かえるネット木津川南

大阪市南西部で活動する日本共産党の青年後援会のブログです。

【緊急事態条項①~その本質は何か~】

2016-01-25 22:48:09 | 政治
【緊急事態条項①~その本質は何か~】
憲法を変えることを目指す安倍政権が、そのための口実として持ちだしてきた「緊急事態条項」。

その中身は、簡単に言うと「緊急事態」を口実に国民の基本的人権をはじめとした権利を制限できるようする、というものです。

自民党の改憲案から見ると、首相が「緊急事態」を宣言すれば、内閣が国会をすっ飛ばし、法律と同一の効力を有する政令を制定することができる」とか、首相が「地方自治体の長に対して必要な指示をできるように規定しています。

私たち国民に対しても「何人も(中略)国その他公の機関の指示に従わなければならない」と広い範囲での私権の制限を打ち出しており、議会制民主主義も国民の権利も壊してしまう危険な内容です。

この緊急事態条項の本質について、1月22日付のしんぶん赤旗で関西大学教授(憲法学)の村田尚紀さんが解説されていますので、ご紹介したいと思います。

村田教授はまず、緊急事態条項の本質について強調します。

国家が緊急事態を宣言するような「国会緊急権」は、歴史のある古い言葉ですが、その言葉が示す「緊急事態」とは、自然災害や戦争、あるいは経済恐慌まで含む、幅広く紛らわしい概念。それを利用して、憲法の効力を一部ないし全部停止することができる点に「国家緊急権」の本質があります。

「緊急」という言葉によって、「通常とは違った対応が必要」というところに認識が誘導されてしまいますが、安倍政権の緊急事態条項は本質的に「憲法停止」条項です。

安倍首相は「緊急事態条項」の必要性を強調しながら、何が問題で、どう憲法を変える必要があるのかという最低限の説明責任も果たしていません。

首相は大規模災害に対応できないことを「緊急事態条項」の理由にします。自民党ホームページにも東日本大震災のときの政府対応の反省を踏まえて「緊急事態条項」が必要だといいます。

しかし、東日本大震災を教訓にするなら、大規模地震をはじめ災害対策が不十分だったことが問題であり、最大の問題は、あの規模の地震を「想定外」として原発事故対策をないがしろにしたことです。

東日本大震災を理由に、「緊急事態条項」がないことを問題にするなら、本来やるべき課題を隠ぺいする悪質な偽装工作と、震災に便乗し、被災者を踏み台にして改憲をやろうという「恥ずべき謀略」だと、村田教授は言います。

そもそも住民の避難計画すらそっちのけで原発再稼働に走る首相に、本気で災害対策をやろうなどということを考えているなんて、到底思えることではありません。


わたなべ結・大阪府青年学生委員会責任者