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木のつぶやき

主に手話やろう重複の仲間たちのこと、それと新聞記事や本から感じたことを書き込んでいきます。皆様よろしくお願いします。

books208「新版 原発を考える50話」西尾漠著(岩波ジュニア新書)

2011年03月26日 16時47分06秒 | books
新版 原発を考える50話 (岩波ジュニア新書)
クリエーター情報なし
岩波書店

私はこの本、ブックオフの100円コーナーで買ったけど、もしかしたら今はプレミア付いているのでは?なんちゃって。
旧版が1996年4月、チェルノブイリ原子力発電所事故から10年目に書かれて、新版はさらに10年後の2006年2月に刊行されています。
著者はこのところネットで中継されている原子力資料情報室の共同代表で、『はんげんぱつ新聞』編集長。
私はこの本、多くの人が読めるようにネットブック化して欲しいと強く思います。西尾さんには印税は入らなくなりますが是非著作権フリー化して無料でみんなが読めるようになって欲しい。それくらい良い本です。
1.原発のいま
 (1)「原発大国」の秘密
   福島県は、2030年までに全原発が運転開始から40年を超えて廃炉となることを想定し、原発のお金に頼らない県づくりをめざすと公言
 (2)1000分の1グラムの臨界
 (3)放射線もいろいろ
 (4)下請けの下に孫請け、ひ孫請け
   電気事業の自由化が進む中で原発のコスト削減が図られるとき、重層構造の下層にそのまましわ寄せされる
 (5)軽い水と原子炉
   世界的には沸騰水型の原発は敬遠されて、加圧水型が主流になっています。ただし日本では逆で、沸騰水型の方が多く建てられています。その理由は単純で、日本では、沸騰水型は東芝と日立製作所、加圧水型は三菱重工がつくっており、お客である電力会社を分け合っているからです。(中略)沸騰水型原発の泣きどころは再循環ポンプです。
 (6)事故は起こる
   スリーマイル島原発の事故は、原子炉の冷却ができなくなって炉心が溶け落ちる事故でした。(中略)原子炉はすぐに緊急停止しましたが、炉内に生まれた死の灰は、熱を出し続けます。原子炉が止まった後も、冷却を続けなければならないのが、原発のやっかいなところです。結果的に燃料の約70パーセントが溶けて、20トンもの燃料が原子炉圧力容器の底に崩れ落ちたことが、事故から7、8年も後になってやっと明らかにされています。放射能が強すぎて、すぐにはカメラを入れて調べることもむずかしかったのです。
 (7)規制行政独立論
   原発推進の経済産業省の下に「外局」として推進行政を担当する資源エネルギー庁があり、その下に「特別の機関」として規制行政を担当する原子力安全・保安院がある
 (8)安全研究のゆくえ
 (9)アフター・ザ・デー
 (10)誰がための電力自由化
2.核燃料リサイクル幻想
 (11)川の流れのように
   日本の原子力発電用のウランはすべて、カナダやオーストラリア、南アフリカなど海外で掘り出されています。
 (12)文殊菩薩も不死鳥(フェニックス)も
   そんな危険増殖炉では、各国が開発を中止したのも、むりはありません。
 (13)プルトニウムのごみ焼却します。
   余ったプルトニウムは、とうとうふつうの原発で燃やすしかなくなりました。和製英語で「プルマーサル」といいます。(中略)プルマーサル計画こそ、核燃料サイクル路線の行き詰まりの産物であり、プルトニウムがやっかいなゴミであることの象徴にほかなりません。

books207「物語 カタルーニャの歴史」田澤 耕著(中公新書)

2011年03月20日 19時53分46秒 | books
物語 カタルーニャの歴史―知られざる地中海帝国の興亡 (中公新書)
クリエーター情報なし
中央公論新社

入院する時に「原発と言語学じゃ疲れてしまうよな」と思って持って行った「物語 カタルーニャの歴史」田澤耕著、中公新書。意外と面白くて一気に読んでしまいました。
ジョージ・オーウェル「カタロニア賛歌」を読み直そっと思いました。

books206「高速増殖炉は実用化できない 動かない、動かせない『もんじゅ』」小林圭二著(七つ森書館)

