観るも八卦のバトルロイヤル

映画・ドラマを独断と偏見(?)で、
斬って斬って斬りまくる。
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出会いは、一期一会「川、いつか海へ~6つの愛の物語」

2007年04月24日 | 映画・ドラマ
 一本の川を舞台に、かけがえのない何かを取り戻そうとする人たちを、連続リレー形式で描いたオムニバス・ドラマ。平たく言えば、一つの「ガラスの浮き玉」が川を流れ、それを手にした人たちが織りなす人間模様ってなお話。
 倉本總、三谷幸喜、野沢尚のそうそうたる面々が脚本を担当しただけあって、かなりの出来映えに見応え有り。
 個人的には、「やっぱり三谷幸喜上手い」といった感想。画面に引き付けられたのは、やはり三谷幸喜作品だった。
 第一話は、離婚を前提とした深津絵里、ユースケ・サンタマリアの夫婦が、水源の泉に「ガラスの浮き玉」を浮かべるところからスタート。その浮き球は多実(深津絵里)の両親(浅丘ルリ子、森本レオ)の思い出の一品といった件。
 第二話では、「ガラスの浮き玉」が崩壊間際の旅館の主人・渡辺謙の手に渡る。おかみに小林聡美、客が西田敏行。もうこの顔ぶれだけで大満足だが、小林聡美がコント用の日本髪を冠って「ひまわり娘」を熱唱するシーンには「やられた!」。感無量(という表現)でいいか。
 第三話は、柳葉敏郎と小泉今日子、椎名桔平出演のダムに沈む町を舞台にした、子供たちのドラマ。
 第四話は、観月ありさ、香川照之、筒井道隆、江守徹の醤油会社の社員劇団。「ロミオとジュリエット」の演劇に絡む、会社の人間関係とかなんとか…。筒井道隆って「これでいいのか」棒読みっぽい台詞回しは、いつ、どんなドラマでも一緒だが、カッパハゲのズラ姿はもう二度とお目にかかれないだろう。西田敏行は第二話と同一人物でゲスト出演。
 ということは、ほぼ同時に撮影されたってことか。
 第五話では、「ガラスの浮き玉」が再び深津絵里、ユースケ・サンタマリアの下に戻る。どうやら第一話から1年経ったらしい。
 最終話では、これまで、「なんでこんな脇役に浅丘ルリ子?」ってな疑問を払拭させるかのごとく、やっと主演に躍り出て、長い「ガラスの浮き玉」ストーリーに終止符を打ってくれたルリ子さん。不倫の相手役が奥田瑛二ってのが微妙だけれど、その奥田瑛二が「カナダに行く」って言ってたと思ってたら、「ガラスの浮き玉」もルリ子さんもカナダに流れ着いた。
 ルリ子さん、いつまでも若いけど、あの厚化粧は…。
 これが、人生ってものか。偶然と宿命の狭間のお話でした。