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木のつぶやき

主に手話やろう重複の仲間たちのこと、それと新聞記事や本から感じたことを書き込んでいきます。皆様よろしくお願いします。

books130「金融大崩壊-アメリカ金融帝国」の終焉」水野和夫(NHK生活新書)

2009年02月13日 23時46分20秒 | books
金融大崩壊―「アメリカ金融帝国」の終焉 (生活人新書)
水野 和夫
日本放送出版協会

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この本の帯には「10万部突破 エコノミスト水野和夫が読み解く「100年に1度の危機」の深層と日本経済の進むべき道」とあった。へそ曲がりでベストセラーのたぐいはほとんど読まない私としては普段ならスルーするところですが、先日の「大統領が変わると日本はどこまで変わるか?」長谷川慶太著を読んでアメリカはこれからどうなるんだろうという興味が湧いて買ってみました。
これがとっても面白い。確かに昨年12月10日に発刊されて翌年2月でもう5刷ってスゴイですよね。説明もたいへんわかりやすいですし、図表もふんだんにあって理解の助けになります。
私が一番気になった箇所は72ページ
「資本主義は、16~17世紀のその成立当初から、企業が利益を上げると、国家財政が潤い、資本と国家の利害が一致していました。さらに18世紀末のフランス革命を経て、資本-国家-国民の三位一体の関係が成立し、福祉などを充実することで国民生活が豊かになっていきました。」
それが新自由主義の時代になって
「市場が決めることは正しい、政府よりも市場の方が正しい資源配分ができる、だから政府の介入を極力小さくするべきだ、とする新自由主義が政策の舞台へ登場してきます。これはつまり、福祉国家をやめるということにほかなりません。
とのこと。もくじは以下のとおり。
第1章 アメリカ発 世界金融危機
第2章 危機の震源、サブプライムローン問題とは何か
第3章 「アメリカ金融帝国」はなぜ生まれたのか
第4章 世界は不況からいつ脱出できるのか
第5章 「アメリカ金融帝国」の終焉後の世界
第6章 日本経済の生き残る道はどこか

books100「「言語技術」が日本のサッカーを変える」田嶋幸三著・光文社新書

2009年02月13日 00時03分46秒 | books
「言語技術」が日本のサッカーを変える (光文社新書)
田嶋 幸三
光文社

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わ~い、booksカテゴリーが100件になったぁ~。せっかくのキリ番号なので私の好きなサッカー関連の本で飾りたいと思います。
以前、私は「進化する日本サッカー」(忠鉢信一・集英社新書)という本を読んでエラく感動して一気に書評を書いたことがあります。
<そのときの書評の最後の部分>
「世界との差はどこにあると分析していますか?」と尋ねられ小野剛コーチは、こう答えている。
「良くなってきたとはいえ基本にまだ差がある。基本は低いレベルの段階で必要なことだと誤解されやすいんだけど、高いレベルになるほど基本の差を隠すことができなくなる。基本の水準が低かったら、世界大会では太刀打ちできない。」

私もこの言葉を肝に銘じて、あらためて「基本」の勉強に一生懸命取り組みたいと思います。

そのときと同じくらい感激した本です。といいながらずっと書評をサボっていたのですが・・。内表紙(?)にはこう書かれています。
「そのプレーの意図は?」と訊かれたとき、監督の目を見て答えを探ろうとする日本人。一方、世界の強国では子どもでさえ自分の考えを明確に説明し、クリエイティブなプレーをしている。
日本のサッカーに足りないのは自己決定力であり、その基盤となる論理力と言語力なのだ。
本書は、公認指導者ライセンスやエリート養成機関・JFAアカデミー福島のカリキュラムで始まった「ディベート」「言語技術」といった画期的トレーニングの理論とメソッドを紹介する。


また205頁にはこんな風にも書かれています。
現在、日本のサッカー界では「指導者が変わらないとダメだ」ということが、合いことばのように語られています。全国でサッカーに取り組んでいるトップの指導者が変わらない限り、日本サッカーの流れはなかなか目標を達成できない。(中略)指導者を変えていくには、20年かかるかもしれません。それくらいのスパンで考え構想していかないと、しっかりした中味が実現できないかもしれない。しかし、そうした時間軸で計画を進めていったのでは、日本のサッカーはいつまでたっても世界レベルに近づいていくことはできない。なぜなら、世界のサッカーシーンもまた、日本に負けないくらい、向上への努力を重ねているからです。
 基本構想と、スピードアップ。日本のサッカーを世界と対等なレベルに引き上げていくには、このふたつの課題を、同時に追求し続けていくという懸命な努力が必要です。