2011年03月20日 19時33分56秒 | books
動かない、動かせない「もんじゅ」―高速増殖炉は実用化できない
クリエーター情報なし
七つ森書館

この本も入院中に読みました。
昨年10月に刊行されたブックレットです。ちょっと専門的な内容ですが、”日本の原子力政策の根幹をなしている”(4頁 はじめに)「高速増殖炉」が原発以上に危険であること、また高速増殖炉開発が行き詰まった結果「プルトニウムを一部燃料として使うプルマーサルという動きが始まっている」ことなどを理解できます。
今回の福島第一原発の3号機は「プルトニュウムを用いたMOX燃料(再処理)を使ったプリサーマル」が行われているそうです。(ICARUSさんのブログがとても参考になります。)

books205「〔入門〕ことばの世界」瀬田幸人ほか編著(大修館書店)

2011年03月20日 19時17分10秒 | books
入門 ことばの世界
クリエーター情報なし
大修館書店

3月の始めに入院していたときに読みました。
「国リハの卒業研究発表会見て、やっぱ言語学の基礎がないとなぁ~と思って「入門 ことばの世界」瀬田幸人、保阪靖人、外池滋生、中島平三編著 大修館書店を読んでみたけど、ピンと来ないな~」と読後書き留めていました。
でも、手話へのアプローチへの前提として現代の言語学を俯瞰するような知識を指導者が持つことはとても大切だと思います。
目次
序章  ことばの世界を俯瞰する
第1章 世界のことば
第2章 ことばと音声(音韻論、音声学)
第3章 ことばと語 (形態論)
第4章 ことばと文法(統語論)
第5章 ことばと意味(意味論)
第6章 ことばの変化(歴史言語学)
第7章 ことばと社会(社会言語学)
第8章 ことばと文化(人類言語学)
第9章 ことばの誕生(生物言語学)
第10章 ことばの獲得(心理言語学)
第11章 ことばと脳 (神経言語学)
第12章 ことばと情報構造(談話文法)
第13章 ことばの解釈(語用論)
第14章 ことばと認知(認知言語学)

books204「隠される原子力 核の真実-原子力の専門家が原発に反対するわけ」小出裕章著(創史社)

2011年03月09日 23時30分04秒 | books
隠される原子力・核の真実―原子力の専門家が原発に反対するわけ
クリエーター情報なし
創史社

「ゲンパツ」のことを理解するのにとてもよい入門書だと思います。
原発がその危険性を押し隠しながら推進される理由も理解できます。
1969年に外交政策企画委員会(外務省)が作成した内部資料「わが国の外交政策大綱」には次のように書かれているそうです。(110頁)
「核兵器については、NPT(核拡散防止条約)に参加すると否とにかかわらず、当面核兵器は保持しない政策はとるが、核兵器製造の経済的・技術的ポテンシャル(能力)は常に保持するとともに、これに対する掣肘を受けないように配慮する。」
また外務省幹部の談話として
「個人としての見解だが、日本の外交力の裏付けとして、核武装の選択の可能性を捨ててしまわない方がいい。保有能力は持つが、当面、政策としてもたないという形で行く。そのためにも、プルトニウムの蓄積と、ミサイルに転用できるロケットの技術は開発しておかなければならない」

そういえばロケット基地も人里離れた種子島にありますもんね。ロケット技術と原発によるプルトニウムの蓄積がセットになっているというのは驚きでした。
また6章「歪められた二酸化炭素地球温暖化説」と8章「温暖化と二酸化炭素の因果関係」も昨今の「エコブーム」(それ自体は悪いとは思いませんが)を歪めたものにしていると理解することができます。
そして9章「原子力からは簡単に足を洗える」を読めば、どうして「足を洗えない」のか(電力会社は金のかかる原発に嫌気がさしているにもかかわらず巨大化した原子力産業(三菱・日立・東芝)がどうにも「止まれなくなってしまっている」)もすっきり理解できます。
その他の章は以下のとおり
1章 被爆の影響と恐ろしさ
2章 核の本質は環境破壊と生命の危険
3章 原子力とプルトニウムにかけた夢
4章 日本が進める核開発
5章 原子力発電自体の危険さ
7章 死の灰を生み続ける原発は最悪
10章 核を巡る不公正な世界
11章 再処理工場が抱える膨大な危険
12章 エネルギーと不公平社会

そういえば昔「東京に原発を」という運動があって、私も大いに賛同しましたが、57ページには「自分の供電範囲から原発を追い出した東京電力」という図が載っていて、いかに電力会社自身が「原発を恐れている(事故による補償の大きさを恐れているという意味もありますが)」かが分かって笑えます。

books203「高学歴ワーキングプア -「フリーター生産工場」としての大学院 」水月昭道著(光文社新書)

