。

(*2)2021年12月14日のエル・カンターレ祭法話「地球を包む愛」
(*3)『大川隆法政治講演集2010 第7巻「維新の心」を持て』
(*4)頭髪を隠すヘッドスカーフのこと。