手話の世界も「指導者が変わらないとダメだ」と思います。地域の手話奉仕員から県の手話通訳者養成(年によっては士養成)まで講師を担当している私自身が一番に変わらないといけないと思います。

評価されるのは「答えが合っていたかどうか」だけなのです。他人のいろいろな意見を聞いたり、別な考え方を知ったり、議論したりという機会がとても少ない。答えは一つしかないと思い込んでいる。問いを発した人の答えと違う答えを言ってはいけないのではないか、と不安を持っている。間違ったことを言うのを恐れ、恥ずかしがる気持ちがとても強い。現在の教育システムの中に、そんな雰囲気を感じるのです。答えはひとつしか許されない、という空気は、問題をさまざまな角度から論理的に考えていく豊かなプロセスを否定することにつながりはしないでしょうか。
手話の世界でも、読み取りが苦手という人が多いのにも関わらず読み取りの勉強を熱心にやろうというムードが今ひとつなのは「読み取りの間違いは恥ずかしい」という気持ちが強く働いているのではないでしょうか。表現間違いだって当然「恥ずかしい」はずなのですが、読み取りの場合は「同じ聴者から見て、変な日本語だったらすぐに分かってしまうし、どれくらい読めないのかが他の聴者に即座にばれる」という気持ちがあるように思います。(その裏返しには、ろう者に対して間違った手話表現をしても平気な聴者、という構図が隠れているわけで、これはこれで問題ですが)

第1章「言語技術」に挑戦するJFAアカデミー福島

アカデミーではサッカーのエリート(この「エリート」という言葉についても「特権階級のことではなく、むしろ持てる能力を先頭に立って発揮しにいく存在、常に重大な社会的義務を伴った存在」と定義しています。)を育てるため、まず「言語技術」を導入したいと考えたそうです。
それはかつて、イタリアの選手が不利な局面でもベンチの指示を仰ぐのでなく自分たちで話し合いをして次の戦略を即座に決め、お互いに指示を出し合って、問題を解決した様子を見て、日本のサッカーに足りないものが「選手一人一人の自らが考えて判断を下す「自己決定力」である」ことに気づいたところから始まったとのこと。

そのため「論理的に考える力を引き出す」を書かれた三森ゆりかさん(つくば言語技術教育研究所)を講師にお招きしたそうです。私も2003年12月に「イラスト版ロジカル・コミュニケーション「子どもとマスターする50の考える技術・話す技術」」という本を読んで彼女のことを知りました。者養成講座の公開講義にも是非お呼びしたい方です。

手話通訳者も単に手話通訳として「言語技術」だけでなく、手話通訳は基本的にチームで行いますから通訳者同士の意思疎通、依頼者側との事前打ち合わせ、突発的なトラブルへの対応など、常に「言語技術」が求められることを考えると、手話通訳者にとっても重要な基礎的素養だと言うことがわかります。

第2章 実践! ことばを鍛えるトレーニング

ここでは「再話」と呼ばれるトレーニングが紹介されている。者養成講座の応用課程カリキュラムの最初にある「要約」と似ているのかな。
耳で聞き取ったテキストの内容を、登場人物、筋の展開、結末などを書き換えてはならないという基本ルールの下、自分のことばで新たに別の文章形態に再編成していくトレーニングだそうです。決められた時間内に決められた字数で聞き取った内容を正確にまとめる力を鍛えるとのこと。これも手話通訳者養成にすぐに活用できるトレーニングだと思います。

第3章 論理でパスするドイツ・サッカー(なぜいま「言語技術」か(1))

第4章 世界との差は、判断力(なぜいま「言語技術」か(2))


