喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

お正月 ~引き継がれてきた日本のすばらしい文化~

2015-12-25 | ふるさと
冬至を過ぎたというのに暖かい日が続いています。
出勤の時間、ちょうど宇和島のあたりから朝日が昇り、宇和海を照らし清々しい気持ちになります。
これが私の毎日のルーティーン。
佐田岬の豊かな山には、オレンジ色の柑橘と真っ赤なハゼが彩りをあたえています。
 
 日本のすばらしい文化について見てみます。その前に今日はクリスマス。
クリスマスとは、Christ(キリスト)の 誕生を祝うmass(ミサ=祈り)のこと。
したがってメリー・クリスマスとは、「おめでとう!イエスの誕生。」ということになります。
 日本では、クリスチャン以外も違った意味で盛り上がっていますが、それもまた日本人らしさ。
仏教徒が多い日本では、4月8日に灌仏会(かんぶつえ)(花祭り)という釈迦の誕生を祝う行事があり、
甘茶がふるまわれます。
大切にしたい行事です。

 クリスマスから1週間後の正月には、「明けまして、おめでとうございます」となりますが、
どうしておめでたいのでしょうか。
 NHK教育教材「どきどきこどもふどき」がわかりやすく説明しています。

 年の初めは、初詣(はつもうで)。
正月は神社もお寺も混雑します。
ふだん行かない人も、このときとばかりに願いごとをします。
手を大きくたたいたり、鈴を大きく鳴らしたりして神様にふり向いてもらえるようにします。
お賽銭(さいせん)などもして。

 お金と言えば、お年玉。
お年玉は正月のお祝いで、今はお金を渡しますが、昔はえらい人が目下の人に、もちや刀、扇などの品物をあげていました。
 
 そして正月と言えば、おせち料理。正月を祝う特別な食べ物です。
これには、めでたい“いわれ”のある料理がつまっています。
 例えば、黒豆。
食べると、「黒く」日やけして「まめ」に働けると言われています。


 数の子は、ニシンという魚の卵。
食べると、子どもが大ぜい生まれると言われています。


 栗きんとんは、「お金持ちになれるように」と、金色の食べ物を入れたもの。
 おせち料理にはめでたい食べ物がいっぱいです。

 でも、正月っていったい何が、めでたいのでしょうか? 

 今から2000年以上前、米作りといっしょに日本にやって来た神様が「年神(としがみ)」。
年神の「年」は、今と少し意味が違い、「イネの実り」のことでした。
 年神は、毎年作物を育ててくれる神様。
ふだんは田んぼや畑で働いています。
そこで、正月は家に招いてくつろいでもらう。
するとその年も豊作にしてくれるのです。
 でも年神様はそう簡単には家に来てくれません。
だから人間は、必ず神様に来てもらえるよう、必死に準備します。

 神様は汚いものが大嫌いなので、まずは建物をきれいにします。
寺社では、年末になると真っ黒になりながらすすやほこりを落とします。
それぞれの家庭でも大掃除が行われると思います。

                        「掃除する息子」

 人間もきれいにするために大みそかに冷たい水で身を浄(きよ)める人もいます。
新しい服に着替えたり。
 秋田県では大みそかに「なまはげ」という鬼がやって来て、神様を迎えるために悪いものを追いはらう風習があります。

 神様を家に呼びこむのが、米のわらで編んだ「しめ縄」や「門松(かどまつ)」。
神様は先のとがったものが好きなので、松の葉を飾ることで神様に来てもらおうとしています。


 家の神棚に迎え入れ、大好物のもちをお供えします。
もちは、もともと神様へのお供え物でした。
だからそれをいただくことを「お下がり」と言います。


 こうして、やっと年神様に来てもらえたということで、正月はおめでたいとされてきました。

 そして、神様を田んぼや畑にもどす儀式もあります。
毎年1月15日ごろ、全国で行われる「どんど焼き」という行事です。
門松やお供え等、神様を迎えた飾りを積み上げ、火をつけます。
燃やすことで、炎と一緒に神様を田んぼや畑にお見送りして、仕事に戻っていただく。
そうすることでその年の豊かな実りが始まるのです。
これもまた「これでお正月はおしまい」という大事な儀式。

 
 私たち日本人が長い間引き継いできたすばらしい文化であるお正月。
そのいわれを子どもたちに話しながら、家族や地域の絆を深めていきたいものです。

 家族や地域に見守られている子どもは、そのことを誇りに感じ、伸び伸びと育っていくことでしょう。

            「昨年、家族みんなでのトランプ大会」

 日本という国は、すばらしい。

             岬人(はなんちゅう)
 
コメント
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