
【東京・東村山市】鎌倉時代末期の元弘二年(1332)創建といわれる古刹で、江戸時代の元和二年(1616)に璧英宗趙禅師を開山として中興され、江戸末期には赤坂の種徳寺末だった。
臨済宗(禅宗)大徳寺派に属し、本尊は白衣観世音菩薩。
江戸時代中期、永春庵を八国山から徳蔵寺境内に移設したが、永春庵が所蔵していた「元弘の板碑」(国指定重要文化財)も移された。「元弘の板碑」は、新田義貞の鎌倉攻めの際にこの付近で討死した武将を供養して建てられたといわれ、元弘の役の史実を裏付ける貴重な資料。 また、「元弘の板碑」の他、本堂に保存されていた板碑や、境内から発掘された板碑や宝篋印塔、武蔵野一帯から収集され多くの板碑などが、「徳蔵寺板碑保存館」に保管されている。
道路を歩いていたら突然現れたような佇まいのお寺で、真新しそうな山門が立ち、外壁を補修中の大きな「徳蔵寺板碑保存館」がデ~ンと迫ってくる。 古刹ではあるが、本堂、客殿、庫裏、永春庵はいずれも昭和後半に改築されたもの、そして山門は数年前に新築されたものでピカピカだ。
境内を散策した後、「徳蔵寺板碑保存館」を拝観....物凄い数の板碑が所狭しと壁に展示されている光景は、壮観だ。 「元弘の板碑」の前に立って、新田義貞の鎌倉攻めで戦いで無念の死を遂げた多くの武将たちに思いを馳せた、が、保存館で一番印象に残った板碑は、写真による展示ではあるが埼玉県江南市にある「日本最古の板碑」だった。

山門..もともと山門がなく平成二十二年に新築された

永春庵(左)には本尊の聖観世音菩薩が祀られている


大きな4基の石燈籠の奥に本堂が立つ..静かな佇まいの境内だ

左から六地蔵尊、正位寺跡地蔵尊、供養宝塔が並ぶ

正位寺跡地蔵尊


十一面観世音菩薩が鎮座する供養宝塔 供養宝塔前に立つ板碑

石燈籠越しに眺める供養宝塔と本堂


本堂は入母屋造銅板葺で重厚な造りだ

手入れが行き届いた静かな佇まいの境内


本堂前面だが向拝部分がない構造? 本殿の右奥に佇む客殿と庫裡

客殿


庫裡 庫裡前に佇む石燈籠

本堂右手前に立つやや古そうな庵かな?


庵?前に佇む小さな石燈籠 「貞享二年」刻の石仏(1682年、江戸時代)

徳蔵寺板碑保存館..ちょうど外装工事中だった

宝篋印塔や板碑が陳列されている..右奥に「元弘の板碑」が展示

壁一面に展示された板碑群


「元弘の板碑」..南北朝時代元弘三年(1333)作/新田義貞公鎌倉稲村ケ崎にて龍神に献刀の図



比翼碑(左)..対になっている板碑で室町時代延文四年(1359)作/獣脚付蔵骨器(中)..約1200年前の作/日本最古の板碑(写真)(右)..鎌倉時代嘉禄三年(1227)作
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