サッカーのJリーグが発足した当時日本人監督が率いているチームは全体の2割にしか達しなかったそうです。その理由は、「日本人の監督は、自分のチームの選手たちを自身の「論理」と「ことば」によって説得しプレーさせる力が足りな」かったからだそうです。外国から招聘されたスター選手たちが「なぜこの練習をするのか」と聞いて来たとき、日本人監督は説明ができなくてお手上げだったからだそうです。
翻って手話を指導する私たちは、受講生から「なぜこの練習をするのか」と聞かれて「これこれこういう力を伸ばすために」と受講生の納得を得られるような説明ができる力を持ち合わせているでしょうか。

この課題を克服するため、指導者の「論理力」とそれを伝達する「ことば」を扱う技術が身につくように「ディベート」という方法を真っ先に取り入れたそうです。

また私が感銘を受けたのは、「日本サッカーの父」と呼ばれるデットマール・クラマーさんがドイツに帰国するにあたって残した次の3つのアドバイスです。(155頁)

「日本でサッカーのリーグ戦を実施すること」
「子どもの指導に力を注ぐこと」
「指導者の養成が大切であること」


手話の場合はどうでしょうか。私は政見放送の手話通訳のための研修会で全国の仲間と一緒にみんなの前で手話通訳をやって足が震えたことがあります。地元でいつもの仲間とやっているのはワケが違いますし、とても鋭いアドバイスをいただけたことを覚えています。手話通訳の他流試合と言っては不適切かもしれませんが、関東地域の研修会とか、気軽に参加できる全国レベルの研修会が恒常的に必要であることを感じます。今でも、国リハの現任研修会がありますが、やっぱり敷居が高いです。上手な人と一緒に研修会なんて・・という気持ちが起きて、びびってしまいます。日本手話通訳士協会も年に何回か研修会を行っていますので、せめてそこには積極的に参加し、「他地域の方の目」で見ていただきアドバイスいただく経験を積まなければいけませんね。

「子どもの指導」はどうでしょうか。「ゆとりの時間」などで学校への手話指導も行われていますが、私の地元では主に手話サークルが中心になって「ろう者を伴って」企画されている場合が多いような気がします。そこで「指導」されているのは、いわゆる「日本語対応手話」がほとんどではないかと思います。
私は「日本手話」の指導でなければ意味がない、という立場ではありませんが、少なくとも「対応手話」を子どもたちに教えることは「手話に対する誤った認識を広める」という弊害の方が大きいのではないかとさえ考えています。
今では小学校から英語の勉強があるそうですが、まさか日本語の語順に英単語だけを当てはめたような文を英語だと思う人は一人もいないでしょう。それがどうして手話の場合はあり得てしまうのでしょうか。手話の世界では未だに「単語レベルで日本語を手話に置き換えればそれでいいのよ。「てにをは」は不要です。」という「指導者」が大手を振ってまかり通っているのではないでしょうか。

やはりここでも「指導者の養成」が急務なのです。

第5章 監督のことばが、選手を伸ばす

ロジェ・ルメールのことば「学ぶことをやめたら、教えることをやめなければならない」にもたいへん感銘を受けました。

第6章 論理プラス非論理-日本流サッカーの夢へ

Jリーグ百年構想では
(1)あなたの町に、緑の芝生におおわれた広場やスポーツ施設をつくること
(2)サッカーに限らず、あなたがやりたい競技を楽しめるスポーツクラブをつくること
(3)「観る」「する」「参加する」スポーツを通して世代を超えたふれあいの輪を広げること

の3つの目的を掲げているそうです。
ちょうど今朝の朝日新聞の国際面(4面)に「障害者権利条約発効」の記事が載っていました。5月3日に発効したそうです。日本は「昨年9月に署名したが、関連法の改正などが必要で、批准にはしばらくかかる見込み。日本では、障害者が就職する際の介助者の義務づけなどが課題となっている」とのこと。
この際ですから、全日本ろうあ連盟も「ろうあ運動百年構想」というものをまとめてはどうでしょうか。
(1)あなたの町に、手話やパソコン用筆、指点字など聴覚障害者のためのさまざまなコミュニケーション手段を学び、それを使っておしゃべるできる集会所や研修施設、さらには聴覚障害情報保障者派遣センターをつくること(これは今の県単位の情報提供施設の「支所」を県内各所に作ることで実現できると思う)
(2)手話に限らず、聴覚障害者のためのコミュニケーション方法を研究する大学院を含む総合的な教育研究機関を全国各地につくること(国リハ学院や技大の総合大学化、大学院の創設、また第2、第3、第4、第5国リハ・技大を全国各地に作る)
(3)手話の演劇や映画を「観る」ことや、手話や字幕付きテレビの一般化、学校教育カリキュラムへの手話等の導入によって全ての市民が一度は必ず聴覚障害者コミュニケーション方法を学ぶ機会を得ること、高齢者介護における手話の積極的導入と学校教育との連携によって手話を通じた世代を超えたふれあいの輪を広げること
(2008-05-05 23:59:59記)

