to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

塀の中の中学校

2011-09-08 22:57:23 | TV dorama
             初回放送 2010/10/11 21:00~23:54 (TBS系)
脚本 内館牧子
演出 清弘 誠
音楽 城之内ミサ
協力 法務省 松本少年刑務所 旭川刑務所
企画協力 巡田忠彦(TBSテレビ報道局)角谷敏夫(元桐分校教官)
出演 オダギリジョー/大滝秀治/すまけい/千原せいじ/染谷将太/角野卓造/矢崎滋/村田雄浩/森山未來/蟹江敬三/橋爪功/渡辺謙

予告を数回、目にしていたかも知れません、が、その時は実は映画なのかと思っていました。
先日再放送を録画して観る事が出来ましたが、これが想像以上に良く出来たドラマでした!
ここ数年のTBSドラマの中では(「JIN」を別にすれば)珍しくのめり込んで観れたかなりいい作品。一度で終わるドラマにするのは勿体無い作品でした。

舞台となるのは実際に「松本少年刑務所」の中にある「桐分校」
しかもテレビでは初めてその刑務所内でのロケも行われており、静かで息苦しい雰囲気がリアルです。

『桐分校は、
いろんな事情で義務教育を終えることができなかった人たちの最後の救済の場所。
犯罪の道から更生の道への架け橋だと思います。』

という元法務教官「桐分校」の担任の言葉の後、ドラマは始まります―。
長野県松本市にある「松本少年刑務所」の所内には、義務教育を終えていない受刑者のための公立中学校「松本市立旭町中学校桐分校」がある。そこに、石川順平(オダギリジョー)が赴任してきた。順平は、本当はプロの写真家になりたかったが、無謀な夢は捨てて公務員になり、少年院で5年間教鞭を取っていたが、今春になって桐分校で副担任の職に就くこととなった。

この年の4月10日「桐分校」には、北海道から沖縄まで、全国の刑務所から選ばれた生徒5人が入学する事になった。新入生といってもその年齢は様々で、最年長の佐々木昭男(大滝秀治)は76歳、ジャック原田(すまけい)は66歳、川田希望(渡辺謙)は50歳、小山田善太郎(千原せいじ)は39歳、そして最年少の龍神姫之丞(染谷将太)は22歳だ。年代の離れた5人だが、それぞれの事情によりこれまで満足に教育を受けておらず、ほとんどは読み書き計算も出来ない。

入学条件は義務教育が終了しておらず、尚且つ刑務所内での態度が良好で、学習意欲のある受刑者。
勿論厳しい選考をくぐり抜けなければならない。
入学が許されれば他の、番号で呼ばれる受刑者とは違い、みな名前で呼ばれ、労働は免除、学生服で授業を受ける生活になる。

教室の廊下には常に刑務官がいるとは言え、朝から晩まで勉強だけをしていればよいこの環境。
それがどうしてなのか?なぜそこまで税金を使ってたった5人ほどの生徒にこれだけの教官が係わるのか?
観ている私同様、主人公の副担任・石川順平もまさにそこが解っていなかったのです。

普通に日本語が喋れれば、当然ひらがなで考え、痛いといえば漢字で感じる。
こいしいと言えば、「恋しい」と脳裏に浮かんでいるはずだと、そう思う私には
この生徒たちがソレまでの人生で味わった悲しみや絶望に打ちひしがれた過去が、想像できないのです。

そして、自らが捨てきれない「夢」を封印し、親の望む上級公務員への道を進んできた
オダギリ演じる順平が、自分の現職に打ち込んでいない。というより、自分の生徒を軽んじている青年というのが最大のポイントです。

中学校とはいえ、5人の殆どが、小学校もまともに通っていない。
漢字はおろか、平仮名さえ書けず、もちろん九九も引き算も出来ない。
その彼らを、たった1年間で、公立中学卒業程度の学力を身に着けさせ、卒業式を迎えることが
どんなに生徒側にとっても、導く側にとっても根気と忍耐がいることか、
その1年を綴ったドラマです。

心がぶつかるターニングポイント
・・・そして

富める国の代名詞、ニッポンのなかで、
生活環境や或いは病気などで、義務教育の場を奪われたまま社会に出て、―
やりたいコトが出来ても資格も取れず、好きな人ができても、字が読めないとは言えない彼らがいること、
そして、そんな彼らに桐分校の1年がどんなものなのか、
順平の成長と共にこちらもアツク満たされる事になります。

生きることの意味、苦しむことの価値、学ぶことの意義
静かに教えてくれる2時間、本当によかったです

長野県「松本少年刑務所」と北海道「旭川刑務所」、この舞台「桐分校」で35年に渡り教壇に立たれた角谷敏夫元教官他、関係者の理解と協力があって作られたこのドラマ。ラストに流れる

―691人になる卒業生の再犯率がほぼゼロ―

このドラマ制作に係わった、全ての方の想いが伝わってきます。

男性ばかりのドラマですが、
副教官のオダギリジョーの衣裳を始め、ケンさん等生徒の学生服、
冬の松本の桐分校の廊下、
雪に覆われた旭川刑務所――点々と続く足跡。。。
ほぼモノクロームの世界ですが、どこか爽やかな印象が残ったのも不思議な感じです


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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おおおおおおお~~~~~ (さとっち)
2011-09-09 23:25:35
ken watanabeがぁぁぁ~~~~かっっちょイイ~~~~~~~~んですぅぅぅぅぅ

さとっちも~~~~~ああなりたいですねんんんんんん

このドラマわぁ~~~大人向けですぅぅぅ
見逃しました(><。・ (カンナ)
2011-09-11 12:02:57
このドラマ、予告だけ、見たのかな・・
なんとなく、見覚えがありますが
再放送は、見なかったです

見たかった。。

やっぱり、教育は大事なんですね。

貧しいと、病院へも行けなかったり、学校も行けない・・
小さな子供も働かなければ、食べて行けないような、国もある・・

何も楽しみもないと、心も荒んでくるし・・
悲しいですよね

難しいことは何もいらない、
ただ、普通に、子供らしい生活を送らせてあげたい。
子供には、いつも、笑顔でいてほしいし、
子供の笑顔で、大人も心が和むんじゃないかな
って、思います。

なんか、ドラマと関係ないコメントになっちゃった

幾つになっても、学ぼうとする気持ちと、それを支えてくれる人がいて、
そして、人って、変われるんだな♪って、嬉しくなりました
生まれつき悪い人なんか、いないもね

 余談ですが・・・

さとっちは、カッチョイイ~大人になれるでしょうか?・・・
さとっち* (kira)
2011-09-12 23:26:11
ケン・ワタナベみたいな
かっちょいい男になりたいかぁ~~ヽ(^д^)ノ
いい方法があるわよ~♪

まず、粉ミルクを止めて
ブラックコーヒーにするんです~
なんならお酒でも
明日からねぇ~~
カンナちゃん* (kira)
2011-09-12 23:37:22
私も偶然再放送に気がついて、
録画できて良かったです♪

このドラマの中心には、ベテラン俳優の演じる、5人の受刑者がいて、
その彼らを見守り導く教官がいるんですが、
内容としては、
義務教育も受けられなかった人がいかに社会で生きることが難しいことか。
それを教官としては未熟なオダジョーが、
彼らを理解することによって自身も壁を乗り越えていくという、
教官の成長物語でした
おそらくDVD化されているのではないでしょうか?
なんか外国の賞をとったみたいなので。
機会があったらぜひご覧下さい

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