看護師の呼びこみで、検査室へ入ると狭いベッドのある場所へ案内された。
そこで、渡された検査着に着替えることになった。
検査着は、予想どおりお尻の部分に穴が開いている。
上下とも下着を脱ぎ検査着に着替えると、点滴が待っていた。
おそらく、内視鏡検査中に脱水症状を起こしてはいけないからなのだろう。
横になって静かにしていると、あの70歳代半ばの女性が今検査中のようで、医師との会話が聞こえてくる。
その方の検査が終わったらしい会話が聞こえてから少しして、お呼びがかかった。
同じ検査室内を機械のある場所へ点滴を引きずりながら移動。
ベッドと機械と担当医師がスタンバッている。
いよいよ検査開始だ。
少しの緊張が走る。
それに、痛み止めの麻酔を打ってないので、どれほど痛いのか心配だ。
ベッドに横向きになると、看護師が検査着の例の穴がトンネル入口(普段は出口だが)に来るようズボンをたぐりよせた。
そして、腸の活動を弱める効果があるという注射を肩のあたりにされ、
その後、医師自らがトンネルの入口(普段は出口)に痛み止めだというゼリーを塗ったかと思ったら、
すばやく内視鏡を突っ込まれた。
「ンググッ!」
ふと気づくと、右斜め上のモニターにトンネル内部が鮮明に映し出されている。
「おおっ! 毛細血管がきれいに見え、壁もきれいなもんじゃないか」と少しほっとした。
予想に反して痛みはない。
時折画像がぼやける。
そんな時、医師が手を小刻みに振る。
おそらく、ヘアピンカーブを曲がる時、カメラが壁にあたったりするのではなかろうか。
そして、どんどんトンネルの奥へと進むモニター画像を見ながら、昔「ミクロの決死隊」という映画があったなあと思い出した。
痛みはないのだが、お腹が膨らんでくる。
トンネルを広げるために空気を送っているようだ。
看護師も医師も「我慢せずにオナラしてください」と。
いやいや我慢などしていないのです。
コードを引き連れたカメラがどんどん中へ入っていくので、「しようにもできないんです」
と答えた。
やがて、モニター画像にこぶのようなものが見えた。
「えっ?」と思いドキッとしたのだが、医師はそのままスルーしてさらに奥へと進んで行く。
そして、仰向きになって下さいと言われ、体勢を変える。
さらに空気が送り込まれているようで、どんどんお腹が張ってくる。
うっ 気持ちワリイ。
ツルッとした壁や凸凹の壁をどんどん進む。
どうやら、トンネルの奥まで行ったようで、今度は引き返しているようだ。
その時、何枚か写真が撮られる。
最初、病変の撮影かと思い「ドキッ」としたのだが、
おそらく要所要所を撮っているのだろう。
そして、私が“こぶ”と思ったところで停止して、
「ポリープがあるので取りましょうね」と。
「お願いします」
電気を通しますから、と 太腿に大きめのシールのようなものが貼られた。
そして、別の何かがトンネル内に挿し込まれ、ポリープあたりをいじると、やがて、こぶのようなポリープがだらんと垂れ下がった。
今度は別の器具が挿し込まれる。
先端がハサミのような形状に見えた。
そいつでポリープの根元あたりを切っているようだ。
やがて、コロンとモニター画像の下側に落っこちてきた。
おそらく、カメラレンズの端っこがポリープを捕獲できるような仕組みにいるのだろう。
医師が「回収します」と言いながら、内視鏡をトンネルの外へと出した。
そして、「他にはないか、もう一度確認します」と言いながら、
再度内視鏡をトンネル内へ入れる。
「1度目は初心者だが、2度目はこちとらベテランだい」 てな感じで、今度は落ち着いていられた。
結局、ポリープは1個だったようだ。
内視鏡検査が終わっても点滴は続いていたので、この後別室で横になったまま点滴が終わるのを待った。
500ccの点滴を終え、着替えを済ませて待っていると、お呼びがかかり、
医師から検査結果の説明があった。
どうやら、ポリープのあった箇所は横行結腸の真ん中あたりだったようだ。
「見たところ良性だと思うが、念のため病理検査にまわします」とのこと。
無事検査を終え、空腹のけだるい心身がほっとした瞬間である。
「遠くから来ているので、病理検査結果の確認は電話でいいですよ」とのことだった。
病室を出て、事務室で支払いを終え、病院を出た頃には、山影に夕陽が沈もうとしていた。
そして、車に乗り込む。
まだまだ抜けきっていない強制的に入れられたガスを「プップ プップ ・・」と抜きながら、
行きとは違った晴れやかな気持ちで、我が家を目指して半島をひた走った。
家を出てから10時間と30分。
我が家に着いたのは、夕闇迫る時間帯。
長かった1日、いや2日。
いいや、なが~い1か月が終わった。
ご訪問ありがとうございます。
