バラの住人

花弁の中の小人を探す そんな小さな日記です
もしもあなたが見つけても どうぞ秘密にして下さい(笑)

旅考

2011年12月03日 | 旅 紀行
 ひょこっと訪ねて宿泊するには余りに敷居の高い「有馬」ですが、記念のお祝い旅行でもあり、我々に似合うプランを見つけて潜入した湯浴び旅です。

山の中ほどにあるその小さなホテルにも「金泉」の湯がありました。

露天で独特の香りの湯につかりながら、何故か別れる事もなく暮らして来た夫婦を、鬼籍の母が一番喜こんでいるのではないかと、年月の重なりを、深い色を持つ湯に沈めました。

高級旅館・ホテルが多い「有馬」でこの小さな在所が生き残りを賭けて努力をされて来た事は、その提供する料理にあったのではないかと思います。

手頃な価格でありながら、見事な食膳が用意されました。

 
     
  

細工物を見るように技量が光り、季節が躍り、食材も我々のような夫婦にもはっきりと違いの分かるものが使われていました。
炙りの神戸牛の滋味、旬采の提供には、価格と良い素材との間で戦っておられる、経営者の苦闘を感じるメッセージ性がありました。

朝夕二膳の部屋食は、ゆっくりとした流れで始まり、二人と言えども毎回きっちりと宴会の挨拶をするJの言葉は、いつもより完成度が高くしんみりさせるものでした(笑)

  

一度泊まってみたかった「有馬温泉」は、こんな形で終わりましたが、深くとどまり、いまわの際にどちらかが、この日の思い出を語り出す事を楽しみにしています。

「人生は良き思い出をつくることなり」大事にして来た玉響(たまゆら)を静かに抱きしめました。


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