何気ない風景とひとり言

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清雲寺 (横須賀)

2016年10月28日 | 寺社巡り-神奈川

【神奈川・横須賀市】平安時代後期の長治元年(1104)、三代衣笠城主の三浦義継(三浦氏三代目)が父為継(二代目)の供養のために天台宗として創建した。
桓武天皇の末裔である三浦氏の祖は武将・三浦為通で、康平六年(1063)、平安後期の武将で東国における源氏勢力の基盤をつくった源義家より三浦の地を賜り、三浦を名乗って衣笠城を築いた。 清雲寺には、頼朝挙兵に尽力した三浦義明以前の三浦氏三代にわたる当主が埋葬されている。
創建時の本尊は毘沙門天立像だったが、三浦為継が建立した円通寺(廃寺)の本尊だった瀧見観音菩薩像が、昭和初期頃に復興された清雲寺に移されて本尊に。 瀧見観音菩薩像は中国からの渡来仏で、南宋時代(1127~1279)の造立とされる。 現在は臨済宗(円覚寺派)。


狭い路地を道なりに進んで急な坂を上ると、樹林に覆われた小高い丘の上にある清雲寺への石段下に着く。 両側に石造物が佇む急峻な石段を上り詰めると、緑に包まれ落ち着いた佇まいの門前に....袖塀がある山門を通して寄棟造りの本堂が見える。
山門をくぐると、卒塔婆に囲まれ、赤い帽子とカラフルな刺繍のある涎掛けをした六地蔵尊像が迎えてくれる。 参道脇に佇む2体の地蔵尊像に見守られながら本堂に....向拝がない本堂の正面に掲げられた扁額「圓通閣」から本尊が観音様と分かる。 本堂の大棟や境内に佇む多くの石燈籠の笠と中台に彫られている三浦氏の家紋(丸に三つ引両)が目を引き、三浦氏ゆかりのお寺らしい雰囲気を醸し出している。
本堂の裏手に「三浦氏三代の墓」の五輪塔があるが、墓所への参道にある門扉が閉まっていたので拝観を諦め、ネットから写真を拝借した。
 
阿弥陀三尊の種子が刻まれた「三界萬霊」と「唐佛瀧見観世音菩薩」の石塔/蓮華座に立ち宝珠と錫杖を持つ地蔵尊像と自然石の庚申塔「青面金剛王」(造立年不明)

落ち着いた佇まいの門前
 
切妻造銅板葺で小さな袖塀を設けた山門は四脚門

山門を通して眺めた緑に包まれた境内

山門脇の覆屋に鎮座する六地蔵尊像..赤い帽子と刺繍が施された涎掛けがいい
 
正面参道脇に佇む2体の地蔵菩薩立像/舟形光背の地蔵尊像..右手に錫杖、左手に赤子を抱く
 
大きな頭部の錫杖を持つ地蔵尊像/破損した2基の宝篋印塔の部位の一部を積み上げたもの

境内に笠と中台に三浦氏の家紋(丸に三つ引両)が彫られた石燈籠が立つ
 
寄棟造茅葺風銅板葺で向拝のない本堂..短い大棟の中央に三浦氏の家紋

正面に「圓通閣」の扁額..観世音菩薩(圓通大士)坐像を祀る

境内に佇む舟形光背の千手観音菩薩像と石祠
 
蓮華座に鎮座する千手観音菩薩像(造立年不明)..頂上に11面をいただく/本堂右手に立つ笠と中台に三浦氏の家紋が彫られた7基の石燈籠
 
宝形造りの覆屋で保護された古井戸と滑車

本堂に向かって左側に建つ庫裡

本堂裏の三浦氏三代の墓の五輪塔(ネットから拝借)..中央が初代為通、両側が二代為継と三代義継
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