2011年03月09日 23時01分21秒 | books
高学歴ワーキングプア 「フリーター生産工場」としての大学院 (光文社新書)
水月 昭道
光文社

タイトルに惹かれて読んでみましたが、何だかなぁ~という内容です。
「はじめに」で描かれた「少子化による大学進学者の減少を補うために、文部省を先頭に大学院生の大増産が目論まれ、その結果として大量の博士号取得者が行き場を失ってフリーター化している」との現状は分かる。けれど「博士なのに大学教員になれない」=フリーター化って図式ってちょっと甘くないか?「博士なのに」っていう前提がそもそも何なんだよ?!って鼻持ちならないです。

books202「闇の子供たち」梁石日著(幻冬舎文庫)

2011年02月25日 23時33分38秒 | books
闇の子供たち (幻冬舎文庫)
梁 石日
幻冬舎

以前から「いつか読まなければ」と思っていた「闇の子供たち」。
僕らが取り組まなければならない問題が世の中に山積しているのはわかっているけど、世界を見るともっと深刻な問題がずっと解決されずにいて、その問題がけっして日本人と無関係ではないことに、自分が日本の一地方でちまちまと活動していることの意味っていったいなんなんだろうかと思えてしまう。世の中の課題に「優先順位」なんて付けるのは意味がないかもしれないけど、こうして本を通じてその課題のほんの一部をかじった気になって、それで終わってしまうっていうのは、いったい俺は何をやってんだろう?「本を読んで分かった気になって、物知りになってお仕舞いかよ!?」って気持ちになって自己嫌悪に陥る。それでも読まないよりましなのかな?

books198「ルポ 生活保護」本田良一(中公新書)

2011年02月15日 20時52分52秒 | books
ルポ 生活保護―貧困をなくす新たな取り組み (中公新書)
本田 良一
中央公論新社

新聞の書評を読んで、ずっとブックオフで探していたけど手に入らなくて、とうとういつも行ってる本屋さんで定価でゲット。
書評に書いてあったけど「生活保護についての入門書」です。
(2011-01-26 21:38:14記)
【追記】
自分もケガなどして働けなくなれば、すぐ同じ境遇になり得るとは思うのだけれど、どうも私は「生活保護」に対して厳しい見方をしてしまう。「貧困は自己責任か?」との問いかけにも、「自分は高校時代、とにかく国立に入らなきゃ大学に行かせてもらえないと思って必死で勉強してきたから」という自分経験主義に陥ってしまう。そういう問題じゃなくて、親の貧困が低学歴を生み、低賃金、失業を再生産するのだという筆者の分析も頭では理解できるけど、スタートのところの「親の貧困」のそのまた原因はなんだよ?って言い逃れ思考になってしまう。
ただ、僕が大学生の頃(1980年代)は、国立大学の学費は確かに安くて「親の貧困」を「高学歴」に変えられるかどうかは自分の努力次第だって面もまだ残されていたように思う。学歴は今やそんなに意味を持たないかもしれないけれど、国家が貧富にかかわらず勉学のチャンスを平等に用意することはとても大切なことだと思う。
一方で、大学は国民のために存在するのか?ってことを考えながら、今「高学歴ワーキングプア-『フリーター生産工場』としての大学院(水月昭道著・光文社新書)」って本を読み始めている。
確かに「国民に平等にチャンスを与えるため」っていうより「大学教員が自分たちの食い扶持を減らさないために門戸を広げ過ぎてる」っていうのは言えてるなぁ~。暗澹たる気持ちになる。

books201「ルームメイト」今邑彩著(中公文庫)

2011年02月15日 20時08分31秒 | books
ルームメイト (中公文庫)
今邑 彩
中央公論新社

新聞の書評だか読んで「少女Aの殺人」を読みたかったのですが、ブックオフで見つけられなくて、とりあえずこちらの「ルームメイト」を読みました。
めちゃめちゃ久しぶりの推理小説は、楽しいですねぇ~。「おっ、こいつが犯人か?」と思うと新たな展開があって、その「展開」するところがいかにも「推理小説」でおかしいです。テレビドラマの「残りの放送時間」と同じで本の「残りの厚さ」で「まだ、こいつは本当の犯人じゃないんだよなぁ~きっと」というのが読めてしまうのも楽しいです。