森の中の一本の木

想いを過去に飛ばしながら、今を見つめて明日を探しています。とりあえず今日はスマイル
  

相棒season12最終回「プロテクト」

2014-03-22 00:30:27 | ドラマ(相棒)

※ 京都のお出掛け日記は、まだ途中ですが、「相棒」が最終回でしたので、先にそちらの感想を書きたいと思います〈それも遅れてしまいましたが〉

 

甲斐亨が相棒になってからのシリーズでは、裏テーマに父と子の確執があると思うのです。なんでそこまで嫌い合うのか、ちらほらは描かれても、あまり深くは描かれては来なかったと思います。今回はさらりとではありますが、そこの部分も描かれていたように思います。とは言っても特殊なものではなく、ありがちなエリート家族のソレではあったのですが。

一瞬、何かと混乱してしまいました。あれっ、何か聞いたような話じゃ・・・・・。

そうそう。「隠蔽捜査」でした。

東大以外は大学にあらず。または落ちこぼれ。そう思ってしまう父ちゃんって、子供にとっては本当に迷惑な存在だと思うのだけれど、そればかりじゃなくて、ほとんどすべてに近い人がその落ちこぼれにあてはまるわけですよ。なぜなら東大なんてほんの限られた人しか行けないわけですから。そういう発想の人は他の人を見下しやすく傲慢な人が多いと推理しちゃう。いやいや、人の子供や他人のことではなく、自分の子供のことですよと言うならなおさらです。自分のエリア内さえ良ければいいという、どんなに装っていてもエゴ的な人なんだと思いますよ。

いや、あんた、これドラマの話やで、リアルな話しちゃうのにムキになっておらん?

って、突っ込まれちゃいそう。しかも関西弁。あっ、間違えていたら教えてね、関西弁。

だけど頭の良い馬と鹿さんたちが持てる能力をせっせと自分の利益を守る事だけに終始して、その人たちから見ればその他大勢の落ちこぼれの私達の明日を不安の底に突き落としているのは、現実にはあることだと思います。

まあ、しかしカイトパパさんはリアルだったらそうとう嫌なやつだと思うのだけれど、なんたって石坂さんなもんだから、カイトが言うところの「あの人」説明だけじゃ、その嫌な部分が伝わってこないのよね。

アッそうそう、思い出したから書くのだけれど、東大卒のお父さんの教育干渉は普通のお父さんたちよりはやっぱりあって、その子供はビクビクしてたと言うのは経験としてはありました。

 

父と息子の物語。

色んな意味で切ないような気持ちになりました。

子どもたちをみな愛してるー

だけれど同じようには愛せなかったー

 

深いテーマなんですよね。

「エデンの東」という映画を若い時に見て、号泣したことがありますよ。

私の家も姉妹の数が多かったから、愛に飢えた感覚が分かってしまうのです。

その飢えた部分を埋めていくのは自分で家族を持ってみたり、そして乗り越える力を持てるだけ齢を重ねたからだと思います。

 

今だから子供の気持ちも分かるけれど、親の気持ちもわかるのです。

 

だからちょっと泣けたなあ。

今回の「相棒」、最終回にふさわしく中村嘉葎雄という名優をゲストに迎え、その親の気持ちを訴えてきましたよね。

「僕はね」と彼が言うと、凄く切なくなりました。

子供の前では、どんな悪党でもみなただの親。

 

そして愛に飢えていた子供、長男の真一は、父親の喜ぶことをやろうともがいていました。父親を裏切った弟、智三を必ず見つけ出して殺すことが、すなわち父の喜ぶことだと思い込んでいたのです。だけど父親の御影康次郎が、もうあいつは死んだと認めても彼は認めなかったのです。

「あいつは絶対に死んでいない。俺には分かる。」

この時、右京さんはちょっと微妙な顔をしました。

それで私は、官房長の裏の裏を感じました。なるほどと。

 

このシーン、真一役の阿部進之介さんの見せ場だったのか、狂ったようなまなざしが印象深かったです。

例えば父親が「もうそんなことは望んでいないのだ。アイツを殺しても僕は嬉しくないよ。」と言ってあげたとしても、きっと真一は受け入れなかったのかもしれません。

・・・・・愛がどこに流れていたのか、彼は知っていたから。

そして自分が欲しくて欲しくて仕方がなかったものを与えられてきたくせに、その弟が裏切ったことがどうしても許せなかった。

いや本当はずっと彼の存在が許せなかったんだ、きっと―。

―おやじが死刑になる前に必ずあいつを見つけ出し殺す。お父ちゃんに喜んでもらうんだ。―

その執着は、まるで狂った人のよう。

だけどあれは偽りのまなざしだ。自分でも気がついていないんだ。潜在意識の中にある父への復讐を・・・・

って、深読みし過ぎか。

 

だけど最終回にふさわしいってさっきも書いたけれど、本当に面白かったです。

その面白さの支柱をなしたのは、小野田公顕という名前と瀬戸内米蔵の存在だったと思いました。やっぱりこの人達「相棒」には欠かせない人たちよね。

タイトルは「官房長の遺産」とかでも良かったくらい。

ちなみに小野田公顕は「コウケン」だとずっと思っていたけれど、「キミアキ」だったのですね。いとこの方の「きみちゃん」と呼ぶのが可愛かったです。

日本にはない証人保護プログラムのように個人情報を書き換えたきみちゃんは、いつか尋ねて来る者がいることを想定し、フェイクの名前を用意しそしてそのものを死んだことにして墓まで用意するという徹底的なものでした。

だけれど右京は命を狙われる不安はこの先も例えば死ぬまで続くだろうと言ったのは印象的でした。

それでも智三の幸せな暮らしぶりが映されたのは、ホッと出来るシーンでもありました。

だけどやっぱりきみちゃんがあれだけ徹底的に証人を守っても、やはり私は右京さんの言う事に共鳴してしまうのです。

 

個人情報を書き換えて、海外にでも出さねければ狭い日本、どこでバッタリ会ってしまうかわからないと思うのです。

少なくても日本のサスペンス、推理劇ではまったく偶然にも会いたくなかった人に会ってしまう事から物事がスタートしてしまっているのではないでしょうか。

小野田さんの正義と右京さんの正義とは時にぶつかり合っていました。

ちょっと「相棒」のツイッターツイートから右京さんのセリフを引用させていただきます。

「<杉下右京の正義> 仮にも権力者たる者が私情によって法律を蔑ろにすることに、僕はいかなる事態であっても賛同することはできません。たとえそれがどんなに美しく気高い私情であってもです」

「<杉下右京の悲哀> 「叶うのであれば直接聞いてみたいですね、官房長がなんておっしゃるのか…どう反論するのか…もはや望むべくもないことですがね」

 この時右京さんが泣きそうな顔だったことが心に残り、ここも私の涙ポイントでした。

 

今回の「相棒」は右京さんとカイトが密かに捜査を進めるのかと思っていたら、あっという間にみんなを巻き込んで、レギュラー大活躍で面白かったです。

米沢さんとの会話とかまた彼とカイトとの寝ぐせ対決〈勝手に対決〉や、芹沢くんのいけない刑事発言とかもツボだったと思います。

 

ああ、面白かった。

って、そう思ったらようやくしみじみと思えてきました。

来週からないんだ。

さみしー。

 

あれっ、

そう言えば・・・

ラムネはどうした!?

 

※           ※    

 

今シーズンはあまり感想をかけませんでした。

再放送時にチャレンジしようと思います。

いつも読んでくださっ他皆様、ありがとうございました。m(_ _)m

 

 

 

 

 


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