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百鬼夜行抄 22 (Nemuki+コミックス) | |
今 市子 | |
朝日新聞出版 |
百鬼夜行抄も22巻となれば、そのお付き合いもかなり長くなってまいりました。箱庭からやって来た三郎さんの鶏さんのメタモルフォーゼのような別れはあっても、「相棒」のようにはっきりとした退場は今まであまりなかったように思います。そうすると、この長き連載の間にはライトが当たる人日陰に回る人が出てくるわけで、毎回レギュラー総出演というわけには行きませんね。
今回は、少し前まで何処に行ってた感が少々していた司ちゃんが戻ってきた感じです。
そして年下ボーイフレンドの星野くんは・・・・
って、この先はネタバレになるので書きませんが^^
今回収められているのは、
「鬼の帰館」「一番背の高い木」「美貌の箪笥」「二つ穴」「忘れられた宴」「遊戯の季節」
今回はどれもホラー色が強かったように思いました。
しみじみジーンという物語がなかったのが、少々残念な所です。
とは言っても、実はなかなか奥が深い。
今の世の中、大学を出ても昔のようなレールの上を走れない人も多数いて、開さんの生きる道の周囲のアレヤコレヤは決して遠い世界の他人ごとには思えません。
「人を呪わば穴二つ。」
どうしても人はその二つの穴を掘らないわけにはいかない・・・・・。
そんな事をいろいろ考えさせられたりもしました。
ああ、そう言えば、一番とは言いませんがかなり共鳴したのはおまけの「夜行するガーデニング」です。
私もこぼれた花の種に感動したり、雑草を何の花になるかと楽しみに育てたり、今先生と同じことやっているんだなと笑えました。
ところでこれも毎回言っていることなのですが、今回も言います。言わないと、心の中がスッキリとしません。
この作品は映像にしたら生きてくるんじゃないかな~、って。
なぜなら作者の今さんの脳内もそれの構成でコマ割りが出来ていってるような気がするからです。
だから毎回分かり辛い。
数ページの逆戻し、やっているのは私だけではないはずです。
そのシーンは、映像なら
「ああ、そうか。そうだったのか。」というようなシーン。だけど漫画だと。
「あー、なんだってー?あー、なる~。」とまた読み返して、そうなるわけ。
でももうそれには慣れてしまったというのが本音です。
そうすると、映像希望という願望が残るのです。だけど作り方によっては陳腐になる可能性もあるわけで、もしも願いが叶って映画とかになる場合は気を使ってお金も使って作ってもらいたいと思います。
ついでですので、私の妄想的キャスト。
お付き合いが長いので、ずっと昔に律にと思っていた人は三十路になってしまいました。
って書いたら誰のことかわかりますよね。
昔はネ、律は藤原竜也で赤目が玉木宏。
でも今は赤目が藤原くんかな。律は・・・えーと、神木くんとか・・。
というわけで22の感想はとんでもない所に着地しました。
雨も強くなってきました。。。。。。。