・「お馬さん日和 その1」の続きです。
初めての競馬場体験のお話です。
「競馬体験」と言わないのは、昔、2・3回は友人に頼んで馬券なんかを買ったことがありますよ。
名前だけで決めて、まったくかすりもしませんでした。結婚する前のことです。
あまりギャンブルの才能は無いんです。今回も、それを身に染みて実感しました。
私は締まった馬の姿と、その馬たちが目の前を走っていくのが見たかったと言うのが今回の一番の理由です。
それでもやっぱり、競馬新聞を買うくらいですから、馬券を買う楽しみも少しはあったのです。
だけどその前にですね、凄く納得したことがあったので、そこから書きますね。
11レースの「スプリンターズステークス(GI)」は午後3時40分くらいからなんですよ。
第1レースは10時5分くらいから。
座席券の抽選に外れて、入場券のみを買った私たち。
そんなに早く行けないよと言ったら9時過ぎの入場チケットになりました。私のイメージでは最初の方のレースは捨てて10時くらいにのろのろと行けばいいのかななんて思っていたのですが、どうもその場所での楽しみ方のイメージが分かりません。それで妹の名都さんに任せることにしました。
それで8時半の待ち合わせになりました。
久しぶりの早起きです。6時半に目覚ましをかけて7時半に家を出ました。
なんか丸一日なのね。
そんなに長くて気持ちはモツの・・・・なんて思ってしまったのですが、そこは全く関係はなく、一日は楽しくあっという間に過ぎてしまいました。
確かに第1レースから楽しもうとなったら、その時間で行くのは正解ですが、8時とか8時半とかの入場でチケットを買うことの意味が、また別にもあるのだと、私は悟りました。要するに場所の確保です。
座席券がゲットできなかった場合、みな競馬場の中のベンチを確保するのですね。
9時入場でその事をまったく知らなかった私たちに、空いている席など見つけられるわけもなくがっかりしました。
でも外のレース場に行ってみると、芝生のいい場所を確保することが出来たのです。
この日のお天気は、
まったく暑くなかったのです。風も気持ちが良くて、ベンチは確保できなくても何も問題はなかったのです。
「なんてラッキーなんでしょう。」と私と名都さんは語り合いました。
だって涼しくなったのは、この2,3日前からだったし、27日の日はまた凄く蒸し暑く汗がダラダラと流れました。
素晴らしいお馬さん日和だったのです。
と言うわけで、また馬券の話に戻ります。
遠い昔、名前だけで馬券を頼んでかすりもしなかった私に、会社で隣に座って居た女性が、「私は馬の何々を見る。」と言ったのです。
彼女の言った「何々」って何だっけなぁと思いながら、お馬さんを見たら何かが分かるのかと、もう先に馬券は買ってしまったのですが、パドックにお馬さんたちを見に行きました。
やや、なんかやたらはしゃいでる馬がいるぞ。
なんかスキップしているじゃん。きっとああいうのはダメなんじゃないかな。
あら、あのお馬さん、やたらしょげている。
あのお馬さんもダメなんじゃないかしら。あのお馬さん、買っちゃったのよね。先に見に来ていたら、買わなかったかも・・・・なーんて事を思っていたのですが、トンデモナイ事でしたよ。
はしゃいでいた馬が3位だったと思います。そしてしょげていたように見えたシホリーンは1位だったのですよね、たしか。
きっとはしゃいでいて、まるでスキップしていたように見えたお馬ちゃんは、気持ちが高揚していたのですね。
そしてしょんぼりしていたように見えたお馬ちゃんは、「やったろう」と言う気持ちゆえに緊張していたのかも知れませんね。
と言うわけで、お馬さんたちを目の前で見ても全く分からない私なのでした。
3連複って、けっこう難しいなと思いました。2頭までは当たったりしますが、あと1頭がね。で、配当に拘っていないので、単勝で買ってみると言うのはどうかしらと思いましたが、申し込みチケット(?)の書き方が分かりません。それで近くにいるおじさまに聞いてみました。
