喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

どろんこのうた

2010-04-27 | ブログ
 知りあいの柴崎あいさんから、毎年とてもすてきなカレンダーを贈っていただきます。
それは、野村学園が発行している「どろんこのうた」。

 現在、特別支援学級を担任しているので、教室にはらせていただいています。

 野村学園は、まだ自然が多く残っている山あいの地、
愛媛県西予市野村町にある知的障害児(者)施設です。
 児童・成人80名が寮生活を送りながら、共に生活し、学習し、作業しています。
「どろんこのうた」は、生活の中で見つけた感動をすぐに詩に書き、
それを版画に彫った作品です。

 この取組を始めた仲野猛さんは、次のように語っています。

『詩教育に取り組み始めたばかりの昭和48年、坂村真民先生に、
野村学園で初めてつくった利用者の詩集「水尾宏和作品集」を送った。
いただいた感想の手紙が今も手元にある。
(坂村先生は、当時高校の国語教師であった)。
この人たちと接するときの心構えとしてずっと次の一節が焼きついている。

「この天使のような子どもたちのよい友だちになってください。(先生にならないよう)」
友だちとなって彼らと向き合う。
「おれも話がある 山ほどある 山田くにこみたいにある」

 彼らから、詩を引き出すのが詩作指導である。
「思い邪なし」の彼らの言葉は、書きとめれば自らの命の輝きにあふれた詩語となる。
「しゃべったら しらんまに できるのがしです うれしいです」
のように、いくらかの幸福感や誇りを持てる詩の勉強は、
彼らの生涯学習のひとつになっている。

 詩は彼らの存在の証。
支援する者も感動と発見の連続。
立派な詩が社会参加し、
「せんせいは なんでも詩にするけん すばらしい」
と、ほめられる。
 詩の根源学習は続く。 
              仲野 猛 』  

 この版画詩「どろんこのうた」を見るたびに、
命の輝きを感じます。
今の世の中、少し複雑に考えすぎですね。

                        岬人(はなんちゅう)

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2 コメント

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恐縮です (おかけや)
2010-04-28 03:27:29
どろんこの詩、全国各地で大活躍です。
あちこちの教室や福祉施設、書斎やリビングで、
みんなに力をくれていることでしょう。

仲野先生、ずーーーっと「よいともだち」だったのでしょうね。
一つひとつの詩から、天使の笑顔と寄り添う人の姿が思い浮かびます。

私も、寄り添う人になりたいと思っています。
「今の世の中、少し複雑に考えすぎですね」
ほんとうに。
いっぱい理屈を考えて、あちこち足を運んで、私が出した結論は、
  「私と一緒にはたらいてもいい」「はたらきたい」と感じてくれる人と、
  いっしょに「おかけや」つくりましょう。
です。

 夢の実現まで、あと少し。
 焦らず焦らず・・・ペンキ塗りに精出しながら、天使がやってくるのを待っています。

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寄り添うこと (岬人)
2010-04-29 22:26:41
おかけやさんは、なぜどろんこのうたを配るようになったのでしょうか 寄り添うって、安らぎますね 自分の道は、自分で歩む力は、持っていますものね 寄り添ってくれる、安心できる人がいれば、踏み出せる力がわきますね
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