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| 肺ガンを告白、復活を誓っていた梨元勝さん=6月12日、東京都内(村上智博撮影)(写真:夕刊フジ) |
[フォト]娘の麻里奈さん「弱音吐かなかった父誇り」
梨元さんへの最後のコメント取材は8月4日の夕方だった。「病院のベッドで、取材を続けています。医師にも仕事をした方が活力が出る、といわれています。いつでも電話をください」
が、電話口の声は、やや息苦しそうだったので、できるだけ短く切り上げようと思った。
梨元さんは食道がんで闘病中のサザンオールスターズ・桑田佳祐(54)に、「ツイッターをやるといいですよ。僕は4万人以上の方にフォロー(追跡)されて励まされています」とアドバイスを送った。
自身の病状については、「3回目の抗がん剤治療が8月9日から始まるんだけど、副作用の口内炎がひどくて。甘いものとピリ辛しか分からない。白血球が減るからダルいんだよね。今度のは新薬だというから期待してます」と振り絞った。
その1カ月前。すでに猛暑に突入していた7月3日。都内の大学病院へ、記者仲間数人とお見舞いにうかがった。個室のベッドを半分起こして、机には取材用の携帯電話が4台。
「ここからスクープを出しますよ。動画の配信もしました。家族やスタッフの支えがありがたい。娘が『これなら味がわかるでしょ』と買って来てくれたペペロンチーノがおいしくて」
話し足りない様子だったが、10分話すと咳き込むような様子で、早々に失礼した。
その気骨から東京のキー局とことごとくぶつかって、ここ数年は週のうちに福岡や名古屋の地方局を飛び回っていた。
「GPS機能ってスゴイね。ベッドからでも芸能人の家がわかるし、張り込みをしている若い者に指示も出せるんだよ」
“生涯現役”が芸能リポーターとしての矜持だったのか。いつも電話の最後に聞こえる「恐縮です…」のリフレインが今も耳から離れない。 (芸能デスク 中本裕己)
本人のオフィシャルblogは、8月6日が最終の書き込み日になっている。
「自分の取材だから取材拒否はないから最後まで伝える」と闘病生活をレポートしていた。
癌発見から三ヶ月、進行の早い肺がんだったのかもしれない。
「恐縮です」という登場の仕方もユニークだったが、「梨本に言いつけるぞ!」というのが芸能界の流行り言葉ともなった。
芸能レポーターではあるが、根性が入っていた。批判精神もあったし、人情味もあった。
ワイドショーのコメンテーターで頻繁に出ていたこともあったが、政治や経済や社会面のコメンテーターよりずっとましであると思った。
とにかく自分の足で歩いているからだ。
ジャニーズ事務所との軋轢などもあったが、本当はインターネット時代のメディアでその嗅覚や人脈や取材力が活かせた人であったかもしれない・・・合掌!



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