<追記>
サッカーシリーズということで、この本を再度掲載します。
改めて「ああ~勉強しなきゃなぁ~」と感じる今日この頃です。

雑誌「現代思想 2月号-特集 ケアの未来-」

2009年02月11日 00時58分01秒 | books
現代思想2009年2月号 特集=ケアの未来_介護・労働・市場

青土社

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この国の福祉はいったいどこへ行ってしまうんだろう?などと最近思うことが多いです。景気が本格的に減速しこれまでのように単に議会や行政に対して「福祉を充実せよ」と叫ぶだけでは、充実どころか後退するのを止めることさえ出来なくなる気がします。
国は借金だらけで予算をギリギリ切り詰めてくるし、企業はかつて流行った「社会貢献」どころじゃなくなってる。どういう視点からこれからの福祉を捉えていったらいいのか何か参考になる意見があると助かるのだけどなぁ~などと思って買ってみました。
特集=ケアの未来 介護・労働・市場
【討議】労働としてのケア/上野千鶴子+立岩真也 
【介護保険】
社会保障制度における介護保険制度の意義 社会保険と福祉制度からの考察/結城康博
【外国人福祉士】
ケアの確保をめぐって引き起こされる人の国際移動 移動する人々は多様性の一部か/安里和晃
在日フィリピン人介護者 一足先にやって来た「外国人介護労働者」/高畑幸
【高齢者】
「脆弱な生」の統治 統治論の高齢者介護への「応用」をめぐる困難/天田城介
【社会】
「ケアの社会化」の此/彼岸 障害者と介助者の敵対的自立へ向けて/市野川容孝+杉田俊介+堀田義太郎
【家族】
家族の時間・家族のことば 政治学から/政治学への接近の可能性/岡野八代
【市場】
「周辺的」 身体と市場原理/竹田茂夫
ケア・再分配・格差/堀田義太郎
【労働】
「労働力の女性化」から「労働の女性化」へ 愛の労働のゆくえ/伊田久美子
ケアの未来 介護労働の確立と住民福祉の安定を求めて/清沢聖子

books127「「裁く」ための練習帳」森炎×岡部敬史(学習研究社)

2009年02月09日 23時24分43秒 | books
「裁く」ための練習帳―裁判員の必読本
森 炎,岡部 敬史
学習研究社

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今日会社の帰りに立ち寄った本屋で見つけた「裁判員の必読本」。
実際にあった事件を取り上げ、作家の岡部敬史氏と元裁判官の森炎氏の対談という形で、市民と職業裁判官のぶつかり合いを演じたという内容。いわば、これから始まる裁判員が行う「評議」の先取りとのこと。
裁判そのものの手話通訳も大変だと思いますが、それ以上に「評議」において聴覚障害者がにキチンと議論に参加できるかどうかは手話通訳者の伝える情報の量と質(正確さ)に大きく左右されてしまうのではないでしょうか。
その事前学習の一つとして本書は非常に参考になるのではないでしょうか。
〔2009-01-30 23:17:16記〕

