米兵の性暴力 急増
米国防総省報告 11年度3000件超す
防衛相が“たまたま”と発言したが…
16日未明、沖縄県で発生した米兵による集団女性暴行事件。森本敏防衛相は「たまたま外から来た米兵が事件を起こした」(17日)との認識を示しました。
しかし、実態は米軍内で性暴力がまん延しており、米4軍を統括する統合参謀本部が「性暴力との戦闘」を宣言せざるをえないほどの状況に陥っています。
米国防総省の「米軍の性暴力に関する年次報告」(2011会計年度版)によれば、同年度内に申告された性暴力は3192件。過去10年間で最悪だった09年度の3271件に匹敵します。
しかも、同報告書は未申告の事件も含めれば約1万9000件と見積もっており、1日平均で52件に達します。
統計を見る限り、01年の「対テロ」先制攻撃戦争開始が基点となって増えています(グラフ㊤)。大義なき戦争により、兵士の人間性がむしばまれていることがうかがえます。
沖縄・岩国 高発生率
深刻なのは、在日米軍基地での性暴力発生率がきわめて高いことです。
米海軍省が今年6月に公表した報告書によれば、11会計年度に沖縄の海兵隊基地群で発生した事件は67件(申告件数)。これは米本土の二つの主要海兵隊基地(キャンプ・ペンドルトン=64件、キャンプ・レジューン=70件)と並びますが、兵士の駐留規模に対する発生率は2倍以上です。岩国基地(山口県)での発生率も沖縄に次ぎます。(グラフ㊦)
基地内での被害者の大多数は女性兵士ですが、軍属や「外国人」も含まれています。沖縄の米軍基地には多くの日本従業員が勤務し、基地内の大学に通う日本人学生も少なくありません。
基地内にまん延する性暴力の嵐は、基地外の一般住民を必然的に襲います。米兵による性的暴行は決して「たまたま」ではなく、他国への侵略を任務とする部隊が日本にいる限り、必然的に起こることを示しています。
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