見よ、あなたがたは散されて、それぞれ自分の家に帰り、わたしをひとりだけ残す時が来るであろう。
いや、すでにきている。わたしはひとりでいるのではない。父がわたしと一緒におられるのである。(ヨハネ伝一六・三二)
人類のためにつくさんと欲して、世に交際を求むるの必要は一つもない。
われらは単に独りありて人類のためにつくすことができる。
人は何人(なにびと)も人類の一部分である。
ゆえに己れにつくして人類のためにつくすことができる。
ひとり真理を発見することができる。
独り神と接することができる。
独り霊性を磨きて完全の域にむかって進むことが出来る。
われらは人類のよき標本として己れを世に提供することができる。
単独は決して無為の境遇ではない。
一日一生 内村鑑三著より