《本記事のポイント》

  • 習近平氏は「全世界を管理するには中国の人口は40億人必要」と発言
  • 「習氏は『共産党宣言』と毛沢東の亡霊の呪いに支配されている」
  • 「習氏は酒飲みだが、権力には影響しない」

 

 

中国の北京大学元教授で、中国民主化を目指して活動する「中国亡命知識人」の袁紅冰(えん・こうひょう)氏が7月22日に東京・赤坂の幸福実現党本部を訪れ、中国民主化への戦いについて語った。

 

袁紅冰教授は1952年生まれ。北京大学で教鞭をとりながら中国共産党内部からの民主化を目指していた。1988年頃には習近平国家主席と直接交流しており、中国共産党内部にも多数の人脈を持つ。1989年の天安門事件前、民主化を求める学生を支援するために北京大学教師後援会を結成するも、北京大学から追放され、2004年にオーストラリアへ亡命。その後も、中国共産党批判の著作、評論活動を行っており、日本では『暴かれた中国の極秘戦略』(まどか出版)を発刊している。

 

袁氏が「相手を絞め殺す寸前まで習氏が激怒した話題」「習近平健康不安説をどう見るか」「相次ぐ『習近平失脚説』、その真相」などについて語ったインタビューの模様は、「幸福実現党言論チャンネル」にて随時公開される。本欄では、インタビューの一部を紹介する。

 

◎幸福実現党言論チャンネル

https://hr-party.jp/movie/genron-channel/

 

◎トランプの対中政策が中国民主化のチャンスをつくる。天安門弾圧を目撃した亡命知識人が語る。(ゲスト:元北京大学教授 袁紅氷氏)対談(1)【言論チャンネル】

https://youtu.be/_HYfsvXmeoU?si=riyYkYBTeonbmR8l

 

◎亡命知識人が明かす習近平との驚きのエピソード。若き日の習近平に見た世界皇帝への片鱗。(ゲスト:元北京大学教授 袁紅氷氏)対談(2)【言論チャンネル】

https://youtu.be/2Au8dcbf_y8?si=N2O6gGnaq_to5mrn

 

◎習近平失脚は本当か。相次ぐ習派幹部解任。健康不安説。集団指導体制復活!? (ゲスト:元北京大学教授 袁紅氷氏)対談(3)【言論チャンネル】

https://youtu.be/mqL_OCkYEJI?si=OCXrvQLDL0cA__UR

 

 

◆ ◆ ◆

 

習近平氏は「全世界を管理するには40億人必要」と語っていた

 

──当時の習近平国家主席とのエピソードについて伺います。習氏が「中国の人口が足りない」と話していたとのことですが。

 

袁紅冰教授(以下、袁): 私は1988年、習近平と8カ月間友人で、北京大学の南西門の外にある長征食堂でお酒を飲んでいました。当時の知識人の間では、中国経済についての共通理解のようなものがあって、中国経済が発展できない重要な理由の一つは、「人口が多すぎること」にあるというものでした。私もそう考えていたので、習近平と飲みながら、「人口が多すぎる上に、人口の質が低い」と話していました。

 

すると、習近平はすぐに私が間違っていると言いました。彼は、中国の人口は多すぎるのではなく、少なすぎる、と言うのです。「全世界を管理するためには中国の人口が40億まで増える必要がある」と述べていました。

 

彼がこう言った時、私は「習近平の政治的魂は、毛沢東の亡霊に呪われているのだ」と気づいたのです。彼にとって、共産主義・全体主義を世界に拡大することは基本的な政治目標の一つです。『共産党宣言』の最後は「世界征服」であり、中国共産党は全世界を所有したいのです。

 

習近平の人生を支配しているのは、理性ではなく、『共産党宣言』と「毛沢東の亡霊の呪い」です。全世界を支配しようとする、邪悪な感情知能であることを知らなければなりません。

 

──毛沢東と習近平は「近い」というか、「大義のために、国民がいくら死んでもいい」という考え方を持っているのでしょうか。

 

袁: 1957年、毛沢東は世界に衝撃を与える本音を語りました。当時、各国の共産党指導者が出席する「共産主義インターナショナル」の会議で、毛沢東はソ連がアメリカと核戦争を戦うべきだという要望を述べました。

 

毛沢東は、中国は200個師団以上を派遣する用意があり、ソ連は核兵器を使うべきだと述べたのです。そして、「たとえ中国が人口の半分を失ったとしても、共産主義で世界を支配できれば、それだけの価値はある」と語りました。

 

毛沢東の発言に、世界の共産主義指導者たちは非常に衝撃を受けたのです。私もどうしたらそんな考えが生まれるのか分かりませんでした。

 

その後、中国人民解放軍国防大学の朱成虎(しゅ・せいこ)教授が、「台湾侵攻を行うためには中国は米国との核戦争も躊躇しないだろう」と発言したことは周知の事実です。朱氏は、「米国が台湾海峡情勢に介入した場合、われわれは西安以東のすべての都市を犠牲にする用意がある。米国も500の都市の破壊を覚悟すべきだ」と述べました。この発言は、国際メディアが広く報道しました。このような核兵器についての考えは、実は中国共産党の軍事思想に深く根付いています。

 

 

「習近平健康不安説」をどう見るか?

 

──習氏は7月6日にブラジルで行われたBRICSサミットを欠席しました。欠席は初めてということで、本来、対米のために、BRICSの一体化を図るために貴重な機会なのになぜだという指摘もあります。もう一つは、2024年8月、ベトナム書記長と対談した時の写真で、習氏の首筋が刈り上げられているように見えたために、「脳卒中の手術の後なのではないか」とも指摘されています。こうした「健康不安説」についてどう見ていますか。

 

袁: 習近平氏は、健康状態に問題を抱えているに違いありません。私たちが1988年に飲み友達だった当時、彼は私に会いに来るたびに茅台酒(*)を2本持ってきてくれました。茅台酒は1瓶500mlでした。私たちはそれぞれボトルを持って、お互いに飲ませることなく、自分のグラスに注いだのです。それで私たちは一人1本ずつ飲みました。

(*)中国の高級酒で「国酒」と言われる。