<追記 2009-02-09>
非常にわかりやすかったです、とってもお奨めです。
10章に分かれていて、冒頭に「Q」として実際に起こった事件の事例が載っています。例えば第1章「親族殺人について考える」では、
ケース① つくば母子殺人事件 〔罪状〕妻と実子2人の系3人を殺害(1994年11月3日事件発生)
と扉に書かれていて、下段に事件の概要(「起訴状」みたいなもん)が載っています。読者はこれを読んで「どれくらいの刑になるか」考えてみるわけです。
ページをめくると次のページには
A.〔判決〕無期懲役(1997年東京高裁)
と書かれていて、下段に短い解説(判決理由など)が書かれています。
こうしたQ&A(例題)が各章に3問ずつ載っていて(この「3問ずつ」っていうのがポイントで、3つの事件を比べて判決(量刑)の違いを考えることができます。)、そのあとに元裁判官の森さんと作家の岡部さんが対談形式で、この判決について論評していきます。どうして「3人殺し」て無期懲役なのか?とか考えて、というか岡部さんが森さんにいろいろ質問していくわけです。
また、対談の中に出てくる専門用語(「量刑」とか)については、注書きがついていますし、先例として挙げてある事件についても注で解説してありますので、この本を読むだけで裁判において「どうしてそういう刑(「懲役何年」とか)になったのか」を事例にそって理解していくことができます。
刑事裁判の流れ
どう違う?似ているようで異なる裁判用語
第一章「親族殺人」
第二章「死者一人の事件・事故」
第三章「強盗殺人」
第四章「通り魔殺人」
第五章「放火殺人」
第六章「放火」
第七章「誘拐」
第八章「死亡事故」
第九章「危険運転」
第十章「その他」

books129「日本人はなぜシュートを打たないのか?」湯浅健二(アスキー新書)

2009年02月04日 00時26分08秒 | books
日本人はなぜシュートを打たないのか? (アスキー新書 018) (アスキー新書)
湯浅 健二
アスキー

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私はサッカー好きなのでついついサッカーをモチーフにした本には興味が湧いて読んでしまう。
この本には「なぜリスクにチャレンジできないのか? サッカー論を超えた『画期的日本人論』」とあって、ちょっとなぁ~とは思いつつ、なかなか面白く読めました。手話通訳者の勉強会も「リスクにチャレンジ」というワケではないけれど、もう少しアグレッシブ(攻撃的・積極的)になっていかなければならないなぁ~などと思いながら読みました。
って自分で書いて「アグレッシブって、どういうことだよ」って思ったんですが、例えば裁判員制度における司法通訳なんて「とても私にはできません」って誰しも思うだろうけど、そうした一番難しい場面の手話通訳を経験することによって、改めて「手話通訳者の責務(果たすべき役割」みたいなことを明確に意識できるようになるのではないかと思うのです。
そういえば今、衆議院比例区選挙の政見放送手話通訳の登録依頼が来てたけど、僕にはムリムリってほっぽってあった。それってアグレッシブさがないよねぇ~。

books128「お母ちゃんが起きられなくなった」石川牧子(小学館文庫)

2009年02月02日 23時06分11秒 | books
お母ちゃんが起きられなくなった―パーキンソン病との七年間の闘い 東京仙台遠距離介護記 (小学館文庫)
石川 牧子
小学館

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実は、まだこの本Amazonからまだ届いてないんだけど、土曜日に著者の石川牧子さんのお話(遠距離介護体験)を聞く機会があり、めっちゃ感動したので、先に書いてしまいます。
「あなたのために仕事まで辞めたのに・・」という愚痴を言いたくないから、仕事を辞めなかったというお話に私はとっても共感したのです。
私も「人に恩を着せがち」なんです。「自分はこんなに頑張っているのに・・」どうしてみんな一生懸命やらないんだ!とか、「自分はこんなに準備してきたのに・・」とかよくそういう発想に陥りがち。
勝手にじたばたして勝手に怒ってたりする。石川さんのお話と比べかなり次元が低い話しで、並べて話すのも失礼なんですが、自分もお正月なんかに帰省すると老いた両親に対して、つい「せっかく帰ってきてやったのに」って思ってしまうことがある。
そういう発想にならずに、親の面倒を見るのってすっごく難しいと思う。「面倒を見る」って言い方からして「面倒なのかよ」って自分に突っ込みたくなる。
自分の両親も父がだんだん物忘れが激しくなってきて、お袋が苦労しています。僕は遠距離介護なんてとてもまねできそうにないですが、この本を読んでちょっとだけ「予習」しなきゃな、なんて思っています。
石川牧子さん講演内容は「コープしが」のこちらのサイトにちょっとだけ書かれています。

books125「うどんの秘密」藤村和夫著(PHP新書)

