かんじゃまのつぶやき(海の見えるチベットより)

日本一細長い四国佐田岬半島での慣れない田舎暮らしの日常や風景、
  そして感じたこと、思い出などをひとコマひとコマ

お墓調査 その11:頭にかぶりもの

2011-09-09 12:02:44 | 田舎の歴史
板碑型から角柱型への変遷、そして角柱型の様々な頭頂部を見てきたが、
角柱型のオプション形というか、豪華版として 竿石の上に笠が乗っかっているものがある。


   【天保10】

   【文政13】
これらは江戸時代の墓石である。
なんだか頭が重そうであるが、位牌にもっとも近い形かもしれない。
これは「笠付角柱型」とか「大名型」とか呼ばれているようで、
位の高いお方の墓なのであろう。

このタイプは、明治の初期に多かったが、最近また人気が出ているらしい。
とはいうものの、地区の共同墓地の最近の墓石では見られない。
前回示した「香箱加工」の中央部に小さなとんがりがあるタイプは、この笠付タイプの簡略形なのかもしれない。

そして、さらに豪華なのがこれだ! 

   【天保5】



「五輪塔型」というようで、上の3パーツは五輪塔のそれと同じである。
これもおそらくそれなりの家柄のものだろうと思われる。

このタイプの最も立派なのがこれ。


何が立派かというと、先に示した五輪塔型は砂岩でできているのに対し、
これも江戸時代後期の墓石ではあるが、てっぺんから台座まですべて花崗岩でできている。
そして堂々とした風格がある。
これは共同墓地ではなく、個人所有の墓地にある。
どうやら、江戸時代から続く「組頭」の墓地のようで、
江戸時代において、苗字を許された(公に名乗れる)地位にいた方の夫婦墓である。


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海の幸に感謝(その15)

2011-09-08 11:38:12 | 食材・食事
9月1日 伊勢えび漁解禁
しかし、おりしも台風12号が接近中。

4日後、今年も我が家に伊勢えび君がやってきた。 



台風が去って、海も穏やかさを取り戻していたので、当日は朝から予感がしていた。
ありがたや ありがたや

美味しくいただき、
成仏していただきました。

避難訓練・防災訓練H23

2011-09-06 13:59:29 | 田舎の生活
先日日曜日に、町内全域で避難訓練が実施された。
南海地震が発生し、大津波警報が発令され、一部山間部で土砂崩れが発生したとの想定だ。
で、各地区では高台への避難訓練が行われたようだ。
だが、当地区は高台にあるため、津波の心配はないので、なんといっても土砂崩れが心配だ。
どこが崩れてもおかしくないといった地形に集落がある。
実際に大きな揺れの地震が来たら、パニックになるのではなかろうか。
とはいえ、一時避難場所になっている集会所への避難訓練。
今年は3月の大震災の後、関心が高まったのだろう、例年の倍くらいの方が参加された。



そして、その後は町内の自主防災会・消防・役場の方たちが集まって、
町の体育館で総合防災訓練も行われた。



『備えあって憂いなし』
いいや、十分な備えなんてないのかもしれない。
まず、減災を心がけるのみだ。


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百聞は一験にしかず(後篇)

2011-09-04 14:19:09 | 田舎の生活
看護師の呼びこみで、検査室へ入ると狭いベッドのある場所へ案内された。
そこで、渡された検査着に着替えることになった。
検査着は、予想どおりお尻の部分に穴が開いている。
上下とも下着を脱ぎ検査着に着替えると、点滴が待っていた。
おそらく、内視鏡検査中に脱水症状を起こしてはいけないからなのだろう。
横になって静かにしていると、あの70歳代半ばの女性が今検査中のようで、医師との会話が聞こえてくる。

その方の検査が終わったらしい会話が聞こえてから少しして、お呼びがかかった。
同じ検査室内を機械のある場所へ点滴を引きずりながら移動。
ベッドと機械と担当医師がスタンバッている。
いよいよ検査開始だ。
少しの緊張が走る。 
それに、痛み止めの麻酔を打ってないので、どれほど痛いのか心配だ。

ベッドに横向きになると、看護師が検査着の例の穴がトンネル入口(普段は出口だが)に来るようズボンをたぐりよせた。
そして、腸の活動を弱める効果があるという注射を肩のあたりにされ、
その後、医師自らがトンネルの入口(普段は出口)に痛み止めだというゼリーを塗ったかと思ったら、
すばやく内視鏡を突っ込まれた。
「ンググッ!」 

ふと気づくと、右斜め上のモニターにトンネル内部が鮮明に映し出されている。
「おおっ! 毛細血管がきれいに見え、壁もきれいなもんじゃないか」と少しほっとした。
予想に反して痛みはない。

時折画像がぼやける。
そんな時、医師が手を小刻みに振る。
おそらく、ヘアピンカーブを曲がる時、カメラが壁にあたったりするのではなかろうか。
そして、どんどんトンネルの奥へと進むモニター画像を見ながら、昔「ミクロの決死隊」という映画があったなあと思い出した。
痛みはないのだが、お腹が膨らんでくる。
トンネルを広げるために空気を送っているようだ。
看護師も医師も「我慢せずにオナラしてください」と。
いやいや我慢などしていないのです。
コードを引き連れたカメラがどんどん中へ入っていくので、「しようにもできないんです」
と答えた。