「プチッ」と応援 感謝
そこで、渡された検査着に着替えることになった。
検査着は、予想どおりお尻の部分に穴が開いている。
上下とも下着を脱ぎ検査着に着替えると、点滴が待っていた。
おそらく、内視鏡検査中に脱水症状を起こしてはいけないからなのだろう。
横になって静かにしていると、あの70歳代半ばの女性が今検査中のようで、医師との会話が聞こえてくる。
その方の検査が終わったらしい会話が聞こえてから少しして、お呼びがかかった。
同じ検査室内を機械のある場所へ点滴を引きずりながら移動。
ベッドと機械と担当医師がスタンバッている。
いよいよ検査開始だ。
少しの緊張が走る。
それに、痛み止めの麻酔を打ってないので、どれほど痛いのか心配だ。
ベッドに横向きになると、看護師が検査着の例の穴がトンネル入口(普段は出口だが)に来るようズボンをたぐりよせた。
そして、腸の活動を弱める効果があるという注射を肩のあたりにされ、
その後、医師自らがトンネルの入口(普段は出口)に痛み止めだというゼリーを塗ったかと思ったら、
すばやく内視鏡を突っ込まれた。
「ンググッ!」
ふと気づくと、右斜め上のモニターにトンネル内部が鮮明に映し出されている。
「おおっ! 毛細血管がきれいに見え、壁もきれいなもんじゃないか」と少しほっとした。
予想に反して痛みはない。
時折画像がぼやける。
そんな時、医師が手を小刻みに振る。
おそらく、ヘアピンカーブを曲がる時、カメラが壁にあたったりするのではなかろうか。
そして、どんどんトンネルの奥へと進むモニター画像を見ながら、昔「ミクロの決死隊」という映画があったなあと思い出した。
痛みはないのだが、お腹が膨らんでくる。
トンネルを広げるために空気を送っているようだ。
看護師も医師も「我慢せずにオナラしてください」と。
いやいや我慢などしていないのです。
コードを引き連れたカメラがどんどん中へ入っていくので、「しようにもできないんです」
と答えた。
やがて、モニター画像にこぶのようなものが見えた。
「えっ?」と思いドキッとしたのだが、医師はそのままスルーしてさらに奥へと進んで行く。
そして、仰向きになって下さいと言われ、体勢を変える。
さらに空気が送り込まれているようで、どんどんお腹が張ってくる。
うっ 気持ちワリイ。
ツルッとした壁や凸凹の壁をどんどん進む。
どうやら、トンネルの奥まで行ったようで、今度は引き返しているようだ。
その時、何枚か写真が撮られる。
最初、病変の撮影かと思い「ドキッ」としたのだが、
おそらく要所要所を撮っているのだろう。
そして、私が“こぶ”と思ったところで停止して、
「ポリープがあるので取りましょうね」と。
「お願いします」
電気を通しますから、と 太腿に大きめのシールのようなものが貼られた。
そして、別の何かがトンネル内に挿し込まれ、ポリープあたりをいじると、やがて、こぶのようなポリープがだらんと垂れ下がった。
今度は別の器具が挿し込まれる。
先端がハサミのような形状に見えた。
そいつでポリープの根元あたりを切っているようだ。
やがて、コロンとモニター画像の下側に落っこちてきた。
おそらく、カメラレンズの端っこがポリープを捕獲できるような仕組みにいるのだろう。
医師が「回収します」と言いながら、内視鏡をトンネルの外へと出した。
そして、「他にはないか、もう一度確認します」と言いながら、
再度内視鏡をトンネル内へ入れる。
「1度目は初心者だが、2度目はこちとらベテランだい」 てな感じで、今度は落ち着いていられた。
結局、ポリープは1個だったようだ。
内視鏡検査が終わっても点滴は続いていたので、この後別室で横になったまま点滴が終わるのを待った。
500ccの点滴を終え、着替えを済ませて待っていると、お呼びがかかり、
医師から検査結果の説明があった。
どうやら、ポリープのあった箇所は横行結腸の真ん中あたりだったようだ。
「見たところ良性だと思うが、念のため病理検査にまわします」とのこと。
無事検査を終え、空腹のけだるい心身がほっとした瞬間である。
「遠くから来ているので、病理検査結果の確認は電話でいいですよ」とのことだった。
病室を出て、事務室で支払いを終え、病院を出た頃には、山影に夕陽が沈もうとしていた。
そして、車に乗り込む。
まだまだ抜けきっていない強制的に入れられたガスを「プップ プップ ・・」と抜きながら、
行きとは違った晴れやかな気持ちで、我が家を目指して半島をひた走った。
家を出てから10時間と30分。
我が家に着いたのは、夕闇迫る時間帯。
長かった1日、いや2日。
いいや、なが~い1か月が終わった。
ご訪問ありがとうございます。
「プチッ」と応援 感謝