平成22年、佐田岬半島(伊方町)の初盆行事が、
文化庁の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に指定された。
これを受けて、13日におしょろい棚の記録作成のため東京から株式会社「桜映画社」のスタッフ3名が来られた。
そして翌日14日には、再び平礒を訪れ、もう霊を撮影された。
これもあってか今年のもう霊は、人が多かった。
30人はいたと思う。
これほどの人が集まったのは、記憶にない。
初盆の家はもちろん、先祖は喜んでいるだろう。
フクロイ瀬に着くとまず笹舟を作り、海に流す。
おしょろい船だ。
初めて来た人、幼い子どもにその作り方を教える場面がそこここに見られる。
次に今年新調した鉦(カネ)や太鼓に合わせ、円を描いて歩く。
鉦は私の父。太鼓は前を春おっちゃん、後ろを亀おっちゃんがかつぎ、亀おっちゃんが太鼓をたたく。
鉦をたたく人が、
「氏神さま、お受け取りなされ」
「氏仏さま、お受け取りなされ」
「そうたん殿、お受け取りなされ」
そして、この1年で亡くなった2名の方
「○○殿、お受け取りなされ」
と言って、合図を出す。
それに合わせて、周りの人が
「な~もみどう~」と言う。
この言葉は、「南無阿弥陀仏」という言葉が変化したもので、
これをとなえながら時計回りで歩く。
これが終わると、父がそれぞれみなさんが持っていた笹を集め束にして、海に流す。
そして最後は、天神崎の方へ向かい、まなご石を自分の歳の数だけ拾い、 神様に捧げる。
若い人は数えやすいが、歳をとった人はたいへんだ。
行事はこれで終わりとなる。
初盆を迎えた家の方からお酒、お菓子の接待を受け、帰って行く。
昔は、くずしなどを炊いて持って来て、ここでしばらく飲んだらしい。
平礒のもう霊は、華やかさは全くないが、
その素朴さに先祖供養の原風景があるような気がする。
未来に残したいふるさとの風景だ。
岬人(はなんちゅう)
文化庁の「記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財」に指定された。
これを受けて、13日におしょろい棚の記録作成のため東京から株式会社「桜映画社」のスタッフ3名が来られた。
そして翌日14日には、再び平礒を訪れ、もう霊を撮影された。
これもあってか今年のもう霊は、人が多かった。
30人はいたと思う。
これほどの人が集まったのは、記憶にない。
初盆の家はもちろん、先祖は喜んでいるだろう。
フクロイ瀬に着くとまず笹舟を作り、海に流す。
おしょろい船だ。
初めて来た人、幼い子どもにその作り方を教える場面がそこここに見られる。
次に今年新調した鉦(カネ)や太鼓に合わせ、円を描いて歩く。
鉦は私の父。太鼓は前を春おっちゃん、後ろを亀おっちゃんがかつぎ、亀おっちゃんが太鼓をたたく。
鉦をたたく人が、
「氏神さま、お受け取りなされ」
「氏仏さま、お受け取りなされ」
「そうたん殿、お受け取りなされ」
そして、この1年で亡くなった2名の方
「○○殿、お受け取りなされ」
と言って、合図を出す。
それに合わせて、周りの人が
「な~もみどう~」と言う。
この言葉は、「南無阿弥陀仏」という言葉が変化したもので、
これをとなえながら時計回りで歩く。
これが終わると、父がそれぞれみなさんが持っていた笹を集め束にして、海に流す。
そして最後は、天神崎の方へ向かい、まなご石を自分の歳の数だけ拾い、 神様に捧げる。
若い人は数えやすいが、歳をとった人はたいへんだ。
行事はこれで終わりとなる。
初盆を迎えた家の方からお酒、お菓子の接待を受け、帰って行く。
昔は、くずしなどを炊いて持って来て、ここでしばらく飲んだらしい。
平礒のもう霊は、華やかさは全くないが、
その素朴さに先祖供養の原風景があるような気がする。
未来に残したいふるさとの風景だ。
岬人(はなんちゅう)