やがて、モニター画像にこぶのようなものが見えた。
「えっ?」と思いドキッとしたのだが、医師はそのままスルーしてさらに奥へと進んで行く。
そして、仰向きになって下さいと言われ、体勢を変える。
さらに空気が送り込まれているようで、どんどんお腹が張ってくる。
うっ 気持ちワリイ。
ツルッとした壁や凸凹の壁をどんどん進む。
どうやら、トンネルの奥まで行ったようで、今度は引き返しているようだ。
その時、何枚か写真が撮られる。
最初、病変の撮影かと思い「ドキッ」としたのだが、
おそらく要所要所を撮っているのだろう。
そして、私が“こぶ”と思ったところで停止して、
「ポリープがあるので取りましょうね」と。
「お願いします」
電気を通しますから、と 太腿に大きめのシールのようなものが貼られた。
そして、別の何かがトンネル内に挿し込まれ、ポリープあたりをいじると、やがて、こぶのようなポリープがだらんと垂れ下がった。
今度は別の器具が挿し込まれる。
先端がハサミのような形状に見えた。
そいつでポリープの根元あたりを切っているようだ。
やがて、コロンとモニター画像の下側に落っこちてきた。
おそらく、カメラレンズの端っこがポリープを捕獲できるような仕組みにいるのだろう。
医師が「回収します」と言いながら、内視鏡をトンネルの外へと出した。
そして、「他にはないか、もう一度確認します」と言いながら、
再度内視鏡をトンネル内へ入れる。
「1度目は初心者だが、2度目はこちとらベテランだい」 てな感じで、今度は落ち着いていられた。
結局、ポリープは1個だったようだ。

内視鏡検査が終わっても点滴は続いていたので、この後別室で横になったまま点滴が終わるのを待った。
500ccの点滴を終え、着替えを済ませて待っていると、お呼びがかかり、
医師から検査結果の説明があった。
どうやら、ポリープのあった箇所は横行結腸の真ん中あたりだったようだ。
「見たところ良性だと思うが、念のため病理検査にまわします」とのこと。
無事検査を終え、空腹のけだるい心身がほっとした瞬間である。
「遠くから来ているので、病理検査結果の確認は電話でいいですよ」とのことだった。

病室を出て、事務室で支払いを終え、病院を出た頃には、山影に夕陽が沈もうとしていた。



そして、車に乗り込む。
まだまだ抜けきっていない強制的に入れられたガスを「プップ プップ ・・」と抜きながら、
行きとは違った晴れやかな気持ちで、我が家を目指して半島をひた走った。
家を出てから10時間と30分。
我が家に着いたのは、夕闇迫る時間帯。
長かった1日、いや2日。
いいや、なが~い1か月が終わった。 


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台風12号の影響

2011-09-03 14:39:08 | 田舎の生活
速度が遅くてなかなか進路が定まらなかった台風12号。
本日午前10時前に四国東部に上陸したようで、この半島もぎりぎり暴風雨域に入っている。上陸前から、各地で大雨をもたらし、被害が出ているようだ。
けれど、時折強い風が吹くものの、幸いこの半島は雨・風ともにそれほど大したことはない。
どうやらあまり大暴れせずに過ぎて行ったようだ。


     【イチジクは今が食べごろ】


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百聞は一験にしかず(中篇)

2011-09-02 13:28:57 | 田舎の生活
座っているよりは、歩くなど体を動かしたりしたほうが排便を促すだろうと、病院内を散歩する。
看護師に「吸っても良いか?」と尋ねたら、「ダメ!」と言われそうなので、尋ねずにおいたのだが、外の喫煙所を探して一服する。



喫煙所は、今や姨捨山のごとく(見たことはないが)粗末な扱いを受けているようで、
置かれてあるソファーはボロボロである。
「雨風をしのげ、座れるのだから、これで十分だろう」といった風情である。

洗腸液を飲み終えてから1時間半ほどして、やっと1回目の“お導き”がやってきた。
ほぼ洗腸液の量に匹敵するのではなかろうか、と思うくらい大量に出た。
でも、「うーん、これはサンプル写真にあった『まだまだ』のステージだ」

その後も、検査室の前へ戻ったり、廊下や建物の外を散歩したりしながら“お導き”を待つ。
他の3名も似たような行動だ。
だが、70歳代半ばの女性と30歳前後の女性は、もう4・5回排便したが、看護師にOKがもらえないとのことだった。
やっと私にも2回目の“お導き”がやってきた。
「おっ! ずいぶんきれいになってきて、薄めのお茶くらいの色になってきたぞ。次は大丈夫じゃないかな?」

しかし、3回目がなかなかやってこない。
いつのまにか、30歳前後の女性の姿が見当たらなくなった。
検査に入ったのだろうか?
70歳代半ばの女性は、まだOKがもらえないと言っている。
19~20歳の兄ちゃんは、追加でさらに1リットル飲まされることになったという。
テレビでは日本の新しい首相が決まったことを報じている。