2009年01月28日 23時28分10秒 | books
うどんの秘密―ホンモノ・ニセモノの見分け方 (PHP新書)
藤村 和夫
PHP研究所

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私は愛知県の出身なのでそもそも蕎麦よりうどんという人なのですが、この本はなかなか面白かったです。ただ、Amazonの口コミにもあるようにおそば屋さんのプロが書かれたものなので専門的すぎて難しいというのは、そのとおりだと感じました。
結局素人の私が楽しめたのは第5章の最後の「讃岐風 釜揚げうどんのすすめ」と、第6章最後の「上州おきりこみ」が美味そうだなぁ~ってくらいでした。

<1.28wed追記>
巻末の「ホンモノのうどん」が食べられる名店ガイドから私が行ってみたいと思ったお店を一部抜粋します。
(群馬)水沢うどん「元祖 田丸屋
(群馬)ひも川うどん「川野屋本店
(埼玉)武蔵野うどん「松郷庵 甚五郎」
(東京)稲庭うどん「寛文五年堂 東京銀座店」
(東京)名古屋うどん「でら打ち」
(東京)讃岐うどん「せとうち旬彩館 かおりひめ
(東京)讃岐うどん「はなまるうどん 吉祥寺北口店」
(山梨)ほうとう「小作 竜王玉川店
(山梨)吉田うどん「白須うどん
(愛知)味噌煮込みうどん「山本屋総本家」(音が出ます、ご注意)
(愛知)きしめん「えびすや本店」
とりあえず愛知県まで掲載。あとは本書をお読みください。鹿児島まで載ってます。

books126「大統領が変わると日本はどこまで変わるか?」長谷川慶太郎(トレビズ新書)

2009年01月28日 22時54分11秒 | books
大統領が変わると日本はどこまで変わるか? (トレビズ新書)
長谷川 慶太郎
ソニーマガジンズ

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オバマ大統領の就任演説を載せたついでにアメリカ関連の書籍を一つ。
タイトルは「日本は・・」とありますが、むしろこれは今のアメリカという国を知るのに便利な1冊かもしれません。
ただ、「アメリカはもはや『技術力の日本』を手放せない」という日本礼賛トーンがやたら強くて、ちょっと楽観的過ぎるような印象を私は持ちました。まあ書かれたのが去年10月なんで、その後の急速な景気減速を踏まえればまた書き方が変わっていたのかも知れません。
長谷川慶太郎さんの公式ホームページはこちら。ただし会員制です。

books124「サンタのいちねん トナカイのいちねん」きしらまゆこ(ひさかたチャイルド)

2009年01月18日 10時55分23秒 | books
サンタのいちねん トナカイのいちねん
きしら まゆこ
ひさかたチャイルド

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クリスマス・シーズンを過ぎてしまって今さらなんですが、来年のクリスマスのプレゼントにどうぞ。チャイルドブック・ゴールド(チャイルド本社)で3年間お世話になった「きしら まゆこ」さんの最新刊です。
前から読むと・・・「サンタのいちねん」
後ろから読むと・・・「トナカイのいちねん」
2つのお話が真ん中でつながる!
楽しくってかわいいクリスマス絵本!

です。

books123「マリー・アントワネット」シュテファン・ツヴァイク(角川文庫)

2009年01月18日 10時21分46秒 | books
マリー・アントワネット 上
シュテファン ツヴァイク
角川書店

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去年の5月ころ読んだのですが、昨日DVD版「マリー・アントワネット」(出演: キルスティン・ダンスト, ジェイソン・シュワルツマン 監督: ソフィア・コッポラ)見て、この本の面白さを思い出しました。
DVD版へのAmazonの口コミはかなりボロかす書かれていましたが、私個人としては「マリー・アントワネットの心象を適切に描いた作品」(ほけんがかりさんの口コミ)という印象でした。それもこのシュテファン・ツヴァイク版「マリー・アントワネット」を読んでいたからと言えます。
DVD版はセリフが極端に少なくて、その分見る側がそのシーンにおけるマリー・アントワネットの気持ちを理解できるかどうかで映画の印象が全然違って来ちゃうんじゃないかと感じました。私はいちいち切なくなってしまって、大いに共感してしまいました。
そんなわけで書評というよりDVD評になっちゃってますが、書籍版「マリー・アントワネット(シュテファン・ツヴァイク)」もとっても面白いです。特に下巻の革命後の変転の中でのマリー・アントワネットに圧倒されます。