その方は丁寧に教えてくださって、そして11レースの予想も教えてくれました。
ボックスで買う方法も教えてもらい
「これを買えば概ね間違いがない。」とおっしゃったので、その予想に乗ることにしました。
帰り道、私と名都さんは、「あの人、私たちに教えちゃって、ちょっとまずかったかなくらいなことを思ったかもね。」と言い合いました。
もちろん私たちは、外れたって何も思ってません。むしろ親切にして頂けて、その触れ合いが嬉しかったです。
その時、第4レースの馬券を単勝で3頭選んだ私。
すこぶる手堅いものを選んだので、1頭くらい来るのではないかと思いました。が、それも甘かったのです。
私の目の前をゼッケン12のダンツティアラがトップで駆け抜けていきました。
「そのままイケー!!」と言う応援の声が飛び交いました。
そのまま行くのだと思ってワクワクしました。
が、・・・・そうはならなかったのです。
でもまあさ、数秒、私の目の前で夢を見させてくれたのだから良いんじゃないと、私は思いました。
第7レース。
このまま箸にも棒にもひっかからないと言うのは嫌だなと、ちょっとだけ思っていました。
だって今日は、私的には競馬場見学会なのですから、このままでいったらアレを経験できないじゃん。
アレって払い戻しです。
パドックでゼッケン1のトライデントスピアってかっこいいなと思いました。それで単復で買ってみたのです。
3位でした。
アッ、これ払い戻し体験が出来るじゃんと、イソイソと払い戻しの機械を見つけ、やってみようとしたのですが、「どうやってするの、これ」状態になってしまいました。すると後ろにいたお兄さんが親切に教えてくれたのです。
そしてその人が名都さんに「勝ったのですか。」と聞いていましたが、すっごく恥ずかしかった、私。
「思ったよりいっぱい出て来たね。」と名都さんが言いました。
「うん、10円玉がね。」と私。
きっと後ろの人は、どうやったらそんな金額を出す掛け方が出来るんだろうかと、逆に謎を残したと思います。
でもこれで払い戻しの使い方も分かったし、さあこの先の不安もなくなったわと強気の私。この先、この場所には縁がなかったのですが(笑)
ここ数年でおばさん度が増した私。
見知らぬ人に話しかけるのに抵抗がなくなってきたわけですが
だから馬券の買い方から、払い戻し機の使い方も、親切に教えて戴けたのだと思います。
そしてたまたま隣に座られた気になる方ともお話が出来ました。
その方は一人で来ていた女性でした。家からだいたい私と同じ時間かかる埼玉の方でした。
レース場に来なくても馬券は時々買うとおっしゃっていました。
私は8・9・10レースは買いませんでした。2時間近く何をしていたかと言うと、ただ走ってくる馬を見ていたのです。なんか馬券を買ってしまうと、私は数字ばっかり見ているような気がしたのです。
「かっこいいな。可愛いな~ !!」と言っていたら、その人が
「そう可愛いんですよ、馬って。」と私の大きめな独り言に応えてくれました。
この日、途中で小雨がぱらつきました。
大した雨ではありませんが、ほんの少しだけ傘を差しました。
するとその方は、ちょっとかっこいい河童型のレインコートを着ていました。
出来るなお主ってな感じでしたよ。
帰る時、その人に
「またどこかで。」と言って戴けました。
「またどこかで。」と私も言って、ふと「勝ちましたか?」とにっこりしながら聞いてしまいました。
すると彼女は、とても可愛らしく指でジェスチャーをしながら「ほんのチョーっとね。」と、やはり微笑みながら言いました。
そして私は思いました。畑でも陶芸でも、そしてお馬さんのレースでも「ローマは一日にはならず」だなと。
お昼。
中山から船橋法典まで地下道で真っすぐ繋がっていました。
途中には歴代の優勝馬のパネルが飾ってあったり、絵が描かれていたりしました。
楽しい一日でした。
「お姉ちゃん、12月までに少しだけ勉強しておくね。」と、私は名都さんに言いました。
有馬記念、行けたら良いなって思っています。