to Heart

~その時がくるまでのひとりごと

平清盛 第14回

2012-04-09 21:37:45 | TV dorama

脚本 藤本有紀
演出 柴田岳志
制作統括 磯智明
音楽 吉松隆
語り 岡田将生
出演 松山ケンイチ/深田恭子/玉木宏/豊原功補/三上博史/山本耕史/大東駿介/森田剛/田中麗奈/武井咲/國村隼/小日向文世/和久井映見/松雪泰子/上川隆也/中村梅雀/中井貴一
第14回 「家盛決起」 13.7%
検非違使庁から戻った清盛(松山ケンイチ)を待っていたのは、弟・家盛(大東駿介)の反逆ののろしだった。“祇園事件で世を騒がせた清盛を嫡男とは認めない”と家盛は決起する。そのことに目をつけたのは、藤原頼長(山本耕史)。家盛に接近し籠絡することで、平氏の武力と財力を我が物にしようとする。策略とは知らず、家盛は頼長の思うがままになってしまう。

家盛決起というよりは、今回は、嵐の予感の平氏一門と、
それを呼び込んだ宗子・家盛母子の掛け違った愛情に苦悩する姿、
離れていく弟に不安と寂しさを募らせる清盛と、そんな夫を理解し支える時子の夫婦の絆を描いた回でした。

1147年の祇園乱闘事件による忠盛との検非違使庁の蟄居生活から開放されて屋敷に戻った清盛が、後の宗盛を産んだ時子を労っているところに、
母・宗子の心痛を察した家盛が現れ、これよりは自分が平氏の跡継ぎになると宣言する。
そして今でも清盛に呪詛をしている僧侶たちに配慮して、賀茂の祭りで舞を奉じるという役も家盛にとの朝廷の命に、くさる清盛。
そして家盛の舞のさ中、藤原忠実は息子・頼長が男色の気があるのを知ってか(苦笑)
家盛は忠盛と正妻・宗子の子であるのに清盛におくれをとっているとささやく。
頼長、良い事聞いちゃった~とばかりに、早速家盛を招く。
この頼長の招待を、平氏一門は名誉だと喜び、次第に清盛は表舞台から外されていく―。

一方、藤原摂関家に忠義を尽くす父・為義と、由良姫ともぶつかって面白くない義朝は、町で偶然出会った清盛と酒を酌み交わし、頼長って厭なヤツだよねーと意見が一致したところで、
酒を売りにきた粗末な身なりの、後に義経を産む常盤と出会う。
ここの展開も巧いですよね、、義朝は由良を少し煙たいと思い始めていた直後の出会いですもん。


一方で家盛は、清盛はダメな奴、「そなたこそ平氏の棟りょうにふさわしい」と頼長の褒め言葉に
素直に疑うことを知らずに育った好青年、家盛は身も心も許してその気になるのです。

その甲斐あって翌1148年に家盛は従四位下右馬頭(じゅしいのげうまのかみ)に昇進。
清盛はまだ蟄居同然の生活で沈んだ日々を過ごす中、世継ぎの座などに拘なと、
そもそもそんな小さな了見では棟梁の器ではないと時子は突き放すのですが・・・


更に翌1149年鳥羽院の熊野詣の警護を任された平氏一門が集まる席で、家盛は自分を平家の跡継ぎにすると明言してくれと忠盛に詰め寄り、
その場で口を開かない忠盛に、清盛は父の内心の揺れを感じ取り、自ら降りると宣言してしまう。

逃げるように帰った清盛に、見込み違いだったなどという時忠の無礼な言葉が追い討ちをかけるが
一度わが殿と決めたものを、そう易々と変えられるとお思いにござりますか。
どれだけ落ちぶれようと、あなた様こそが、吾が光る君。それは生涯変わることはござりませぬ!

一門の中で孤独な長い日を送る清盛にとって、時子の言葉がどれだけ救いになったか。
思わずジンと胸が熱くなる夫婦のシーンでした

片や頼長に、御しやすいから家盛に棟梁となるべく推した、狙いは平氏の財力を藤原摂関家が握ることだったと知らされた哀れな子、家盛は
ホントは世継ぎなんかどうでも良かった。「ただ母上の笑うお顔を、、位を授かった、跡継ぎになったとお伝えした時、ただ当たり前の母として、喜んでいただきたかった」と宗子に告げて
熊野詣に向けて旅立ちます…

清盛兄弟が幼き日に起こった木登りからの家盛転落…その場で思わず清盛を恫喝した宗子―。
その後ろめたさが、時を経て吾が子家盛の道に翳をさすことになっていようとは、でもまだ宗子は不安を覚えていたに過ぎないのだけれど。。。
             
                                    
一門の為に頑張ったつもりでいた家盛が、実は平氏を危険に曝していたと知り、
熊野詣の帰途見かけた兄弟の姿に、ただ仲の良い兄弟として遊んだ木登りの日を思い出している頃、
清盛もまた無邪気に木登りをする清太たちを見ながら思い出しているのですね・・・

直情的ではあるけれど、世の為になる武士としての在り方を目指す清盛は誰にも懐柔しにくく―、
一門の前で、実の子が世継ぎをしたいと言った時に、嫡男は清盛と決めていた心の軸がぶれたという忠盛パパの父親としての一面。
母の為、兄を裏切り平氏の為にという初めての欲を頼長に付け込まれた家盛は深く傷つき、
そのまま落馬してしまい…―、
去り際の家盛の哀しい訴えが、宗子の胸に癒えぬ後悔を刻むのでしょうねぇ、、、

さあ、これで来週の「嵐の中の一門」の布石は全て整いました!
来週は家盛急死の波紋が大きな嵐となって平家に吹き荒れそうです。
久々に崇徳帝・井浦新さんも登場し、近衛帝をめぐる朝廷の展開も描かれるようですね、
楽しみです