サーカスな日々

サーカスが好きだ。舞台もそうだが、楽屋裏の真剣な喧騒が好きだ。日常もまたサーカスでありその楽屋裏もまことに興味深い。

217日目「包むー日本の伝統パッケージ展(目黒区美術館)」目黒

2011年02月19日 | 姪っ子メグとお出かけ

姪っ子メグ おじさんってば、イヤホンで何聞いてるの?あたしの声聞こえてる?
キミオン叔父 失敬、失敬。ほらiphone4のipod機能でね。今は、saluyというかリリィシュシュ時代のアルバム「呼吸」。
ああ、おじさんが10回見たと言う『リリィシュシュのすべて』のサウンドね。
うん。スマホは電話連絡やメールはギャラクシーだけど、こっちはもっぱら音楽。だから、Ipodナノで良かったんだな(笑)。
CDからが多いの?
そうね、今はTSUTAYAで週に一度か二度、四枚1000円のDVDレンタルをチョイスして、そこからレンタルCDコーナーに行ってまた四枚1000円を。時々、ブックオフで数百円になっているCDアルバムを入手したり。
ほとんどが古いアルバムだけど。だいたいは知ってる曲だからシャッフルして偶然の曲のつながりを楽しんでるのね。
あたしも時々外で聞くけど、ほとんど公園とかのベンチに一人でいる時ね。歩きながらは、周囲の音が半分閉ざされるから、ちょっと怖いわね。
それはあるな。自分の世界に思わず入っちゃうことがあるから、ディスコミュニケーションになって周囲の発する音に鈍感になっちゃうからね。


今日の「包む」の企画展だけど、岡秀行さんが所蔵していた日本の伝統パッケージのコレクションなのね。岡さんが95年に亡くなられたあとに、この目黒区美術館が収蔵することになったのね。
岡さんはこの世界では有名な人で、全国商業美術家協会を創立されて理事長になっておられる。で、グラフィックデザイナーとして活動される一方で、戦前から食料品や菓子折りなんかの容器の美に魅了されて研究・収集を始めたんだけど、どんどん大量生産パッケージの中で失われていくから、それらを写真集のようなかたちで残すようになった。美術出版から『日本の伝統パッケージ』を上梓したのが65年だ。半世紀前だね。
岡さんのコレクションは世界を巡回するよういもなって「TSUTSUMU」という言葉も広がっていくのね。
それはもう驚愕だろうね。欧米なんかさ、よく映画見ていても、贈り物文化というのはとても発達してるけどさ、誰も彼も受けとるや否や、包装紙をびりびりっと汚く破るじゃないの。あれ、嫌だよな(笑)。
そうそう、日本人だったらさ、まず包装の仕方にうんうんと頷いて、きれいにセロハンテープを剥がして、まず包装紙を折りたたんでから、中のお菓子ならお菓子のパッケージに感嘆し、それも慎重に開封したら、中に入っている詞書なんかに「おしゃれねえ」などとニンマリして、それから口に入れて幸せにひたるよねぇ(笑)
すべて含んで「文化」だからな。それにしてもさ、今回は「木・竹・笹・土・藁・紙」と材料別に展示してあったけど、そして良く見るような特産物も結構あるけど、いいものだな。
ちゃーんと通気性や保存性や再利用性なんかも工夫されているものが多いよね。弁当箱や小物入れやお皿や飾り物や酒器なんかに代用できるものが結構あるからね。まあいつのまにか捨ててしまうんだけど、廃棄処分にしてもあんまり罪悪感もないし。
まあ、昔は娯楽もなかったから、農家なんかでも夜は編み細工なんかを作ったりしてたからな。だんだん大量生産で、でもどこかでこういう伝統パッケージの「もどき」が求められているし、そういうものがよく供給されている。
今は、「みやげ物」というジャンルの中で、この伝統パッケージの感性は、受け継がれているね。特に、京都とか浅草とかの老舗のお菓子やさんや漬物屋さんやちょっとした田舎の醸造関係者たちにね。
あの山形県の「卵っと」だったけ。卵が5個綺麗に縦に直列させて、藁でパックしてある。見事に無駄がないね。
あたしはやっぱ、可愛いお弁当箱ね。もう中味はいいから箱だけ頂戴!って。
地酒類の容器も千差万別で。可愛いおちょこが徳利にうまくデザインされていて。あれをチビチビやるのがまた旅情だな。
あ、そうそうおじさんに渡すものがあったんだ。ほら遅ればせのバレンタイン・チョコ。
おお、サンキュー、これまた可愛い包装だね。
うん、あたしもちゃーんと自分で選んで「包む」したのよ、エヘン。

 

 

 

 


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