あの夏、ぼくらは逃亡犯と友達になった――
製作年度 2012年
上映時間 130分 PG12
監督/脚本ジェフ・ニコルズ
出演 マシュー・マコノヒー/タイ・シェリダン/サム・シェパード/マイケル・シャノン/ジェイコブ・ロフランド/リース・ウィザースプーン
少年のひと夏の冒険と成長をビターに描いた青春サスペンス・ドラマ
14歳のエリス(タイ・シェリダン)はアメリカ南部、アーカンソー州の川辺のボートハウスで両親と暮らしている。彼はある日、親友ネックボーン(ジェイコブ・ロフランド)と出掛けたミシシッピ川の島でマッド(マシュー・マコノヒー)という男性と出会う。エリスは世間から隠れて暮らす彼に興味を抱くが、ネックボーンはマッドのことを快く思っていなかった。
ヒューマントラストシネマの【未体験ゾーンの映画たち 2014】
これは、海外では評価が高く話題作であるのに、日本では劇場公開されていなかった映画たちの上映企画なんですが
ようやく行けました♪
少年期の冒険が、犯罪者との出会いを生む――
ありがちなストーリーではあるけれど、
キャスト、映像でこんなにも心惹かれる作品に
舞台はアーカンソー州の、どこか文明から取り残されたような片田舎。
14歳のエリスとネックボーンは、思春期にさしかかり、子供時代に別れを告げようとしていた。
2人で出かける秘密の冒険の島。
そこでマッドに出会い、次第に心惹かれていく、少しオトナな夏。
家庭が崩壊していくことに危機を感じていて、「永遠に変わらない愛」を信じたいエリス。
そんな彼の傍にはいつも、
両親はいないけど、若い叔父に育ててもらっているちょっとクールなネックボーンがいて、
エリスが暴走しようとするとブレーキをかける。
序盤に2人がボートで、支流からミシシッピ川に合流する時の映像が素晴らしい!
今まさに、大海に小舟で漕ぎ出そうとする少年たちを後ろから見守る時、
そのシルエットにワクワクとドキドキとともに、子供時代への別れも感じながら物語は始まる。
大人の世界に手をかけた少年たちと、オトナになりきれない一途なマッド。
3人の夏は、信じるに足る本当の愛にたどり着けるのか・・?
ガラクタと泥にまみれた川――壊されても文句を言えない家―…。
決して明るくない未来を感じさせながら、
乾いて埃っぽい黄昏の町をバイクで走る少年たちと、
ただ一つの事にしか目がいかなかった男の人生が交差して…―
壊れゆく両親の愛に、成す術もなく心を痛めるエリスに
大人の掛けるセリフが、シンプルで無駄がなくていいし、
愛と挫折と、自立を描いた、ちょっと懐かしい思春期のあの時代を思い起こさせる作品で、
爽やかさとともに、うっすら口に残るほろ苦さもあり、
キャストも映像もヨカッタ拾い物の1本