排便回数の少ない私に、看護師は「もよおさなくても定期的にトイレに座って下さい」と。
そんなアドバイスもあったので、少ししてからトイレに向かった。
しばらく座っていると、そのうち“お導き”があった。
少し黄色いものの、透明感があり、「おっ! これはもう合格だろう」と思い、
看護師に見てもらった。
すると、「まだ少しカスがあるのでもう少し頑張って」と。

うーん、まだこれ以上出るのだろうか?
買っておいたお茶もなくなったので、自販機でスポーツ飲料(カップ売り)を買い、流し込む。
30分以上たっても“お導き”が来ない。
もういいや、あまり医師を待たせるのも申し訳ないと思い、
とりあえずまた座っていよう、とトイレに入る。
座って暫く立ってから、力んでみる。
それでもなかなか出てこない。
何度かの挑戦でやっと出てきた。
それほど量は多くはなかったが、どれどれと見てみると、
ほぼ透明である。
看護師に確認してもらったところ、
OK が出た。

もうすでに午後3時。
それでも看護師は「もう少し待っていてください。その間、できるだけ出してくださいね」と。
結局その後、さらなる“お導き”はなかったのだが、
やがて、「○○さん、入って下さい」と看護師からお呼びがかかった。
   ≪つづく≫

百聞は一験にしかず(前篇)

2011-09-01 14:20:10 | 田舎の生活
検査当日は、お湯で溶かした粉末紅茶と水だけを口に入れ、車で1時間チョイの町の病院へ向かった。
 予約時間は10時。

病院に着き内視鏡検査室へいくと、待合所ではすでに10人余りの方が椅子に座って待っている。
「えっ! この人たち全員・・・?」と驚いた。 
しばらくの間、待合所となっている廊下に並んだ椅子で待機。


これかぁ~ ・・・・
微笑まれてもなぁ・・・・・

やがて、看護師から名前が呼ばれ案内された場所へ入った。
名前を呼ばれたのは4名だった。
70歳代半ばの女性、30歳前後の女性、19~20歳の兄ちゃん、そして私。
「なんだ、他の大半の人たちは別の検査だったのか」

そして、看護師に促されるまま小さなテーブル前に座った。
そこには透明の液体が入ったボトルが4個置かれてある。

「これが噂のあれか~」と思いつつ、
「えっ! ここで1時間かけて見知らぬ方たちと洗腸液の飲みっこをやるの・・?」
そんなわがままな思いに関係なく、看護師から注意事項などの説明があった。
目の前の洗腸液1リットルを1時間かけて飲み、排便が始まったら、最初の2回はそのまま流し、3回目から見せて下さい、ということだった。
テーブルには、排便の3段階のパターンが写真で示されたパンフがちゃんと置かれてある。
色のない洗腸液を見ながら、
「これを全部飲むのか・・」
で、紙コップに注ぎ1杯飲んでみると、
粉末のスポーツ飲料の出来損ないのような味ではあったが、それほどまずくはないと感じた。

しかし、飲み進むうちしだいに口の中に不快な甘さだけが蓄積される感じで、まずくなってきた。
そこで、買っておいたお茶を少しずつ飲んで口直しをしながら、洗腸液を飲み進んだ。
最初は戸惑ったが、こうして小さなテーブルを囲んで見知らぬ人と会話しながら飲むというのはいい考えのように思えた。
こんなものを一人個室で黙々と飲んでいたら気が滅入りそうだ。

30歳前後の女性「吐きそう」といいながら、飲む速度が一番遅い。
やがて、彼女は飲み終える前に早くもトイレへ。
そして、2度目、3度目と。
私は50分ほどで飲み終えた。
70歳代半ばの女性は、飲み終えてから少ししてトイレへ。

そして、看護師から「みなさん、今日は車で来てないですよね」と。
確かに事前の注意(1か月前)で、検査当日は車の運転を控えてください、ということだったのだが、
その時の看護師から説明を受けた際、「麻酔をかけるのですか?」と質問したところ、
「いいえ、麻酔は使いませんが、検査後フラフラすることがありますので」との答えだった。
そこで、私は自宅から病院までの距離など話したところ、
看護師は「でしたら、検査後ゆっくり病院で休んでから帰って下さい」とのアドバイスをもらった。
ところが、検査日の看護師は「麻酔を使わない先生もいるが、あなた方の担当の○○先生は麻酔を使います」だと。
「えっ? そんなこと事前に聞いてないぞ」
私は前回の看護師とのやり取りや事情を話し、どうしても麻酔を使うということであれば、今夜は近くのホテルに泊まり、明朝帰るようにしますが、と伝えた。
結局私は、痛いのは我慢しよう、できれば今日のうちに家に帰りたいと思い、
「では、麻酔なしでお願いします」と伝えた。

そのうち、ひたすら排便待ちの私たち4人は、テーブルを明け渡して検査室を出ることとなった。
   ≪つづく≫


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