「ゲンパツ」のことを理解するのにとてもよい入門書だと思います。
原発がその危険性を押し隠しながら推進される理由も理解できます。
1969年に外交政策企画委員会(外務省)が作成した内部資料「わが国の外交政策大綱」には次のように書かれているそうです。(110頁)
「核兵器については、NPT(核拡散防止条約)に参加すると否とにかかわらず、当面核兵器は保持しない政策はとるが、核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャル(能力)は常に保持するとともに、これに対する掣肘を受けないように配慮する。」
また外務省幹部の談話として
「個人としての見解だが、日本の外交力の裏付けとして、核武装の選択の可能性を捨ててしまわない方がいい。保有能力は持つが、当面、政策としてもたないという形で行く。そのためにも、プルトニウムの蓄積と、ミサイルに転用できるロケットの技術は開発しておかなければならない」
そういえばロケット基地も人里離れた種子島にありますもんね。ロケット技術と原発によるプルトニウムの蓄積がセットになっているというのは驚きでした。
また
6章「歪められた二酸化炭素地球温暖化説」と8章「温暖化と二酸化炭素の因果関係」も昨今の「エコブーム」(それ自体は悪いとは思いませんが)を歪めたものにしていると理解することができます。
そして
9章「原子力からは簡単に足を洗える」を読めば、どうして「足を洗えない」のか(電力会社は金のかかる原発に嫌気がさしているにもかかわらず巨大化した原子力産業(三菱・日立・東芝)がどうにも「止まれなくなってしまっている」)もすっきり理解できます。
その他の章は以下のとおり
1章 被爆の影響と恐ろしさ
2章 核の本質は環境破壊と生命の危険
3章 原子力とプルトニウムにかけた夢
4章 日本が進める核開発
5章 原子力発電自体の危険さ
7章 死の灰を生み続ける原発は最悪
10章 核を巡る不公正な世界
11章 再処理工場が抱える膨大な危険
12章 エネルギーと不公平社会
そういえば昔「東京に原発を」という運動があって、私も大いに賛同しましたが、57ページには「自分の供電範囲から原発を追い出した東京電力」という図が載っていて、いかに電力会社自身が「原発を恐れている(事故による補償の大きさを恐れているという意味もありますが)」かが分かって笑えます。